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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



<スポーツ雑感+ 2024/9/28>
茨城県坂東市の大利根カントリークラブ西コースで開催されている第57回日本女子オープンゴルフ選手権の初日(9月26日)を観に行った。東京五輪会場の霞ヶ関カンツリー倶楽部と雰囲気が似た、松の木でセパレートされたアップダウンの少ない林間コースで、神谷そら、竹田麗央らの豪快なドライバーショット、申ジエ、古江彩佳の絶妙なショートゲームを楽しんだ。会場では観る範囲が限られてしまうが、独特の緊張感、空気感は現場でなければ味わえない。

その緊張感に水をさしていたのが、スマホカメラのシャッター音だった。この大会は「スマホの無音アプリ」による撮影を認めている。国内の女子の大きな大会としては初の試みだ。応援している選手の写真を撮れることは来場者増に、またSNSでの情報発信・拡大につながる今の時代に必要な施策だ。ぼくも、特設サイトで知り、普段のカメラアプリとは別の無音カメラをインストールしておいた。会場では、多くのファンが画像や映像を撮るためにスマホを選手に向けていた。そして、その中に、音付きで撮影している人が。直前に決めたためだろうか、「無音アプリ撮影OK」の告知は、特設サイト、会場内の看板(少ない)、スタートホールでのアナウンスだけ。来場者に配る大会プログラムや出場選手・会場地図の入ったチラシには記載がない。無音で撮っている人を見て、音付きで撮ってしまう人が出てくるのは当然だろう。また、関係者によれば、出場選手に対して、事前に「無音アプリ撮影OK」は伝えられていなかったようだ。パフォーマンスに大きく影響することなのに、観客への周知も弱く、選手への配慮もないのは、残念だ。

さらに悪いことに、ギャラリープラザで昼食をとりながら、午後、どこで、誰を観ようか考えるために、特設サイトのリーダーボードを見ようとしたら、アクセス過多で特設サイトが閲覧できなくなっていた。まだ、初日なので、スコアにこだわることはないが、どの選手が、どのホール辺りにいるか、進行がわからないのが困る。また、撮影に関する注意も見ることができないし、翌日以降の前売りチケットも購入できない。結局、不完全ながら復旧したのは、初日の競技が終わって4、5時間後の夜10時ごろだった。ぼくら観客も不便をこうむったが、運営面、営業面で大きな痛手だったのではないか。初日の入場者4640人に対して、2日目は3661人だった。2日目は天気が悪かったとはいえ、サイトのトラブルの影響もあったはずだ。

特設サイトへのアクセスが増えた背景には、大会の放送事情があったのではないか。この大会は、大会を共催するNHKが、4日間、午後の時間に、地上波とBSをリレーして生中継し、ゴルフ専門チャンネルのゴルフネットワークが、決勝の2日間、1番ホールのみ生中継している。普段のトーナメントで長時間生配信しているDAZNやU-NEXTによる放送・配信はない。試合経過を知りたいファンがサイトに集中するのは当然のことだろう。この放送体制には、放送権に関わるNHKの意向が大きく反映していると思われる。

運営サイドの意欲、思惑、混乱、力不足が垣間見えた、「日本一の女子ゴルファーを決めるナショナルオープン」初日の振り返りとなった。






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