小さい時父が教えてくれた将棋が今頃役立っている。
一度も父に勝てなかった。父はわたしの待ったも容赦しなかったし、時折、「飛車くれといく。」と、言って気を飛車に向けて、他のものをぱくっと取ったりと、心理作戦を使っていた。たぶん、そううまくないのである。しかし、さほどうまくない父に勝てなかったのだから、わたしもへぼである。
ところが、ここへ来て子供たちと将棋をすると負けらられない。彼らは、こちらを値踏みしている。まず誘い言葉が「先生って将棋できるん?」「出来るよ。」「うまい?」「どうかなあ。」というところから入る。そして、学童一うまいというS君と対戦したのである4年生だ。コワーーイ。負けそう。それで、真剣に頑張って勝ったら、以来しわくちゃ婆さんと言わなくなった。
真剣にやらなくてはいけない。そして、まず勝たなくてはいけない。その後の人間関係に響くのである。そして、そのうえで駒を回すのを教えてもらったりすると、バカにせずていねいに教えてくれる。お蔭で、生まれて初めて駒をひもでまいて回せるようになった。ついでにけん玉も。
楽そうに思うかもしれないが、気ままな子供たちと付き合うのはなかなかのものだ。おまけに、体育館でドッチビーなどさせられたら命がけである。熱中症と怪我に自分が気をつけなくてはならない。朝8時から夕方7時ころまでしばしも休まず。
今日は原爆の話と「かわいそうな象」を、読み聞かせたら、子供たちはわたしの椅子の周りを囲んで静かに聞いていた。そして、読んだ後、読後感を言っているので、子供は怖いけど素直なのだと思った。一生懸命話を聞くと、一生懸命話してくれる。
話は戻るが、父が将棋を教えてくれたことに感謝する。