手の内
今年最後の講習会が松任の弓道場で行われた。
前々から、手の内が悪くて、その為に弓返りが悪く、弓の止まりも悪いので、どうにかならないか日々苦心していた。手の内は、本当に大切で、手の内を明かさないとか言うくらいなのに、弓道の範士の先生や、先輩たちは、必死になって教えてくれる。しかし、何と言っても手の内なので、その微妙な締まり方や、その形などがうまくいかない。理屈で分かっても出来ない。「何十年弓を引いているのだ」と、口の悪い先輩は言うが、その先輩もさほど良い手の内ではない。
先日、山中での今年最後の月例会で皆中をして納射をしたとき、先輩が「いい感じに弓も回っているね」と、褒めてもらえて、会長のあいさつで、「小さいのに大きく見えました」と、言ってくださって気を良くしていたのだが、今日の講習会で、課題がわんさか出てきて、またまた意気消沈だった。
そして、分かったのは、弓道の場合(どのスポーツもそうかもしれない)気を良くしている暇はないのだという事だ。常に、常に課題が降りかかってくる。
ずっと前に孫に買ってあげた「地獄」の本を思い出した。そうだ!無間地獄だ!それも自ら喜んではまって行く。この集団は何だ。
若い人たちの、気合の入った射を見ていると、一体今まで何とぼんやり稽古を積んできたことかと思うが、最近の稽古の方向が大きく間違っていないことも確認できてよかった。
講習会の良いところは、日頃の仲間が気付かずに過ごしているわたしの悪い癖を見抜いて注意してくださる先生がいることがありがたい。「ちょっと、足運びおかしかったよ」とか、襷のかけ方の速さについても確認できて、レベルの高い人たちと一緒に稽古できることはしあわせである。
2日間の講習会と、間に懇親会でのパワフルな先生を拝見し、何とエネルギッシュなのかと思う!!この熱い気持ちが、正月に消えてしまわないよう・・・。