弟がまだ到着しないので、母が心配していた。電話も通じなくて、嫁にも通じないという。姑に話すと、夕飯が済んだらすぐに行ってあげてと言ってくれた。心配でごはんも食べていないのではないかと電話をすると案の定。今から行くからというと、「気を付けておいで・・」と、言うので、やはり心配なのだ。大丈夫だったら「来なくていい。」というはずだ。母も姑もわたしを頼りにしている。必要とされているようだが、実はわたしが支えられているのかもしれないと思う。
弟は「正月に行く。」と、だけ言ったので、いつ行くか言ってなかったのだ。連絡が取れたが、せっかくだから母と一緒に紅白を観ることにした。母はわたしの顔を見てから遅い夕飯を食べた。時折心に響く歌にあう。母は演歌になると歌手のことをほめてやたら饒舌になる。何年ぶりに一緒に紅白を観たのだろう。年老いた父母を愛しく思う。わたしはなぜか郷ひろみの歌や、絢香の「三日月」でうかつにも泣きそうになった。
9時半に腰をあげ、帰りに実性院に寄ることにした。殿と時々除夜の鐘をならしにきた。ここには、前の会社で総務にいたときの上司がいる。Yさんは主のように受付にいた。おいでおいでをしてくれたので、中に入ってコーヒーを勧められるまま、よもやま話をして大笑いして10時になったので、除夜の鐘をついた。いい音だった。寺の中では琴と尺八の演奏をしていて、年越しそばもふるまわれていた。フルコースを体験していくように言われた。
Yさんは、奥さんを亡くしている。わたしに「三回忌を迎えた頃にふっきれたわ。」と、言われた。わたしはふと故郷を離れずにずっと生きてきたことをしあわせに思えた。どこかへ行けば、誰かに会える。
ここは、大聖寺藩主歴代の前田家の菩提寺である。萩の寺ともいう。
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