タイトルはヒンディー語で「約束」。
三角関係がベースになっているサスペンスである。
なかなか上手く出来ていた。
私はアルジュン・ランパールのファンなので、
彼の描いたシナリオ通りに進み、信用できる協力者も、
買収された証言者もアルジュンの思い通りになっていたので、
何の問題もないが・・・・
自分の撒いた種とは言えまんまと嵌められた相手は
ちょっとかわいそうかな。
でも、ちょっと狂気じみているので釈放したら、
仕返しをすると思われる。
<ストーリー>
朝、ジョギングをしていたカラン(ザイード・カーン)は、
ビジネス・パートナーのラフル(アルジュン・ランパール)の家を訪ね、
そこでラフルの妻プージャ(アミーシャ・パテル)の死体を発見する。
状況から考えて首吊り自殺だと思われる。
目覚めたラフルはプージャの名前を呼び家の中を探す。
ラフルは交通事故の後遺症で目が見えない。
カランはラフルにプージャが死んでいる事を告げる。
警察がやって来てプージャの死体を病院に運ぶ。、
後日、死体は盗まれてしまい、火葬された状態で見つかる。
ここでラフルとプージャの結婚式のシーンとなる。
結婚式の日、プージャは付き合っていた男性がいた事を
ラフルに告白するが、ラフルは過去の事だと言い、
二人は結婚して幸せな生活をしていた。
ある日、プージャの運転で街に行った際に、
運転ミスで交通事故を起こしてしまいラフルは失明してしまう。
失明した後でラフルはビジネス・パートナーとなったカランを、
自宅に連れて来てプージャに紹介する。
ラフルは見えないので気がつかないが、
二人は知り合いの様子・・・・。実はプージャが結婚前に、
付き合っていたのはカランだったのだ。
場面は変わって結婚前のプージャとカランが逢っている場面。
プージャとぶつかってしまった男性に対してカランが怒り、
フォークで手をめった刺しにしている。これが原因で、
プージャは別れる事にしたのだがカランは自宅にやって来て、
プージャの父親にも暴力をふるう。
その後、カランは一人でヨーロッパに出かけ仕事を見つけるが、
プージャの事は忘れられなかった。ムンバイに戻ったカランは、
プージャの家に行くがプージャは結婚してしまっていた。
警察がラフルに尋ねる・・・
「プージャが結婚前に付き合っていたのは誰か?」ラフルは
「いたとは聞いているが誰かは知らない。」と答える。
警察はカランに尋ねる・・・
「プージャを知ったのはいつですか?」カランは
「ラフルの家で奥さんを紹介された時です。」と答えた。
警察は最初から第一発見者のカランに容疑をかけていた。
カランはラフルの目が見えるのではないか?と疑い、
プージャもラフルが殺したのだと思っていた。
そしていろいろな手段でラフルが盲目ではないと言う事を、
実証しようとする。さらにサーバントのアレックスをも買収する。
実はラフルはシンガポール出張の際に手術を受け、
視力を回復していたが盲目の演技を続けていた。
プージャを驚かせようと突然帰宅したラフルが見たのは、
カランがプージャに言い寄って乱暴している所だった。
しかしラフルは盲目の演技を続けた。
プージャを諦めきれないカランはプージャを脅迫し、
ラフルと離婚させ自分が結婚しようとしていた。
プージャはラフルに全てを話し、自殺を選んだのだった。
カランはラフルの目が見える事を突き止め格闘の末、
ラフルに銃を突きつけ殺人の自白を強要し録音した。
しかし、ラフルがレコーダーを操作し、
カランが殺害したかのような発言だけが録音されていた。
そこに警察がやって来てカランを逮捕した。
裁判の時にも激高しやすい性格が災いし、
カランはどんどん不利になっていく。
逆にカランの指摘したラフルの状況や行動は、
全てが有利に展開して行く。結果、カランは終身刑になった。
留置場のカランをラフルが訪ね、
「君が殺していない事は知っている。」と言い、
目が見えるようになった事、カランとプージャの経緯、
プージャの自殺死体を発見した状況など説明した。
カランは係官を買収してレコーダーを入手し、
ラフルの告白を録音していた。・・・・はずだったが、
ラフルの方が上手でレコーダーの電池は抜かれていた。
プージャは自殺だったが、そうさせたのはカランである。
カランは自分を陥れるためのラフルの計画に、
まんまと嵌められたのであった。
病院からプージャの遺体を盗んだのはラフルであり、
供養のために火葬し灰を河に流した。
正直言うと・・・アルジュン・ランパールの盲目の演技は
イマイチだったのだが、描いた計画を冷静に遂行していき、
計画通りにカランを陥れて行く様子は良く出来ていた。
カラン役のザイード・カーンの狂気の演技は迫真に迫っており、
主役3者の心の動きとがよく描かれていた。
意外にも隠れた名作かも。