1978年に公開されたイングリッド・バーグマン主演の
スウェーデン映画「秋のソナタ」に触発された作品。
2003年公開のインド映画で、
タイトルは主人公であるイスラム教徒の女性の名前である。
登場人物はこのポスターのほぼ4人、
父親役のリシ・カプールは最初のみの登場。
<ストーリー>
ルクサーナ(シャバナ・アズミ)は人気歌手で、
2人の娘テジーブ(ウルミラ・マトンドカール)と
ナジーン(ディア・ミルザ)がいたが、仕事が忙しいため、
夫のアンワール(リシ・カプール)に育児は任せていた。
アンワールは娘の面倒をよく見ていいたが、
いつしか鬱病を患いアルコール中毒になって行った。
そしてルクサーナの前で発作的に拳銃自殺してしまう。
物陰から一部を目撃した子供のテジーブは
ルクサーナが父親を殺してしまったと思ってしまった。
裁判でルクサーナの無実が証明されたが、
テジーブの憎しみは変わらなかった。
時は過ぎて成人したテジーブはルクサーナの反対を押し切って、
作家のサリーム(アルジュン・ランパール)と結婚する。
妹のナジーンは精神に異常をきたしており大人になっても、
子供のままであった。ルクサーナは精神病院に入れるように、
指示していたがテジーブはサリームと3人で暮らしていた。
3人の関係は非常に良く、
サリームもナジーンを自分の子供のように可愛がっていた。
ある日、ルクサーナが3人の元にやってくる。
そもそも性格が正反対であるテジーブとルクサーナ。
そしてルクサーナを憎んでいるテジーブ、
上手くいくはずはなかったが数日が過ぎて行く。
対立する二人の間に入る無垢なナジーン、
偽りのないサリームの愛のある行動。
いつしか3人は少しづつ打ち解けて行ったかに見えた。
しかし大喧嘩をしルクサーナは出て行くと言ったのだが、
ナジ-ンが自分の誕生日を祝うまではいて欲しいと言う。
仕方なくそれまでは残る事にしたルクサーナ。
サリームが仕事で外泊したある夜、家に泥棒が入り、
テジーブは父親の拳銃を持ち出して撃退した。しかし、
それを見ていたナジーンがその拳銃を密かに持ち出した。
誕生日パーティでルクサーナはナジーンに一緒に暮らそう、
と言ったがテジーブは嘘はつかないで、と怒る。
その夜、ナジーンは拳銃で自殺を図ってしまった。
3人の祈りが通じてかナジーンは一命をとりとめ、
ルクサーナと一緒に暮らす事になった。
ルクサーナはテジーブに父親が自殺した時の事を話し、
テジーブの誤解は解けていた。テジーブは謝罪をするために
ルクサーナの側に行き語り掛ける・・・・。
庭のブランコに座っていたルクサーナは目を閉じていた。
眠っているように見える。ところが・・・・
持病を持っていたルクサーナは息をしていなかった。
せっかく3人が打ち解けてこれからという時に・・・。
主要の登場人物は珍しくイスラム教徒である。
しかし日常的にはブルカや宗教的衣装を身に着けておらず、
洋服である事や豪邸に住んでいる事から上流階級である。
テジーブの父親もサリームも普通に酒を飲んでいたし、
イスラム教徒は宗教的に飲酒をしないというのは、
インドでは絶対ではないようだ。
アルジュン・ランパールは全く癖のない善人のサリーム役を、
普通に演じる事で母娘の対立を上手く引き立てていた。
またイスラム教徒役は初めて観たような気がした。
ディア・ミルザは難しい役だったにもかかわらず、
天使と悪魔を演じ分けていた。