2015年の作品、タイトルはこの映画の主人公、
実在するインド独立の戦士ゴール・ハリ・ダスの名前。
ゴール・ハリ・ダスは1931年オディッシャ州生まれ、
10代の頃からマハトマ・ガンディーに影響を受け、
独立運動へ入って行く。しかし証明書を得るまで32年かかり、
この映画が制作されるに至った。
<フリーダム・ファイター(独立の戦士)>
インドの独立のために、自らの命を犠牲にして戦った人の事を、
フリーダム・ファイターと呼び称えている。
彼らはフリーダム・ファイターの証明書を持ち、
州によって異なるが月2万~3万円ほどの
フリーダム・ファイター・ペンション(恩給)を支給される。
証明書があると周りの人の見る目が変わるのである。
有名どころでは、サルダール・パテル、
ジャワハルラール・ネルー、マハトマ・ガンディー、
スバシュ・チャンドラ・ボース、バガット・シン・・・
娯楽映画ではないので退屈かもしれないが、
インドの独立に関わった人々の人生が淡々と進んで行く。
<ストーリー>
1945年オディッシャ州バラソール、
列車の横を走る14歳のグール。
2002年ムンバイ、ゴール・ハリ・ダース(ヴィネイ・パタック)
が通勤列車から降り売店で新聞を買いチェックする。
新聞記者のラジーヴ(ランヴィール・ショーレイ)は、
アニータ(タニシュタ・チャッテルジー)と共に、
ゴール・ハリ・ダースの取材を進めている。
ゴールの話で物語りは進んで行く。
1975年ムンバイ、息子アロクの大学入学に際し、
フリーダム・ファイターの証明書がないため、
入学が許可されなかった。ゴールは自分で記事を集め、
証明書を得る為に根気強く役所に通い続ける。
ゴールの人生は証明書を得るためだけになっていき、
妻ラクシュミ(コンコナ・セン・シャルマ)は応援するでもなく、
なんとなく疎ましそうに毎日を送っていく。
ラジーヴとアニータはゴールと共にオディッシャ州へ行き、
ゴールが独立運動に加わり投獄された証拠を探す。
古い資料は残っていなかったが警察署長の祖父の日記から、
投獄の記載が見つかる。それが決め手となり政府は、
ゴールに証明書を発行する決定を下す。
2007年、ゴールは証明書を手にする。
エンディング、80歳のゴール本人の日常を映した、
モノクロのフィルムが流れる。
実在する一人の男が証明書を手にするまでの、
32年間と言う長い戦いである。
インドのお役所の仕事が遅いところとか、
全くやる気のないような所も垣間見える。