2014年の作品、タイトルはヒンディー語で「悪党」。
ハリウッド映画のパクリは結構あるがこれは・・・
2010年の韓国映画「悪魔を見た」のパクリらしい。
<ストーリー>
電話中に家に侵入してきた何者かに殺害されるアイーシャ
(シュラッダー・カプール)。
2年前のゴア、グル(シッダールト・マルホートラ)は、
マフィアのボス・シーザーの元で殺し屋をしていた。8歳の時、
目の前で両親を殺されたグルはシーザーの世話になっていた。
アイーシャは偶然、警察署で拘留中のグルを見かけ声をかける。
アイーシャは病気で余命いくばくもないため、
生きているうちに誰かの為になる事をしたり、
夢を叶える事を書き写真を貼ったアルバムを作っていた。
グルが手伝っているうちに二人は惹かれあって行く。
グルはアイーシのために足を洗い、
アイーシャの治療のためにムンバイに行き結婚する。
所変わってムンバイで電話工事をしているラケーシュ(リテーシュ・
デーシュムク)はいつも妻に馬鹿にされている。職場でも蔑まされ、
訪問先でも怒鳴られたため、マダムを殺してしまう。
ラケーシュは妻を愛していたため、それから訪問先の女性を
殺しては金品を奪って妻に与ええるようになっていった。
ゴアでグルを担当した警官アディッティア(シャード・ランダワ)は、
凶器がドライバーである事をグルに告げる。
ラケーシュは自分が馬鹿にされていると思い込み、
町ですれ違った女性の後を付けて襲うが、グルが現れる。
そしてアイーシャの復讐の為に一度で殺さず、
何度も何度も繰り返し殴り続ける事を告げる。
治療費をラケーシュのポケットに入れてグルは立ち去る。
ラケーシュが入院している病院でグルは死んだアイーシャが
妊娠していた事を医師から聞きショックを受ける。
ラケーシュは妻が看護師から注意を受けた事で、
その看護師を殺そうとするがグルが見つけラケーシュを殴り、
危うく殺してしまうところだったが助ける。
あの日、通りで電話工事をしているラケーシュに
アイーシャが些細な注意をした事が引き金になり、
ラケーシュはアイーシャを襲ってしまったのだった。
アイーシャは妊娠しているので命を助けて欲しいと告げたが、
ラケーシュはアイーシャを窓から突き落としてしまった。
一方、警察もラケーシュを容疑者としており、
事情聴取のために妻を連行する。ラケーシュは、
自分が殺したアイーシャの夫グルが復讐のために、
自分を繰り返し襲っている事に気がつく。
そしてアイーシャの父親を殺しアイーシャの家に行く。
警察のアディッティアはグルにラケーシュの居場所を教え、
殺すように言う。
グルの到着を待っていたラケーシュは自分の妻と息子の
ヒーローになるためにグルに殺されようとする。そこへ
グルのボスであったシーザーが電話をかけてくる。
ラケーシュの妻と息子を誘拐し殺されたアイーシャの為に
ラケーシュの妻を殺し、息子をグルに殺すように言う。
それを聞いたラケーシュはグルを刺して逃げようとするが、
通りかかった車に轢かれて死んでしまう。
グルはラケーシュの息子を殺さず自分の養子にし、
アイーシャとの思い出の場所に行く。
秀逸だったのは、エンディング。アイーシャのアルバムの
写真の部分に映像を入れ、ページをめくるたびに、
想い出のリプレイをした所。通常、映画館では本編が終わると、
照明が付いてしまい、観客も足早に帰ってしまう。
余韻を楽しむ・・・なんて事をインド人はしない。
シッダールトの顔が端正で、正統派の二枚目すぎて
全く凄みが感じられなかった。演技うんぬんではなく、
悪党の顔ではないと言う意味である。
複数の人間を殺めていると言う感じがしなかった。
逆にリテーシュの方はいつも善人役が多いのだが、
内に秘めた狂気と言うか変質的な物が表情に出ており、
かなり好演だった。奥さんが驚いたと言うのも解る。
例えば私の好きなアルジュン・ランパールだが、
初めて凄いと認識したのは「オーム・シャンティ・オーム」。
平気で人を傷つけ利用する冷酷な悪役だった。
シッダールトは爽やかな二枚目路線で決まっちゃうのかな。