◆財務省御用達の野田佳彦首相、圧制増税派の鬼・藤井裕久元財務相、自民党の谷垣禎一総裁、守旧派の急先鋒である鴨下一郎政調会長代理(元環境大臣、元厚生労働副大臣、比例代表東京ブロック選出、医師)らは、このところ尋常ではない。はっきり言えば、常軌を逸している。もっと言えば、「異常心理」に陥っているのだ。
野田佳彦首相は、民主党の魂を谷垣禎一総裁に売り渡し、党を潰してでも消費税増税法案を今通常国会で可決成立させようと、さながら決死の覚悟で、「消費税山高地」に突撃敢行を試みている。さすがは、陸上自衛官の子息。伝家の宝刀ならぬ「伝家の軍刀」を振りかざす構えだけは勇ましい。ただし、錆びついた軍刀か、竹光かは、抜いてみなければ、わからない。後ろを振り向くと、ついてくる者は、齢80の老骨をムチを打って、息絶え絶えの藤井裕久元財務相ほかごく少人数ということもあり得る絶望的な突撃。9月の代表選挙での再選は不可能なので、衆院をヤケッパチ解散しかねない。
財務省の回し者である藤井裕久元財務相は、自らの体の衰えを野田佳彦首相に託して、むしろ霊魂に憑依して、文字通り「鬼の形相」だ。頭の中には、「国民有権者」の姿はなく、大蔵官僚OBの幻影のみだ。無論、「民主党の明日」も眼中にはない。この意味で民主党にとっては、「獅子身中の虫」であり、民主党を滅ぼす「腐った古い大きなトゲ」と言ってよい。本当は、この「毒つきのトゲ」を抜きかなければ、民主党ばかりか、日本が大変なことになるのは目に見えている。
◆かたや、谷垣禎一総裁の狂い方には、鬼気迫るものがある。民主、自民、公明3党実務者の修正協議の最中、何を血迷ったのか「私が自民党だ。自民党が谷垣禎一だ。私が譲らないと言えば譲らない」とわめき散らしているという。埼玉新聞が6月14日付け朝刊「第2総合面」(2面)で「首相『一層の譲歩』合意へ陣頭指揮」という見出しをつけて報じている。
「温厚な谷垣氏が最近、周囲に珍しく声を荒げる場面があった。早期の衆院解散・総選挙に持ち込めなければ、総裁の座は危うくなる。13日の自民党『影の内閣』(シャドーキャビネット会合でも『首相も難しい局面にあるのは事実だろうが、われわれも妥協できない』と言い聞かせるように話した」
「増税反対派を束ねる小沢氏は13日、都内の個人事務所で面会した川内博史衆院議員から党内情勢を聞かされると『こんなことでまとまったらいかんな』と漏らした」
谷垣禎一総裁は、9月の総裁選挙で再選されることしか念頭にない。実に手前勝手な欲望の鬼と化している。欲に目が眩むと、肝心要の大事なことが、意識からすっぽり抜け出てしまう。それは、「衆院の1票の格差是正」を行わず、最高裁が「憲法違反状態」と判決しているのを無視して総選挙を断行することになる。東大法学部を卒業して10年がかりで、やっと司法試験に合格したペーパー弁護士とはいえ、レッキとした国会議員である身分で、日本国憲法第99条の「憲法尊重擁護の義務」に反することはできない。この大事なことは、わかっているはずなのに、「定数是正」もせず、「解散総選挙、解散総選挙」とわめき回っている。とち狂ったとしか思えないのだ。
谷垣禎一総裁を支えなくてはならない石原伸晃幹事長ら執行部の面々も、同様である。
鴨下一郎政調会長代理などは、医師でありながら、民主党に対して「後期高齢者医療制度廃止を取り下げろ」と迫り、民主党の魂を抜き取ろうと懸命である。それならば「前期、後期、末期、終末」と細かくした医療制度を新設してみてはどうか。
◆民主党側は、もっとひどい。岡田克也副総理は、マニフェストの柱をなしている目玉政策を取り外し、「過大な政策だった」と一言、蛙の置物収集家らしく、「蛙のツラに小便」ではないけれど、ケロリとしている。
最悪なのは、小宮山洋子厚生労働大臣だ。やはり民主党のマニフェストの柱の1つ「総合こども園」構想提唱の旗頭だったはずにもかかわらず、「修正協議で譲歩しなければ、何もまとまらない」と手のひらを返して、この構想をあっさりと断念している。
このため、全国の幼稚園、保育所関係者だけでなく、待機児童を持つ母親たちや子育て支援団体などをガッカリさせている。読売新聞は6月13日付け朝刊の「埼玉版」(33面)で、「総合こども園見送り 子育て支援団体に失望『議論を無駄にしないで』」という見出しをつけて、こう報じている。
「社会保障・税一体改革関連法案を巡る民主・自民・公明3党の修正協議で、政府・民主党は、子育て支援の目玉として導入を目指していた『総合こども園』の創設を見送った。迷走する政策に、待機児童の減少を期待する子育て支援団体の関係者などからは、失望や疑問の声が聞かれた」
私は、毎日新聞政治部記者時代の1979年5月~1981年4月までの2年間,文部省記者クラブで「幼稚園」を、1981年5月~1982年4月までの1年間、厚生省記者クラブで、「保育所」を担当して以来、「幼保一元化」問題の記事を書き続けてきた。振り返ってみると、書き始めてから33年になる。
両省の縦割り行政ということに加えて、「幼稚園」は自民党文教族、「保育所」は厚生族の利権団体であるため、「幼保一元化」は極めて難しい問題であった。
ところが、民主党が「総合こども園」(内閣府所管、株式会社も参入可能)構想を掲げたので、単なる「幼保一元化」を超えた施設が誕生するものと期待していた。それが、水泡に帰したのである。あっさり断念したのは、内閣府所管の「総合こども園」では、大した利権(票田や政治資金源)にもならないと打算したのではないかと疑念だけが残り、嫌な気分に陥っている。
ブログランキング本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
小沢一郎元首相が、自民党の谷垣禎一総裁を自滅させ、民主党を次期総選挙、参院議員選挙で大勝利に導く、高等戦術とは? ◆〔特別情報①〕
ここにきて、小沢一郎元代表の次期総選挙、参院議員選挙に向けての「高等戦術」がより鮮明になってきている。野田佳彦首相が不退転の決意で取り組んでいる「消費税増税法案」をめぐる自民党と公明党との修正協議のなかで、国民有権者が強く反対している政策を軸に争点となるテーマがはっきりしてきたからである。それは、次の3つのテーマである。
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第6回 板垣英憲「情報局」勉強会のご案内
平成24年6月16日(土)
『TPP参加で日本はどうなるか』
~還太平洋戦略的経済連携協定の真の狙いを解明する ※小沢一郎代表の戦略と野田義彦首相の命運についてもお話しさせていただきます。
【板垣英憲(いたがきえいけん)ワールド著作集】新連載を始めました。
『国際金融資本の罠に嵌った日本』(1999年6月25日)日本文芸社刊 目次おわりに―「永遠に栄える民族共同体」の建設に立ち上がれ
アメリカ政府や英国政府、ロスチャイルド財閥、ロックフェラー財閥などが中国東北部を独立させ、新しいユダヤ人国家を建設しようとしていると聞いて、一瞬、わが耳を疑った。少なくとも私の頭のなかに中国東北部、旧満州のことは何もなかったからである。あるとすれば、いまだに解決しているとは言えない旧満州の残留孤児の問題くらいだった。この計画を聞いて、いまはむしろ、勝手にやってくれと言いたい気持ちである。そのために、日本はもとより、アジア諸国に迷惑をかけて欲しくない。軍事的に問題があるのなら、そちらも日本を巻き込まないで静かに処理してもらいたい。
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『政治家の交渉術』2006年5月刊 『カルロス・ゴーンの言葉』2006年11月刊「孫の二乗の法則~ソフトバンク孫正義の成功哲学」2007年7月刊