10月19日 21:30
子どもたちはなぜ不登校になるのか? 不登校の予防のために母親ができること
(Mocosuku Woman)
子どもがなぜ不登校になるのかを語るのは、容易ではありません。よく言われるように不登校にはさまざまな理由があり、また一人ひとり状況が異なるからです。ただし、学校に行かないことの「意味」を考えると、それはいくつかに絞られます。今回は、不登校が持つ意味と、お母さんが不登校を予防するためにできることについて考えてみたいと思います。
◆不登校が持つ4つの「意味」
米国にも多くの不登校児童・生徒がいます。そして、同国の有名な不登校の研究者、クリストファー・カーニーは、不登校の4つの意味(カーニーの用語では「機能」)を実証的に見いだしました。それは次のようなものです。
(1) 学校に関する嫌な気持ちを避ける
(2) 学校での友達や他の人との嫌な関わりを避ける
(3) 親や周りの人から注意を向けてもらえる
(4) 学校ではできない面白いことができる
初めの2つは、学校に行かないことによって嫌なことを避けることができるという「意味」があります。後の2つは、学校以外のところで本人にとって良いこと、楽しいことが経験できるという「意味」があります。さまざまな不登校の原因は、この4つの意味に集約されるというわけです。
具体例としては、学校で緊張する、クラスの雰囲気が嫌いなどは(1)に、友達ができない、友達とうまく話すことが出来ない、いっしょに居ると気まずくなるなどは(2)に当たります。家にいればお母さんがかまってくれる、家族が心配してくれるなどは(3)に、そして、非行・怠学傾向などは(4)に当たります。
◆友達関係が不登校に大きく影響する
この考え方を基に、私たち(東京未来大学:出口教授、および、米国ニューヨーク州ホフストラ大学:ヴァレンティ教授、カックス教授)も、3年間継続して1000名以上の東京および周辺の一般の小・中学生とその保護者を対象に研究を行いました。
その結果、(2)の「友達や他の人との嫌な関わりを避ける」が、一般の子どもの学校を休む傾向への影響が大きいことがわかったのです。その次が(1)の「学校での嫌な気持ちを避ける」でした。
つまり、まだ不登校にはなっていない一般の小学生から中学生においても、その状況がどのようなものであるにしろ、よい友達関係が作りにくいと学校を休みやすいということです。そして、授業やクラスの雰囲気が嫌い、緊張する、落ち込むなどの気持ちが強いと、この不登校傾向はさらに強くなり、不登校(病気や経済的理由によらない年間30日以上の休み:文部科学省)になる可能性が高まるわけです。
逆に言えば、よい友達関係を作り、友達と問題が起きてもそれを解決する力が子どもに備わっていれば、不登校にはなりにくいということです。それができれば、学校での嫌な気持ち、不安や落ち込みも緩和されることでしょう。
◆乳幼児期からそれは始まっている
それでは、どうすればよい友達関係が作れる、不安や落ち込むことの少ない子どもに育つのでしょうか? それは、問題が起こってから対応するというよりも、子育てをどうするかという、子どもの発達についての話になります。発達をさかのぼれば、基礎となるのは赤ちゃんとお母さんとのよい関係です。赤ちゃんの時、お母さんが子どもにコンスタントな注意を向け、ケアを行い、赤ちゃんのお母さんへの愛着を育むことです。次に、子どもが幼児期に入ると、ほかの子どもたちと遊ぶ機会を適度に持つことが大事になります。この時期に、何らかの理由でお母さんの不安が強かったり、落ち込んだりしていると、これらのことができにくいものです。そのような時は、お父さんやほかの家族がそれに気づき、お母さんへの支援ができると状況は違ってきます。また、精神科医や臨床心理士のような専門家にかかることが手助けになることも多いものです。夫婦で相談に行ってもいいし、お母さんだけで行ってもいいと思います。夫婦で一緒に考えるに越したことはありませんが、日本の場合、親子の関わりは母子間のほうが父子間よりも圧倒的に影響力が強いと思われるからです。
◆幼稚園・保育園になじめないのは黄色信号
お母さんができる望ましいこととは、特に変わったことではなく、普通に元気で、ママ友たちと適度に交わるようなことです。そうすれば、子どもたちも自然に友達と遊ぶ機会ができ、それが楽しいということを学びます。楽しいことは繰り返され、友達との遊びは定着し、友達はよいもの、なくてはならないものになっていきます。そのうち、お母さんがすぐ近くにいなくても、しばらくは友達とだけで楽しく遊べるようになってきます。また、友達と遊びながら、何かトラブルがあればそれをどう解決するかなども、経験を通して学びます。その意味では、子ども同士のケンカなども、心配して介入しすぎたり、遊ぶこと自体をやめさせたりするのは望ましくはないでしょう。注意するところはしっかりと注意し、あとは適度な距離をとって見守る、または最小限の関わりで様子を見る程度のほうが、子どもの自立性が育ちます。過度の干渉や甘やかしは子どもの成長を阻害します。保育園や幼稚園に入った時、母親がいなくても友達と遊ぶことができるようになっている子どもは、新しい環境に早くなじみます。そうでない子は、お母さんにしがみついたり、いつまでも泣いたりして、お母さんや先生を困惑させることもよく起こります。このような、新しい環境になじみにくい、不安な状態が、不登校の一種の前触れのような症状と言えるかもしれません。私のカウンセラーとしての経験から言っても、小・中学校で不登校になっている子どもたちは、その発達歴をたどってみると、保育園や幼稚園でもなじみにくかった経験を持っていることが多いものです。
◆母親や家族が「普通」であることの大事さ
まとめると、不登校にはお母さんと子どもの関わり方が大きく影響しており、子どもの幼少期に、他の子どもたちと一緒に遊べる場をお母さんが作ってやることができれば、彼らも友達とうまくつき合えるようになりやすいということです。そして、そのうち、子どもたちはお母さんの助けがなくとも、自力で友達を見つけ、遊ぶことが出来るようになるでしょう。そうなれば、不登校にもなりにくい子に育つ可能性が高くなります。母親や家族が健康で、普通に人づき合いができるということは、何でもないようですが、子どもたちの健康な成長に非常に大切なことなのだと思います。親としては、子どもの不登校は可能な限り避けたいことでしょう。お母さんたちは、そのようなことが起こる可能性を小さくする力、不登校を予防する力を持っているのです。
近藤俊明(こんどう・としあき)
心理学博士、東京未来大学副学長。サイコロジスト(ニューヨーク州ライセンス)、米国で特殊教育学校、病院の外来などに務め、現在はスクールカウンセラーも務める。研究領域は子どもや母親のカウンセリング、異文化間の子どもの協働と認知の発達、学校と地域の連携など』
私のはしかで、入学式から休んだ小学校の時の不登校は、4つのパータンに当てはまっていません。
マニアルやパータンに当てはめて、子供たちの不登校に当てはめるのは無理です。
公式通には行かないと思います。
アメリカの子供たちと日本の子供たちとの家庭環境も違います。
何でもアメリカ流の心理学で、不登校を解決するのは無理です。
適者生存、自然淘汰の弱肉強食のアメリカ自由経済学からも日本も目を覚ますべき時です。
アメリカの信奉者では、今の日本の現実の諸矛盾を、分析出来ず。ドイツの哲学者ヘーゲルや二-チェの若手研究者が、論陣を張り活躍しています。
アメリカは、訴訟社会と自由主義経済学経済政策の競争社会で、、心の病に掛る国民が多くカウンセラーの数が多い結果になっているのではありませんか。
不登校になっても落ち込んだり、子供を叱ったり、しないで心に余裕を持って見守ることも大切です。
子供の立場に立って、子供の目線に立てば身近なお母さんが、心理カウンセラーとして解決の糸口を見出せます。
不登校、昔の登校拒否、今は陰湿な虐めや家庭の貧困、父子家庭や母子家庭の深刻な経済的問題も有ります。貧困が、いじられる原因にもなっている今日の所得格差社会の文明先進国日本実態です。今の日本は、6.3人に1人が貧困家庭と言われています。
関西大学教育学・故岡村達雄名誉教授は、カウンセラーとクライエントとの関係だけで、全て抱えている悩みは解決しない、相談者の拘わっている社会的問題や背景、矛盾を解決する必要があると私に言われましたが。今から29年前のことです。
人数教育心理学の大学院生が、私がノイローゼや心の病に掛ったら、研究している心理療法で直せますかと聞きますと精神科に掛りますと答えてくれました。
大阪教育大学社会心理学秋葉英則名誉教授は、心理相談の中で、母子家庭のお母さんの仕事の斡旋とサポートと支援が大切と大学院の講義で言われました。
小さい子供の心には、複雑な家庭環境も負担になり、不登校の一因にもなっていると思います。
社会的格差の拡大で人と争うことばかりになり、日本も核家族化し、人間疎外の個の分断社会で、相談相手が身近に居ず悲観的な気持ちになりがちでお母さんの子育ても大変です。
不登校や休学を悪いとは言わず、長い人生、誰でも転んだり、躓いたり、失敗します。
子供たちもお母さんも自分の心を見つめ直す時期と考えて、あわてずあせらず、心に余裕を持って、立ち直れる時が必ず来ると明日を信じて欲しいと思います。
他人の子供と比較しないで、自分たちの子供を信じ抜いて下さい。
暖かい目で子供たちをじっと黙って見守り、日本のお母さんは、頑張って欲しいと思います。
「虹を追いかけて」 岡村孝子の歌をお贈りします。