今年5月から6月にかけて、1か月間食事をとらない生活を送り、反響を呼んだ俳優・榎木孝明(59)が、14日にDVD付きの新刊「30日間、食 べることやめてみました」(マキノ出版)を発売する。不食を終え、約4か月が経過。榎木の心身の変化や、どんな目的を持って本を執筆したのか聞いた。

  体重は一番痩せた70キロから7キロ増え、77キロをキープ。直後の“食レポ”も難なくこなし、順調に元の食事に戻ったが、一度だけ思わぬことが。不食 “完走”の4日後、ヒレカツ弁当を食べて猛烈な胃痛に襲われた。「急性の胃炎。揚げ物はやっぱり消化に時間がかかるんですね。七転八倒で。でも不思議。考 えの切り替えで、消えていた食欲が戻るのですから」

 今でこそ明かせるが、役者生命に影響することも覚悟した。「この仕事をする者として、 どっちに出るか。正直、賭けでもありました。不食をお勧めはしませんが、興味を持ってもらえたのは良かったのでは」。榎木には2男1女がいる。父親の思い 切った行動を「無関心で不食自体、なかったごときの反応ですよ」と苦笑した。

 本の出版は「食を見つめ直し、いまの自分を省みる、何か一つのきっかけになれば」という考えから。特に災害時。生命がもつ72時間説がある。「人間にはもっと強い生命力が備わっているはず。常識にとらわれて恐怖を招き、自ら限界をつくってしまうこともあると思う」

 30日間を病院の一室で過ごした。そこから仕事へ。変化を克明に記していた日記が本の大部分を占める。きちょうめんな榎木らしく、内臓の変化として排せつした便の様子まで。節目ごとにビデオも撮影。DVDには生活する様子や容姿の変化がダイジェストで編集されている。

  不食の再挑戦はいま、考えていない。しかし、食べない間に消えた持病の腰と膝の痛みが再発。「食べ始めて整体の先生から、コリも指摘されて。何か相互関係 があるんでしょうね。体に痛みを感じたとき、不食が懐かしくなりますよ」。役で必要に迫られれば当然、痩せるつもりだ。「戦争ものや時代劇を、ぷっくり 太ってやるのはあり得ないと思っているので」。笑みをたたえ、おなじみの穏やかな口調で話していた。(内野 小百美)

 ◆不食とは 断食、 絶食と同様に食事をとらない行為。いずれも「食物を体内に入れない」という点では共通しているが、「絶食」は主に医療行為やダイエットなど目的のための行 為を、「断食」は主に宗教的な行為に対して呼ぶことが一般的。食欲と闘わずして食べない行為が「不食」と位置づけられている。

 

断食や絶食療法は、よく研究している医師の指導を受けないと危険です。西式健康法の専門医師いる所に入院してしないと素人判断で断食するのは危険です。

断食療法の後鰻丼を食べて死んだ人の実例も大阪で以前有りました。断食の後は、正しい捕食療法から日常の食事にして行かないと健康を害します。