日刊スポーツ 9月23日(金)9時53分配信

「10円自販機」を考案した「大阪地卵」の釜坂晃司社長(撮影・松浦隆司)「安売り」の清涼飲料水の自動販売機が全国に広がる中、大阪市福島区の「1本10円」の格安自動販売機が盛況だ。安くなければモノが売れないデフレ時代を象徴する10円自販機。衝撃的な価格に安売りのパワースポットとして“観光名所”となっている。大阪市中央卸売市場(同市福島区)から東へ約150メートル。卸売業者が立ち並ぶ一角に「10円自販機」がある。「何の飲み物が出るのかお楽しみ!」「1本どうダス」の文言が目に飛び込んできた。10円玉を入れ、購入ボタンを押してみると、名の知れた大手メーカーの缶コーヒーが出てきた。再び投入し、違うボタンを押すと、缶ジュース、ペットボトルのお茶が出てきた。自分が飲みたいものが出てくるとは限らないが、これも大阪人の遊び心か。近くに営業で訪れると必ず立ち寄るという会社員の男性(34)は「小遣いも増えないし、10円は助かる。何か得した気分になる」と、冷えた缶コーヒーを飲み干した。 この自販機を管理しているのは食品卸売会社「大阪地卵(じらん)」(同区)。格安の理由は「ワケあり」にある。同社の釜坂晃司社長(56)によると、10円自販機を設置したのは約4年半前。同社は缶のデザイン変更などで旧型になった商品などを大量に仕入れ、大阪市内などに約400台の格安自販機で販売している。大量に仕入れ賞味期限が迫るなどした商品は、10円自販機でバーゲンセールする。利益は度外視で、激安商品で集客を狙う戦略だった。 10円自販機はネットなどで人気は広がり、1日2回の補充作業をしてもすぐに売り切れる。月に3万本売れる。10円自販機の商品の補充が追いつかないときは、通常の商品で対応する。釜坂社長は「売れば売るほど赤字です。ただ、安さはインパクトになる。中途半端では生き残れない。10円は死ぬ気の覚悟の発想です」。安くなければモノが売れないデフレ時代の象徴とも言える10円自販機。消費者の節約志向は強まり、4~5月の実質GDPでは、個人消費が前期比0・2%増と足踏みが続く。消費者の財布のひもは固く、モノの値下げの動きは広がっている。釜坂社長は「中小企業は発想で勝つしかない。デフレはもう行き着くところまで行った。中小企業の体力でいつまでこのやり方を続けられるか。生き残るにはかなりの資本力が必要となる」。やめるか、続けるか。釜坂社長は悩んでいる。【松浦隆司】
◆デフレ 英語の「デフレーション(Deflation)」の略。モノやサービスの値段(物価)が下がり続ける状態。モノの値段が下がると、働く人の収入も上がらなくなり、ますますモノが売れなくなる。この悪循環を「デフレスパイラル」という。』
賞味期限切れでも飲める期間の範囲内であれば、安全なのではないでしょうか。実体経済は、釜坂社長のご摘通り、深刻なデフレスパイラルに陥っているのが、今の日本経済の現実はありませんか。
株式会社大阪地卵
http://ww.oosakajiran.jp/
大阪地卵, 株式会社 大 阪 地 卵 〒553-0004 大阪府大阪市福島区玉川3丁目1-15. TEL:06-6443-7190 ... 集英社 weeklyプレイボーイ no.34/35合併号、 「大阪激安 夏の陣 買いだおれツアー」の記事内にて紹介されました。