天皇陛下の「退位」をめぐる有識者会議が始まってひさしい。
こほど重要な歴史的鍵だというのに一向に盛り上がらない。
なぜか。
それはあのお言葉で天皇陛下が国民に問いかけた事がまるで議論されていないからだ。
あの時天皇は象徴天皇としてどうあるべきか、みずからそれを模索し、実践してきた、それを国民とともに考えたいと述べられた。
ところが有識者会議で議論されていることはそれとは無関係な事を、皆が勝手に言い放題だ。
たとえば、きょう11月25日の読売新聞に掲載された議事録を見ると、渡部昇一という上智大学名誉教授が、天皇の仕事は祈る事であり、国民の前に姿など見せなくてもいいと語ったとある。
これほど天皇陛下の気持ちに反する発言はない。
反論することのできない天皇があまりにも気の毒である(了)