安倍首相が国会でどんなにウソ、強弁を重ねても、そして、それをなさけない野党が止められなくても、世界を相手にした外交では、安倍首相の軽薄な独断外交はまるで通用しない。
それを見事に証明してくれる記事を、きょう11月28日発売の週刊現代12月10日号が書いた。
「トランプとプーチンになめられて安倍官邸大パニック 実況中継」という記事がそれだ。
その記事を書いた記者に敬意を表し、そして、一人でも多くの国民がこの記事を読むことを期待して、ここでは詳細には触れないが、たとえば次のくだりを引用するだけで十分だ。
安倍首相がまっさきにトランプと会談することを知ったケネディ駐日米国大使は「来年1月20日までは、オバマ大統領が唯一の米国大統領だ!」と激怒したという。
そしてトランプに猛抗議したという。
以後、他国の首脳らがトランプと会談しなかったのは、安倍首相がトランプに特別扱いされたからではまったくなく、トランプが、「もう二度とやらない」とホワイトハウスに詫びを入れたからだと言う。
それはそうだろう。
すべてはオバマの為に働いたケネディ大使だ。
トランプだけは大統領にしてはいけないと、最後は嫌いなクリントンを応援したオバマだ。
それなのに、安倍首相は、手のひらを返したようにオバマからトランプに乗り換えたのだ。
オバマとケネディが怒らないはずはない。
そして、今のトランプが最優先することは、オバマ政権からの円満な権力移譲だ。
トランプが安倍よりオバマを優先するのは当たり前だ。
プーチン大統領訪日の無残な失敗も、やはり安倍首相の独断外交のなせるわざである。
そもそも4島返還はおろか北方領土返還などびた一文あり得なかったのに、「総理の故郷山口に招待するから返せ」といわんばかりのピント外れ外交は、はじめから失敗に終わる事はわかりきっていたのだ。
それなのに、うまくいきそうだと自らの都合のいいように勝手に解釈し、国民を欺き、経済協力と引き換えに、主権問題を棚上げして事実上の二島返還でごまかせばなんとかなると考えた。
この10月に死去した「ミスター北方領土」と仰がれた丹波實元駐ロ大使は、「北方領土の帰属をロシアに引き渡すな」との遺言を残して死んでいったという。
一方のロシアは、「2018年に大統領選挙を控えているというのに、領土問題なんか、出せるわけないだろう」と伝えていたという。
NSC局長に抜擢された外務省OBの谷内正太郎がすっかり安倍首相の傀儡になって影響力をふるうため、外務官僚は安倍・谷内独断外交に従わざるを得ず、すべてが行き詰まってしまったのだ。
辞表を懐に入れた外務次官が、外務省の組織を挙げて正しい外交を進言するのなら格好が良かったのに、実際はその逆に、次官になりたいがために、怒られながら右往左往して従う。
私が繰り返し書いてきたとおり、外務省は安倍・谷内独断外交に完全に破壊されてしまったのである。
その週刊現代の記事はこう締めくくっている。
「トランプになめられ、プーチンになめられ、安倍外交はいよいよ「崩壊」に向かいつつある、と。
その通りである(了)