電通グループが本社ビル売却を検討 過去最大級、3000億円規模か
2021年1月20日 19時36分
電通グループは20日、東京都港区の本社ビルを売却する方向で検討していると明らかにした。売却額は国内のビル取引としては過去最大級の3千億円規模になる見通しだ。複数の売却先候補があり、今後絞り込む。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、電通は社員のリモートワークを進めている。本社ビルに勤務する約9千人の出社率は最近では2割程度にとどまり、余剰スペースが生じていることから、売却で資産の効率化を図る。電通は売却後もオフィスを賃借し、本社は移転しない。
電通は「包括的な事業の見直しの一環として売却を検討しているのは事実だが、現時点で決定していることはない」とコメントした。本社ビルに加え、保有する他の不動産についても売却を検討するという。
本社ビルは地上48階建て、高さ約210メートルで2002年に完成した。旧国鉄汐留貨物駅跡地の再開発の一環で、オフィスの他に飲食店や劇場などの商業施設「カレッタ汐留」が入る。有価証券報告書によると、19年12月末時点の帳簿価額は1814億円だった。
不動産サービス大手のジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)によると、これまでのビル取引の国内最高額は、06年に不動産ファンドが香港企業から取得したJR東京駅近くのオフィスビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」の約2千億円という。(共同)