日本維新の会代表の松井一郎大阪市長が20日、市役所で記者団の取材に応じ、東京五輪・パラリンピックの今夏開催について「2024年を目指して交渉すべきだ」と述べた。新型コロナウイルスのワクチン接種を今夏までに終えることが「不可能」だとして、4年後ろ倒し案を「IOC(国際オリンピック委員会)と交渉すべき」とした。

 今夏開催予定の東京五輪について「オリンピックを実現するために努力をしてこられた方、アスリートの皆さんも、本来、2020年に向けて努力してきたわけですけども」と前置きした上で、「コロナというのは、まさに未曾有の事態」と有事であるとの認識を示し、「最悪なのは中止。2024年を予定しているパリも準備が非常に日程的に厳しくなってきてると思いますよ。ですから、これはもう、不測の事態だったわけですから、4年ずつ後ろ倒しにして、2024年を目指して交渉すべきだと僕は思う。“最悪”を避けるために、交渉はすべきだと思う」と東京大会中止という最悪の事態を避けるために、IOCと2024年案を交渉すべきだとした。

 その根拠として、ワクチン接種の状況を挙げ、「今年の夏、日本の中でワクチン接種できるかというと、これ不可能ですよ、物理的に。だから世界で、っていうともっと時間かかる」と指摘。「コロナ後にみんなが喜べる、みんなが祝えるオリンピックにするためにも、IOCに対して、日本国として交渉すべきだと、僕はそう思ってます。24年にオリンピックやって、25年に(大阪・関西)万博やれば。まさにそれにむけて、コロナ後の成長とかコロナ後の経済復活を目標にしていいんじゃないか、楽しみが先延ばしになったと思えばいいんじゃないかと思います」と話した。