大阪の解除要請基準「緩すぎる」 府内の医師、再考求めネット署名 緊急事態宣言
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新型コロナウイルス感染拡大で出されている緊急事態宣言で、政府への解除要請を判断する大阪府の独自基準について、専門家らからも異論が相次ぎ、ある府内の医師は「緩すぎる」と批判している。医師は基準再考を求めるネット署名を始めた。
基準は①新規感染者数の直近1週間平均が300人以下②重症病床使用率が60%未満――のいずれかが7日間続いた場合に、専門家の見解なども踏まえて解除要請を決定するとしている。4日現在は3日連続で300人以下の基準を満たしており、早ければ8日にも解除要請が検討されることになる。
この基準について、西淀病院(大阪市)の大島民旗院長は「重症病床使用率はまだ高い。火事がまだ燃えているところに油を注ぐようなもの」と批判した。医療従事者がほぼ1年通じてコロナと向き合ってきて「限界」と指摘。府が臨時の重症センターを使用している状況や、コロナ患者の受け入れをもともとしていなかった病院に要請している状況が解消され、1日の患者数が少なくとも100人を下回るまで自粛が必要と訴えた。
また、事業規模に応じた協力金など、影響を受けた事業者への配慮もしてほしいとした上で、「コロナとコロナに関わる生活の変化で命を落とす人を1人でも減らすため、宣言解除に前のめりになることはやめ、当面は感染抑制に全力を挙げてほしい」としている。【田畠広景】