教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

コロナに倒れた托鉢僧=大震災、被災地で祈り―銀座交差点に立ち10年 2021/01/31 14:41時事通信

2021年02月01日 15時56分12秒 | まち歩き
コロナに倒れた托鉢僧=大震災、被災地で祈り―銀座交差点に立ち10年
2021/01/31 14:41時事通信


 『高級デパートが立ち並ぶ東京・銀座の交差点に立ち、托鉢(たくはつ)修行を続けた僧侶が新型コロナウイルスに感染し、1月18日に帰らぬ人となった。かつてミュージシャンを夢みて渡米。仏門に入ってからは多くの人の悩みに耳を傾け、東日本大震災の被災地で祈りを重ねた。交差点には多くの花束とともに、「優しく美しい人」と故人を惜しむ張り紙が残されている。


 亡くなったのは、2010年8月から街角に立ち続けた真言宗の僧侶、望月崇英さん(66)。生前、背筋を真っすぐに伸ばし、静かな声で「世界の平和、皆の健康と平等を祈る。こだわらず、執着せず、ただ祈る」と語っていた。「真夏は汗で足袋がぐっしょりだった」と高校の同級生高田顕司さん(67)。冬はカイロで寒さをしのいだ。


 東京都出身。1970年代半ばにニューヨークに渡った。ドレッドヘアをなびかせバンド演奏をする傍ら、家具職人などで生計を立てた米国生活は約20年に及んだ。


 自然を愛し、サーフィンや登山、渓流釣りにのめり込んだ。俳優や環境保護活動家ら交友関係は広く、深い親交があった世界的な冒険家風間深志さん(70)は「人生を楽しむ冒険家だった」と振り返る。


 40代半ばで高野山で修行、仏教の道に。「自然界でいろいろ学んだが自分は変わらなかった」。師と仰ぐ命教寺(大阪府箕面市)の植田真光住職(56)には、出家の理由をこう話した。


 大震災では発生直後から何度も被災地に足を運んだ。多くの遺体が弔いもなく埋葬される状況に心を痛め、各地を車で回って白菊を手向け、犠牲者に鎮魂の祈りをささげた。受け止め切れないほどの悲しみや恐怖に包まれ、「もう耐えられない」と電話で涙ながらに植田住職に訴えたこともあった。


 「土が掛けられる遺体にそっと手を合わせていた」。友人の白井糺さん(73)は11年4月、岩手県大船渡市の仮埋葬所でお経を読む姿を覚えている。自身も被災した同市の医師岩渕正之さん(62)は「『慰霊、托鉢は死ぬまで続ける』と言っていた」と語る。


 1回目の緊急事態宣言が出された昨年4月、望月さんは「(托鉢自粛へ)心が揺れたりする」と漏らしたが、覚悟を決めて立ち続けた。


 震災10年となる今年3月も被災地に行くはずだったが元日に入院。感染者が抱える不安を自らの身をもって知った。「コロナにかかって良かったこともある。感謝です」。病床から友人に届いたSNSのメッセージには、多くの人に慕われた僧らしい優しい言葉が並んでいた。』 
弘法大師の教えを現代に実践されたご立派な望月崇英和尚です。

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新型コロナの後遺症Q&A どんな症状がどれくらい続くのか(2021年1月)

2021年02月01日 15時02分47秒 | 健康・病気

新型コロナの後遺症Q&A どんな症状がどれくらい続くのか(2021年1月)

新型コロナウイルス感染症には遷延する症状、いわゆる後遺症を訴える患者さんが一定の割合でいらっしゃいます。

海外、そして国内からも後遺症の報告が集まり、徐々に実態が明らかになってきています。

現時点での新型コロナ後遺症に関する知見をご紹介します。

新型コロナの後遺症とは?

新型コロナに感染した人のうちほとんどの人は回復後、通常の健康状態に戻る一方で、回復した後も数週〜数ヶ月間様々な症状が続く方がいます。

これらは海外では「LONG COVID」「Post COVID」などと呼ばれていますが、日本国内では「後遺症」と呼ばれることが多いため、ここでも新型コロナ後遺症という表現を使います。

 

この新型コロナ後遺症は、単一の病態ではなく、実際には4つの病態が複合的に絡み合った病態ではないか、ということが分かってきました。

4つの病態とは、

(1) 肺、心臓への恒久的障害

(2) 集中治療後症候群(post intensive care syndrome:PICS)

(3) ウイルス後疲労症候群(post-viral fatigue syndrome)

(4) 持続する新型コロナの症状

を指し、これらがオーバーラップしていると考えられています。

新型コロナ後遺症ではどんな症状がみられやすい?

新型コロナ後遺症で頻度の高い症状
新型コロナ後遺症で頻度の高い症状

 

新型コロナ後遺症として頻度が高い症状には、

- 倦怠感:15~87%

- 息苦しさ:10~71%

- 胸の痛みや違和感:12~44%

- 咳:17~26%

などがあります。

これ以外にも、嗅覚障害、関節痛、頭痛、目や口の乾燥、鼻炎、味覚障害、食欲低下、めまい、筋肉痛、不眠症、脱毛、発汗、下痢、精神機能障害・認知機能障害などの症状が後遺症として報告されてます。

これまでの国内外の報告では、新型コロナに感染した人の3人に1人が少なくとも1つ以上の症状を後遺症として経験しています。

なお、これらの報告は入院例、重症例を対象にしたものが多く、軽症だった方を含めた後遺症の頻度はもっと低いものと思われます。

しかし、世界中で1億人、日本国内で38万人が感染しており、そのうち一定の割合で後遺症がみられることを考えると社会的なインパクトは非常に大きいと言えます。

精神機能障害・認知機能障害としてどのような後遺症がみられる?

精神的・神経学的な新型コロナ後遺症
精神的・神経学的な新型コロナ後遺症

 

新型コロナから回復した人の中には、精神機能障害・認知機能障害として

- 心的外傷後ストレス障害(PTSD):24%

- 記憶障害:18-34%

- 集中力低下:16-28%

- 不安・抑うつ:22%

- 不眠症:31%

などの症状がみられたという報告があります。

インフルエンザなどの新型コロナ以外の感染症から回復した際にもこれらの症状が現れることはありますが、その頻度は新型コロナの方が高いようです。

これらの症状は、特に集中治療室(ICU)に入室した患者で頻度が高いようであり、集中治療後症候群(PICS)によるものと考えられます。

どのような人で後遺症がみられやすい?

後遺症のリスク因子について解析した研究では、後遺症がみられやすい人の特徴として、

- 重症だった人

- 高齢者

- 女性

- 肥満

などが挙げられています。

軽症だった人には後遺症はみられない?

新型コロナ後遺症としての脱毛症の頻度と発症からの日数との関係(Open Forum Infectious Diseases, ofaa507)
新型コロナ後遺症としての脱毛症の頻度と発症からの日数との関係(Open Forum Infectious Diseases, ofaa507)

 

基本的には、入院を要する重症の新型コロナ患者で後遺症がみられやすい傾向にありますが、入院していない軽症の人でも症状が続いたり、後になって症状が出てくることがあります。

・新型コロナから回復した(大部分が軽症だった)患者2113人を対象にしたオンライン調査では、79日経過時点で症状が1つもないと回答したのは1%未満であった。

ERJ Open Res. 2020 Oct 26;6(4):00542-2020

という報告があり、軽症だった人でも後遺症が問題になることがあります。

また脱毛症も、軽症例でも現れることがあり、発症から1ヶ月くらい経過してから出現し、4ヶ月後くらいに落ち着いてきます。

後遺症の症状はどれくらい続く?

新型コロナの後遺症の頻度と持続期間(UpToDateを参考に筆者加筆修正 持続期間はおおよその目安であり。個々人によって異なります)
新型コロナの後遺症の頻度と持続期間(UpToDateを参考に筆者加筆修正 持続期間はおおよその目安であり。個々人によって異なります)

 

これまでの国内外からの報告では、新型コロナ後遺症の症状によって持続期間も異なるようです。

これまでの報告と症状の頻度、持続期間を表にまとめました。

新型コロナ後遺症を予防するためには?

新型コロナ後遺症を確実に回避するには、新型コロナに感染しないようにするしかありません。

特に緊急事態宣言中である現在は、

・できる限り外出を控える

・屋内ではマスクを装着する

・3密を避ける

・こまめに手洗いをする

といった基本的な感染対策をより一層遵守するようにしましょう。

手洗い啓発ポスター(羽海野チカ先生作成)
手洗い啓発ポスター(羽海野チカ先生作成)

 

参考文献:

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