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日本の平和戦略<本澤二郎の「日本の風景」(3998)
2021/02/18 09:281
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日本の平和戦略<本澤二郎の「日本の風景」(3998)
<全ては9条平和憲法の定着にあり!!>より、転載させて頂きました。
戦後政界きっての戦闘的リベラリストで、平和軍縮派・宇都宮徳馬譲りの平和戦略論を、一言でいうと、それは決して、複雑で理解できない難しいことではない。捻じ曲げられた糸を、ほぐせばよいだけのことである。戦後の1947年5月3日施行された日本国憲法を、しっかりと定着させれば、アジアの平和と安定と繁栄は、確固として実現するであろう。
そもそも日本国憲法は、日本の侵略戦争の反省と謝罪を込めたアジア諸国民に対する結晶体だった。それが戦後の米ソ冷戦構造下、日本占領軍は、有無を言わせずに憲法を歪めた。すなわち、日米間に軍事同盟を強要、反共主義の牙城の役目を担って、ソ連崩壊後の今日まで引きずっている。したがって、この悪しき不条理な軍事同盟を解消して、新たに平和友好条約を締結すれば、東アジアは確実に平和を取り戻すことが出来る。沖縄の米軍基地は無くなり、米国の核の傘も返上するのである。一見して厳しい道のようだが、日本国民が結束して推進すれば可能だ。筆者流に言わせてもらうと、それは武器弾薬を海中に沈めた、帆船・日本丸の航海へと舵を切ることなのである。国民の声が大きくなれば、必ず道は開けるはずであろう。
米ソの軍事的冷戦は氷解してしまっている。9条憲法の定着が、日本とアジアの平和戦略の核心である。
2月17日の国会(衆院予算委員会)質問で、沖縄・辺野古米軍新基地建設のための埋め立て土砂を、なんと沖縄南部の、沢山の死者が眠る場所から、遺骨と一緒に採掘するという、恐ろしい信じがたい暴挙が暴かれた。日本政府・防衛省が、この悪事に率先して推進していた。このことに衝撃を受けた国民は少なくない。もはや米産軍体制・死の商人の言いなりの、ワシントンの属国政治の継続は許されないだろう。主権者・日本国民が覚醒・大声を上げることで、日本とアジアの平和は、夢ではなく、確実に構築できるだろう。2021年2月22日は、そのための第一歩にしたいものである。
<米ソ冷戦下の日米安保条約を平和友好条約に改編>
具体的にどうするか、それは1972年の日中国交正常化の場面でのリベラリスト・宇都宮が用いた米議会要人説得会議が、参考になろう。戦後外交史を飾った日中正常化は、表向き田中内閣の決断で実現した。水面下では大平正芳の、執拗な長期の汗かきが功を奏したものである。この隠れた秘話を語ってくれた御仁は、中国外交部高官の肖向前だった。そして側面からの宇都宮による、米議会工作の成果であった。彼は資産を投げ出して、ワシントンの要人らを、カルフォルニア州のサンタバーバラ(会議)に招いた。
そこで米議会の要人らを説得して、彼らの「日本も共産国になるのではないか」という素朴な疑念を払しょくすることに成功した。日米安保が機能する日本外交は、ワシントン対策が欠かせない要点なのである。宇都宮の偉大な成果の土台の上に、田中・大平の世紀の偉業は実現したものである。歴史家は、このことを忘却してはならない。中国外交部の日本通に指摘されるまで、大平の苦闘を知ることはなかった。また彼は、病に伏す宇都宮の見舞いを敢行しようとして、宇都宮家と筆者を泣かせた。
要するに、アジアと日本の平和戦略外交を貫徹には、米議会との交流と対話の活発化が不可欠であることに留意したい。単なる絵空事になりかねないために。
<帆船・日本丸で環境・健康にも優しい日本再生が決め手>
米国議会には民主党と共和党が存在するが、特に前者はリベラルの議会人が多い。寛容さを旨としている。聞く耳を持つ議会人との交流は、日本政府も議会も市民団体も不可欠である。
不思議と日本の政府・議会は、右翼的な共和党との接点が強い。
ともあれ、日本の帆船化に成功すれば、東アジアの崩壊寸前の環境問題に目を向けるだけでなく、人々が健康に暮らせることも約束するだろう。そこでは、共に過去の歴史認識を共有、命を大事にする幸せ社会が約束されるはずである。希望の東アジアの到来である。
そこから国際社会に目を転じて、世界的な平和戦略を推進・主導することが出来るだろう。各国とも、東アジアのモデルに共鳴するに違いない。とりわけ、帆船・日本丸の航海に、世界は注目を集め、日本への信頼を高めるに違いない。
<日中南北朝鮮露の平和友好条約の締結へ>
日米軍事同盟の解消と平和友好条約締結を、南北朝鮮とロシアにも拡大、5か国の覇権否定の平和友好条約を締結するのである。
二度と不幸な戦争を繰り返さないという、朽ち果てることのない鋼の鎖で約束する平和条約である。断じて覇権主義を許さない平和友好条約締結が、要点である。
日本の保守派の一部に「中国のポチ」化に不安を抱く向きがあるようだが、平和条約はそこに太い釘を打つことを忘れてはならない。
<北方領土返還も具体化・拉致解消・竹島・尖閣も話し合い決着>
安倍晋三の北方領土返還交渉は、結局のところ、一歩どころか100歩も後退して、戦後史に残る大失態を演じた。
それも当然のことで、ロシアが返還した島に米軍が乗り込んでくるわけだから、ロシアの領土返還は、自らの首を絞めることになる。返還は、最初からありえなかったのである。ましてや安倍は、トランプのポチを喜んでいたのだから、お話にならなかった。しかし、日米軍事同盟解消が実現すれば、ロシアの不安は無くなる。北方領土問題は、大きく前進するだろう。
拉致問題も1日で解決することになろう。日朝国交正常化も即座に実現する。韓国との問題も解消する。南北朝鮮も統一へと進行するだろう。竹島・独島と尖閣・釣魚も、話し合いで決着をつけるだろう。この問題は、双方の漁民の安全を保障すればいい。竹島が日本領土なのか、地理的に問題があろう。このさい、半島に返すかプレゼントしてはどうか。
尖閣は鄧小平の知恵を生かしながら、共同開発してはどうか。永遠の棚上げもいいかもしれない。日本政府の固有の領土論には疑問符が残る。
<平和で安定・繁栄する覇権否定の東アジアの台頭>
日本列島に突き刺さった太いトゲである日米軍事同盟を解消、日本国民と議会・官界・財界が協力するようにすれば、道は開ける。新聞テレビが覚醒して、そうした国民運動を展開すれば、より早く可能となろう。
目下、安倍・清和会・日本会議の岩盤は、崩壊の様相を呈している。寛容で進歩的な世論と、真っ当な議会・政府が誕生すれば、ワシントンを揺り動かすことも可能であろう。
地球は今まさに東アジアに傾斜している。人々の覚醒と大声が、新たな時代に招待してくれるだろう。日本国憲法を、当たり前のように定着させることに遠慮はいらない。主権者も政府・議会・言論も、憲法を尊重し擁護する義務を負っているのだから。
日本国憲法の勉強会が、全国津々浦々で始まる日も近い。
2021年2月18日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)