日本会議と統一教会<本澤二郎の「日本の風景」(4602)

<極右・安倍側近の高市早苗暴言で遂に表面化したカルトの根拠地>

 女性いじめは男のやることではない。確かにそうだが、そこを利用していい加減に対応している政府と霞が関のことが気になる。今の文科相は、統一教会解散担当大臣として無理ではないか。政教分離がどういうことか分かっていない。勉強不足だ。村上誠一郎と交代させてはどうか。

 

 高市早苗の一連の発言が気になる。理由は「安倍そっくりさん」だからである。国民は日本を潰した安倍を国賊と判断し、国葬反対を叫んだ。案の定、世界のリーダーは一人も参加しなかったし、会場の武道館の外に設置された献花台に集った市民とは、大半がカルトの統一教会信者と神社神道の信者であることが、当時、現場でチラシを配っていた反カルト信者らによって判明したようだ。要は、無理やりに作られた国賊の国葬であることが改めて証明された。会場に参列した人たちは、長時間の椅子に耐えられず悲鳴を上げていた。弔意を示せるような葬儀ではなかった。

 さて高市本人はあわてて否定しているが、彼女の暴言で新たな事実が表面化した。実にすごい事実だ。高市の講演を依頼した組織が、いまだに不気味な極右団体で知られる日本会議だったこと、しかもそこの参加者が統一教会信者の三重県議に、政界の事情通のみならず、このことに関心を示してきた国民は一様に驚愕した。

 日本会議と統一教会の連携と一体化が、宗教法人という分厚い仮面で、反社会的な違法行為をしてきた理由と、それを法的にも阻止できなかった行政のどす黒さの背景が見て取れるだろう。

 高市は、知る人ぞ知る松下政経塾で反共民族主義教育を受け、皇国史観論者としても知られる。女性としての活躍も、永田町では話題を呼んできた人物である。ワシントン生活に注目する関係者もいる。安倍が彼女を総裁候補に突然擁立した謎についても、まだ分析されていない。女性だから、という理由でかばい立てすることは、むしろ問題を分かりにくくするだけである。

 統一教会と日本会議の闇を暴くことが、目下の政治課題となっている。岸田決断は本気!と報じても、信用されない理由の一つに違いない。自民党はカルト教団に囲われた政党そのものなのか。民主の国民政党といえるのか。決着するまで、岸田の本気度が問われ続けることになろう。

 

<改憲軍拡で軍国主義復活=覇権狙いの危ない国家主義勢力>

 自民党の改憲軍拡論者は、保守本流の主張ではなく、60年安保を強行した岸信介の人脈を継承した、主に福田・安倍の清和会と中曾根康弘の一派である。中には武器弾薬の財閥と連携して、金を追及する政治屋もいる。改憲を叫んで金を引き出す輩は、恥知らずの岸田の宏池会にもいる。

 保守傍流の安倍の改憲軍拡論は、強力な軍事大国による覇権国家、すなわち戦前の大日本帝国復活の狙いだ。したがって、祖父の改憲軍拡論を、ひたすらがなり立てることに集中し、平和主義の憲法9条解体に狂奔する一方で、米国の武器弾薬をやたら買いまくることに専念し、ワシントンの評価を高めた。そのためには、隣国との関係を悪化させる、1972年の日中国交回復に蓋をし、隠れて台湾独立派に塩を贈る政策に熱中した。

 晩年の安倍は、防衛費の倍増と台湾有事をがなり立て、同じことをそっくり口にした高市だった。戦前の日本は、ドイツのヒトラーと手を組んだが、安倍はトランプのアメリカに猪突猛進した。なんと両者は統一教会の仲間だった。仰天する事態に筆者も国民もあっけに取られた。不思議なことに、なぜこうした反憲法的な暴言が、自民党内から一言も批判されなかったのか。あるいはロシアのプーチン戦争に呼応して、安倍の改憲大軍拡論が噴き出した事情は?プーチン戦争を事前に知っていたのだろうか。高市は知っていたのだろうか。

 

<安倍・統一教会清和会+個々の候補者とも政策協定で縛り付け!>

 先の参院選の自民党候補者の公約チラシが、ずっと気になっていた。それというのも、候補者の祖父も叔父も、共に立派な護憲リベラルで有名な平和主義者だったのだから。初出馬した孫の公約が、祖父らの政治思想と丸っきり反対だった。

 その理由がいま分かった。判明した統一教会の「推薦確認書」。自民党の候補者全員にこれが配布され、それに服従させられた自民党候補だったのだ。これも仰天!候補者の通信簿が、統一教会から清和会の安倍サイドに送られていたのだろう。

 安倍の暴言、高市のそれも党内の意向として「改憲大軍拡」と、そのための「台湾有事」が結びついていた。これほどの反憲法発言に、党内の誰もNOとは言えなかった。岸田も同調していた。やくざの倅の防衛相も気になる。

 整理すると、統一教会の改憲案と自民党の改憲案が同じだと東京新聞が報道したが、個々の議員も統一教会と選挙前に「政策協定」を強いられたのだ。安倍清和会の日本会議と統一教会は、一体化していた見事な証拠である。

 

<日本会議の闇資金に統一教会資金が紛れ込んでる?>

 日本会議の活動資金は、財閥やカルト教団からの入金だけでなく、統一教会からの闇資金の流入も考えられるだろう。

 思い出した。今だけ、カネだけ、自分だけの、日本会議と統一教会!高市暴言が教えてくれた新たな真相である。

2022年10月22日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)