故・エリザベス女王のパワーの源はその生活にあった?女王が実践していたシンプルなルールとは
96歳で逝去したエリザベス女王。今年に入ってからは公務を息子のチャールズ新国王や孫のウィリアム皇太子に任せることも少しずつ増えていたけれど、亡くなるまで君主として仕事をしてきた。亡くなる数日前もリズ・トラス新首相と対面、笑顔の写真が公開されていた。その圧倒的なパワーの源は日々の生活ルールにあったと言われている。その一部を紹介したい。
まず、毎日運動すること。女王の伝記作家イングリッド・セワードによると「女王は適度な運動は体にいいと信じていた」。毎日愛犬たちを連れて城や宮殿の敷地内を散歩していたという。また女王は馬が大好きで乗馬が趣味。亡くなる直前も、歩行が難しくなり医師に止められるまでウィンザー城の敷地内で乗馬を楽しんでいた。
次に毎日同じ食事をすること。体によく、好みに合う食事であればバリエーションはいらないというのが女王流。女王に関する著作『At Home with the Queen』を出している人類学者のブライアン・ホエイによると、朝はビスケットとアールグレイティを口にしてから犬のお散歩へ。帰ってきてからマーマレードジャムをつけたトーストにメイプルシロップをかけたヨーグルト、もしくはシリアル(ちなみにケロッグのシンプルなもの)を朝食として食べるのが日課だった。またランチは魚と野菜、午後のおやつはクッキーもしくはケーキとお茶、夜はサーモンもしくは肉と野菜というシンプルな食事だった。肉を食べるのは夕食だけ。脂肪分の多い牛肉や豚肉ではなく、キジかシカを好んだという。 近年日本でもジビエに対する関心や需要が高まっているが、キジやシカはその中でも代表的。低脂肪高タンパク、ミネラルが豊富で体にいい肉として知られる。
お酒やチョコレートを毎日ちょっぴり楽しむこと。関係者の証言によって飲んでいた量はまちまちだけれど女王がジンを使ったカクテル、デュボネやワイン、ドライマティーニやシャンパンを飲んでいたことはよく知られている。またお気に入りのスイーツも適度に楽しむ派。特に好きだったのは高級ショコラティエ「シャボネル・エ・ウォーカー」のローズ&バイオレットクリーム。それぞれバラとすみれの花弁から抽出したエッセンシャルオイルの入ったクリームをダークチョコレートの中につめたトリュフで、上に砂糖でコーティングした花弁が乗っている。食べるだけで優雅な気分になりそうな一品だけれど、お値段は25個入りで50ドル。上質なものをちょっぴり楽しむのが好きだったという。ちなみにいつも持っていたハンドバッグにもチョコミントが入っていたそう。
健康をしっかり管理しつつ、好きなものも上手に楽しんでいた女王。親しみやすくユーモアのある君主としてイギリスはもちろん世界中の人たちから愛され尊敬されてきた。開かれた王室を作った功績はもちろん、それを支えたライフスタイルも長く語り継がれていくに違いない。
AUTHOR
長坂陽子
ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。
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