違法違憲の統一教会<本澤二郎の「日本の風景」(4611)

<勝訴弁護士・郷路征記がカルト教団の正体を「世界」に投稿していた!>より、転載させて頂きました。

 知り合いの弁護士が、月刊誌「世界」に掲載された「宗教カルトの何が違法なのか」という題名で、統一教会裁判で勝訴した郷路征記弁護士の文章をコピーし、それをFAXしてきた。双方のFAX機能の低下で読みにくかったが、札幌地裁2014年3月24日判決文を引用しながら、狂信的教義の恐ろしさを紹介しながら、その違法勧誘を断罪しているので、出来るだけ平易に紹介しようと思う。

 この地裁の判決は、その後カルト教団が上訴したが最高裁でも却下された。司法の判断で、統一教会は違憲違法の教団と判決されている。それでもいまだに宗教法人を名乗らせている文科省(文化庁)に対して、重大な疑惑が持ち上がっている。戦争犯罪者であるA級戦犯の岸信介・笹川良一・児玉誉士夫らが徹底的に支援し、その後は福田・清和会が擁護してきた反社会的教団だったが、既に2014年の時点で死を宣告されていたのである。

 

<勧誘される国民の「信教の自由」を侵害した統一教会!>

 判決で明らかにされたことの一つは、統一教会に勧誘される一般国民の側の、本来的に保障されている「信仰する自由」「信仰しない自由」が侵害されていると決めつけている。従って違憲違法の統一教会である。

 反社会的なカルト教団は、本来憲法が保障している「信仰の自由」を侵害していたのだ。ここを裁判所が当たり前に判断したものだ。半世紀にもわたってそれを存続させてきたA級戦犯の岸信介らの政治勢力と宗教法人として認可した行政当局の罪は、計り知れないほど大きい。

 仮に安倍銃撃犯とされている山上徹也が犯人だとしても、問われるべきはA級戦犯の岸信介の側・自民党清和会と、宗教法人として認可した行政当局である。

 

<国民の宗教的自己決定権(最重要の内心の権利)の侵害>

 信仰しない自由・信仰する自由は、最重要の内心の自由であって、だれも侵害することは出来ない。日本国憲法は、これを完璧に行政当局・議会・司法に命じている。

 自身で決める、他人が決めることではない。実際の統一教会は、姿を隠して孤独な悩みの多い、資産もある特に婦人を標的にして、ありえない空想の出まかせ教義でもって、一般人の自由な判断を狂わせてしまう。気が付くと信者にされ、私財を投げ出している、まさに恐怖のカルト教団なのだ。呪い・魔術にかける勧誘方法であって、これは違法違憲であると判断した。正論である。

 

 先の安倍国葬は、主権者である国民の内心の自由を侵害する行為であって、岸田内閣は憲法違反者として弾劾され続けることになろう。

 宗教2世や3世もまた、被害者といえる。判断能力もない2世3世を親子という絆を利用して、有無を言わせずに信者にしてしまう行為は許されるべきではない。先に2世の小川さゆりさんが、外国特派員協会で叫んだ理由は正当なものである。それを阻止しようとした統一教会は、改めて反社会的な教団であることを、自ら証明した。

 

統一教会を明示しない勧誘=判断の誤りを誘引する違法伝道

 郷路弁護士の真摯な努力によって、反社会的なカルト教団の恐ろしすぎる勧誘手口が明らかにされた。その後に、信者は破産に追い込まれ、ついで馬車馬のような使役を課される。それでも覚醒せずに信仰をやめない。これほど恐ろしいカルト教団もないだろう。

 

 統一教会が当たり前のように、金集めのカルト教団と知っていれば、誰も信仰などしない。違法伝道が、統一教会の勧誘の恐怖である。いま国民は、恐怖のカルト信仰に驚き、溜息をついている。それを容認してきた文科省に重大な疑惑が掛けられている。野党追及の甘さに反吐が出る。

 違法伝道によって一部の人々は、その大きな罠にはまると、悲劇と不幸で立ち上がれずに、二度とない人生を終える。こんなにも恐ろしい教団ゆえか、カルト教団貴族がはびこっている。韓国のソウルには、文鮮明の妻が君臨している。もうこれだけで、いかがわしいカルトであることが分かりそうなものだが、信者になった人たちは、無心に身も心も教団に捧げている。そういえば山上家の母親は、今も変わりないという。

 

<カルト教団の教義は人の人生に不可逆的影響力を及ぼす

 統一教会被害者の弁護人も裁判官も、カルトの教義が人の人生に対して「不可逆的影響」を及ぼすものである、とも強く指摘している。山上家に限らないのだ。

 統一協会の政治部門の国際勝共連合の会員もそうであろう。このことは他教団の政治部門についてもいえる。神社本庁のお祓いだけでなく、平和を吹聴してきた創価学会の公明党が、一夜にして憲法違反だとして国策になっていた集団的自衛権の行使を容認したことを、全国民は知っている。政治部門の決定に、カルト教団も応じることに抵抗しない信者団体。そのことに「おかしい」と判断し、そこから離脱した信者はわずかだった。

 

 正に軍隊のような組織になっている。安倍銃撃事件を契機に一部の信者2世は、反旗を翻しているが、まだ多くは沈黙している。不可逆的影響力に圧倒されているのだ。山上容疑者の母親の信仰は、びくともしていないようだ。

 カルト教団の恐ろしさは、山上家の悲劇を学べば誰でも理解できる。

 

<宗教上の教義=超自然的事象を非科学的非合理的に説く>

 宗教は科学的ではない。合理的でもない。その反対のことを、さも当然とばかりに説く。それを信者は、そうだそうだと思い込むことが基本である。したがって教義は、すべからくカルト・狂信的な教えを前提にしている。

 現在、戦争中のロシアのプーチンを、ロシア正教なるカルトは支持しているが、欧米のキリスト教はなぜか沈黙している。科学や合理主義が割り込む余地などないのだろう。

 

 問題は、他人を騙して壺や本を法外な値段で売りつけて、暴利を手にする悪魔教団、信者の不幸をこれ見よがしに「悪魔だ」「地獄だ」とありえないラッパを吹き鳴らし、脳裏に叩き込んで、私財を丸ごと強奪する反社会的悪魔教団に対して、信仰の自由を欲する人びとは断じて許せない。もっとも許せないことは、その資金を使って政府や政治屋を操って、悪政を強行し、統一教会を「国教にする」というのだから、こちらの方がもっと恐ろしい。

 

 戦争する日本にするための憲法改正から大軍拡、個人や家庭の自由を奪うような女性差別などなどに人々は、恐れおののいている。清和会を退治して、統一教会を排除しないと、この国が地獄へと突き落とされることに、善良な国民は重大な懸念を抱いている。岸田文雄は清水の舞台から飛び降りるしかないだろう。野党追及は甘すぎないか

2022年10月31日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)