山際大志郎経済再生担当相は24日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題を受け、閣僚を辞任する意向を固めた。山際氏と教団の接点を巡っては、外部からの指摘で新たな事実が浮上する度に追認する事態が続いており、岸田文雄首相は山際氏が説明責任を十分果たしていないと判断した。事実上の更迭とみられる。

 岸田首相は、閣僚に旧統一教会との関係の有無を点検するよう求めたうえで、8月10日に内閣改造を実施。山際氏は留任が決定する直前、初めて接点があったことを明らかにした。その後、報道の指摘を受け、2018年に教団本体が主催するイベントに出席したことを認め、さらにその後、教団の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁と会ったことを明らかにした。

 自民党が公表した党所属国会議員と教団との関係を巡る点検結果でも、教団本体主催のイベントへの出席が含まれていないことが判明。山際氏側が党に誤って報告していたことがわかり、後から訂正する事態に陥った。

 立憲民主党など野党は首相に対し、山際氏の更迭を相次ぎ要求。自民党内からも「もう持たない。辞めさせるしかない」などと辞任は不可避との声が出ていた。【中村紬葵】