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ある日の仕事帰りにふと「愛をとめないで」が聴きたくなった。なぜだかわからないけど。
レンタル店に立ち寄ったら、「ミレニアムベスト」なるCDしかなかった。
ちょっと納得がいかない選曲だ。これでベストとはおこがましいだろ。
「風に吹かれて」も入っていなければ「眠れぬ夜」も入っていない。
「SAVE THE LOVE」とかけっこう好きだったのに・・・まぁそれは無理なことか。
「愛をとめないで」があればいいや。僕は他に数枚、節操のない取り合わせでレジに向かった。
僕はオフコースが大嫌いだったはずなのに・・・。
いや、僕の場合、オフコースが嫌い、というよりも逆恨みと言った方がいいかもしれない。
中学3年のとき。冬だったかな。
1,2年のときに同級生だったある女の子に電話で告白した。結果は・・あっさりフラれた。
「ありがとう・・・でもね・・・私、キミのことそういうふうに思ったことないの。」
僕は受話器を握って何も言えなくなった。学校じゃ、あんなに一緒に笑っているのに。
「・・・ごめんね。」彼女は言った。
「ううん。君の気持ちがわかればいいんだ。じゃ、また学校でね。」
精一杯の強がりの台詞。
彼女はオフコースが好きだった。それまでは僕もオフコースを人並みには聴いていた。
彼女と一緒にオフコースを話題にすることもあった。
でもあの日以来、僕の中でオフコースを封印した。
それからの僕はオフコースを耳にすると落ち着かなくなる。
ボウリング場のBGMで「さよなら」が流れるとガーターを連発するようになる(マジ)。
それがどうだろう。帰宅中の車の中でCDをセットした。
きかせて/あなたの声を/抱かせて/あなたの体を/心が言葉をこえて/愛の中へつれてゆくよ・・・
20年ぶりに聴く曲ばかりだ。
振り返らないで/今 君は素敵だよ/僕のゆくところへ/あなたを連れていくよ・・・
頭の中で忘れられていた引き出しが開かれた。「愛の唄」が流れたときだった。
過ぎゆくは若き日々/いくつかの愛も消えて
僕は口ずさんでいた。20年間ずっと聴いたことがなかった「愛の唄」を、
歌詞を間違えずに合わせて歌うことができている!。
永遠の命も名誉もいらない/あなたに会えたこと/それだけでいい
どうしたんだろう。あれ程嫌っていたオフコースの歌詞が心にすっと入ってくる。
泣き濡れてただ一人/さみしい黄昏には/恋人よ 振り向けば/やさしい想い出をあげよう・・・
20年経ってやっとオフコースを素直に聴けた。バカだと思うかも知れないけど・・・。
小田和正の詩が素直に聴けるようになった・・・大人になったってことなのかな。
その夜、妙におセンチなオヤジになっていた僕でした。