監督=マイケル・ケイトン・ジョーンズ
主演=シャロン・ストーン デヴィッド・モリッシー シャーロット・ランプリング
同僚A子姐に「これを観るのは時間の無駄」と評された続編。それを覚悟でBSの録画を観た。冒頭、車を運転しながら男の手を導くシャロン・ストーン。さすがに1作目よりは老けているが、相変わらずお美しい。ヌードが修正されているだの様々な話題が先行したが、そんなことより僕はシャロン・ストーンの鋭い眼力(めじから)が健在だったことを嬉しく思った。
前作、ポール・バーハーベン監督の「氷の微笑」は、ヒッチコックの「めまい」へのオマージュだった。サンフランシスコの市街を走る時のカメラの目線、ブロンドの髪を束ねたシャロン・ストーンはまるでキム・ノバクだった。彼女の魅力におちていくマイケル・ダグラスは、ジェームズ・スチュワートと同じ刑事。眼鏡っ子の彼女がいるところまで酷似している。階段に残されたカツラと衣装・・・ここなんか「サイコ」みたいだし。ヒッチコックファンの僕らは、銀幕に繰り広げられるエロスに興奮しながら、ミステリアスな物語と逆らえない魅力におちていく男の物語
に震えたものだ。そこにはまだ「犯人は誰?」という謎解きの要素も残されていた。
この「氷の微笑2」はキャスリン・トラメルの魔性こそがテーマで、彼女の手のひらで翻弄される精神科医をひたすらカメラは追い続ける。彼女にお膳立てされた結末に向かって、男は破滅の道を突き進む。精神科医マイケル・グラス(この名前は・・・ウケを狙ったんだろうか?)と共に、我々観客もひたすらキャスリンに焦らされる。チラシにも使われたあのポーズで気持ちの核心を突かれる場面、精神科医と患者の関係は一気に逆転する。女はこわい。男は結局敵わない・・。マイケルの前妻もおとした彼女は、マイケルの仕事上のパートナーである年上の精神科医も見事に騙す。この精神科医をシャーロット・ランプリングが演じている。この映画のもっといないところは、シャーロット・ランプリングを活かしていないところだろう。今なお魔性の魅力を持つ彼女とシャロン・ストーンが物語の上でもっと絡んだらさらに面白かったに違いない。「時間の無駄」?いえいえ、そうは思わなかったよ。
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