「300/300」(2007年・アメリカ)
監督=ザック・スナイダー
主演=ジェラルド・バトラー レナ・ヘディ デヴィッド・ウェンハム
敵わないような巨大な敵に立ち向かう話、日本人は好むものだと思う。悲劇的なラストが待つとしても、そこへ至るまでの努力や自己犠牲の精神。「300」の予告を初めて観たときは、男臭くて暑苦しくて、映像以上の物語はなかろう、と思っていた。しかし、”戦う為に生まれてきた”スパルタ人のスピリットを素直にすごいと感じたし、評議会の場面など興味深いところも多々あった。教科書でむかし習った「重装歩兵」がどんな戦い方をするもので、結束力がいかに強かったかがよーくわかる。ふむふむ。
アクション場面は、見ていて力が入るしかっこいい。でもやたらスローモーションを多用してちょっとくどい。「マトリックス」の二番煎じを見てるみたいだった。ペルシア王クセルクセスのキャラクターも、ペルシア人国家であるイランから非難こないんかいな?と思う程イカレたピアス男になってる。まっ、これもフランク・ミラーの原作があってのことなんだけど。
タイトルがすごい。ストレートに「スパルタ」とか、「愛と哀しみのスパルタ兵」とか、いっそ「哀・戦士」(笑)とかつけそうなのに「300」。その数でペルシア軍に立ち向かった史実に原作者が感激したからつけられたタイトル。このひねりのない潔さはすごいね。
男臭い話の中で印象的だったのは、王妃の気丈さと王への献身。ペルシアからの使いが、「何故女が口を出す?」と言った後の「男は女から生まれてくる」という台詞は心に響いた。強き男の物語は強き女の物語でもあったのだ。王妃を演じたレナ・ヘディは、この後「ターミネーター」後日談を描くテレビシリーズで、サラ・コナーを演ずるとか。強き女は美しい。
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