
■「大怪獣ガメラ」(1965年・日本)
監督=湯浅憲明
主演=船越英二 姿美千子 霧立はるみ 山下洵一郎
記念すべき「ガメラ」シリーズの第1作。第1作だからもっと徹底した悪として描かれるのかと思っていた。シリーズを通じて描かれる子供の味方というところは変わらない。冒頭エスキモーの村で巨大亀の伝説を聞く調査隊。沈んだ大陸に棲んでいた”悪魔”として語られていたガメラ。北極で起こった核爆発で長い眠りから目覚める。「ゴジラ」が反核のスタンスで貫かれていたのに対して、「ガメラ」では核をめぐる部分は意外とあっさりしている。日本に上陸したガメラに核ミサイルを撃とうとするところすらあるもの。そうしたエネルギーを喰って蓄えることができるという設定。そうだったのかぁ・・・。子供の頃から見ているけれど覚えてなかったなぁ。思えば巨大な銀幕で初めて映画というものを見たのは「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」(68)だった気がする。大分文化会館大ホールでの子供向けの映画上映会。親にソノシート付きの紙芝居(「ガメラ対ギャオス」)を買ってもらったりもしたなぁ。僕らは特撮映画で大きくなった。
ガメラの特徴を少しずつ紹介するように物語が進行するところがいい。亀だからひっくり返せば死ぬだろうという作戦に対して、体からジェット噴射して飛び去る展開はなかなかだ。万策尽きて、「Z計画」と呼ばれる火星行きロケットにガメラを載せて、地球から宇宙に飛ばしてしまうというラストにはやや呆気にとられた。自らドーム型の檻に向かって行ってしまうガメラ。平成ガメラの第1作で福岡ドームを襲うのはこの場面へのオマージュなんだろか?。
平成ガメラはやたらとリアルな描写が魅力だった。それに比べれば確かにチープさはあるけれど、さすがに第1作だけあって重厚感がある。だんだんと軽いお子様映画になっていく前だけにここでしか味わえない魅力だ。
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