Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

tak's Movie Awards 2013

2014-01-01 | tak's Movie Awards
中学3年の年末に友達とノリで年間ベストを雑誌の真似して選んでから33年。いち映画ファンによる映画愛表現の手段として、今年もべスト作品を選出します。世間が一緒に盛り上がったり、アツくなったりする出来事が多かった印象の今年。ドラマから生まれた流行語や東京オリンピック招致、経済政策や改憲論、法案の賛否・・。物事に関心をなくしたらいろんな意味で終わりだな、というのを痛感した1年でもあったかな。そんな2013年に観たすべての映画から、私takが選んだ私的映画賞がこちら。国際映画賞の結果なんぞ関係なく、あくまでも個人としてグッときたかが基準です。(昨年の結果はこちら

★対象は2013年に観たすべての映画(劇場、DVD、VTR、地上波、BSすべて含む)。新作、旧作を問わない。
★劇場公開することを前提に撮られた映画を対象とする。いわゆるVシネマ、OVAなどビデオリリース目的のものは含まない。

■作品賞=「タイピスト!/Populaire」(2012年・フランス)

これっ!こういう映画が観たかったんだよ!。エンドロールの後で思わず拍手。楽しくって、ロマンティックで、スリリングで、わくわくして、ドキドキして。そのまんまの勢いでシアターを出て、映画館スタッフに挨拶して帰っちゃうくらいの楽しい気持ちになれた(笑)。レトロな色彩、素敵な役者、クラシック映画への愛。この映画の言葉を借りるなら、ビジネスで映画をつくるのがハリウッド、愛でつくっちゃうのがフランスなのかも?

今年の10本
「かぐや姫の物語」(2013)
「風立ちぬ」(2013)
「人生、ここにあり」(2008)
「ジェーン・エア」(2011)
「タイピスト!」(2012)
「パリの恋人」(1957)
「マリー・アントワネットに別れを告げて」(2012)
「許されざる者」(2013)
「ル・アーブルの靴みがき」(2011)
「ローマでアモーレ」(2012)

■特別賞(ベストクラシック)=「パリの恋人」(1957)

「スクリーンビューティーズ」と題された全国規模の特集上映で、今年はヘプバーン、ドヌーブ主演作のデジタルリマスター版がわが街のスクリーンに(嬉)。恥ずかしながら「パリの恋人」は初鑑賞。くーっ!この世にはまだこんな素敵な映画があるんだ、と大感激の2時間。貴重な機会、ありがとうっ!思えば中学時代からオードリーの主要作はほぼ映画館で観ている。

■監督賞=宮崎駿 「風立ちぬ」(2013)

今年引退を表明した宮崎駿監督。アニメでしかなしえない見事な描写とファンタジー。戦前戦中の不安な時代を写し取った見事な描写。監督が込めた空への憧れ。他の誰にこんな作品がつくれるだろう。そう思いながらスクリーンに向かい、ユーミンのひこうき雲が流れた後。スクリーンのこちら側に残るのは、何とも言えない切なさ。僕は席をしばらく動けなかった。

今年の10人
アキ・カウリスマキ 「ルアーブルの靴みがき」(2011)
石井裕也 「舟を編む」(2013)
今村昌平 「復讐するは我にあり」(1979)
ウディ・アレン 「ローマでアモーレ」(2012)「人生万歳!」(2009)
クエンティン・タランティーノ 「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012)
スタンリー・ドーネン 「パリの恋人」(1957)
高畑勲 「かぐや姫の物語」(2013)
ベン・アフレック 「アルゴ」(2012)
宮崎駿 「風立ちぬ」(2013)
李相日(リ・サンイル) 「許されざる者」(2013)

■主演男優賞=テレンス・スタンプ 「アンコール!!」(2012)

愛する妻の死後、彼女が参加していた高齢者コーラスグループで歌うことになった頑固爺さんの一大決心。怪しい変な役が多かったテレンス・スタンプ(僕がそういうものしか観ていないせい?)が、嫌だけど愛すべき爺さんを好演。クライマックスで歌うのは、ビリー・ジョエルのLullabye (Goodnight My Angel)。それは不器用な男の子守歌。

今年の10人
アンソニー・ホプキンス「ヒッチコック」(2012)
アンドレ・ウィレム「ルアーブルの靴みがき」(2011)
ダニエル・ディ・ルイス「リンカーン」(2012)
テレンス・スタンプ「アンコール!」(2012)
トニー・レオン「グランド・マスター」(2013)
フレッド・アステア「パリの恋人」(1957)
マチュー・アマルリック「チキンとプラム」(2011)
松田龍平「舟を編む」(2013)
ラリー・デビッド「人生万歳!」(2009)
渡辺謙「許されざる者」(2013)


■主演女優賞=グレン・クローズ 「アルバート氏の人生」(2011)

今年は素敵なフランス女優さんやベテラン勢の貫禄の演技、体をはった熱演に出会えて素敵な年だった。2013年を語る上で選ぶならデボラ・フランソワ嬢かもしれないが、主演賞に選ぶ上ではやはりグレン・クローズ。舞台でも演じ続けた難役を自ら製作した映画でも演じきったその心意気には心底感動。あの頃「危険な情事」でスゲーと思ったけど、「アルバート氏の人生」は年齢を重ねた今だからできるいい仕事。

今年の10人
オードリー・ヘプバーン「ティファニーで朝食を」(1961)「パリの恋人」(1957)
カトリーヌ・フロ「大統領の料理人」(2012)
グレン・クローズ「アルバート氏の人生」(2011)
田畑智子「ふがいない僕は空を見た」(2012)
壇蜜「わたしの奴隷になりなさい」(2012)
デボラ・フランソワ「タイピスト!」(2012)
ヘレン・ミレン「ヒッチコック」(2012)
ミア・ワシコウスカ「ジェーン・エア」(2011)
宮崎あおい「舟を編む」(2013)
レア・セドゥ「マリー・アントワネットに別れを告げて」(2012)


■助演男優賞=クリストフ・ヴァルツ 「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012)

マカロニウエスタンへのオマージュに満ちあふれたタランティーノ監督作で、主人公ジャンゴがかすむような存在感と印象を残した名演。ウエスタンではよくある師弟関係、バディ的な男の友情をこの21世紀に再現。この役柄、個人的には「イングロリアス・バスターズ」よりも大好き。

今年の10人
アラン・リックマン「モネ・ゲーム」(2012)
板尾創路「私の奴隷になりなさい」(2012)
柄本明「許されざる者」(2013)
加藤剛「舟を編む」(2013)
ケビン・コスナー「マン・オブ・スティール」(2013)
クリストフ・ヴァルツ「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012)
トミー・リー・ジョーンズ「リンカーン」(2012)
三国連太郎「復讐するは我にあり」(1979)
モーガン・フリーマン「オブリビオン」(2013)
ロベルト・ベニーニ「ローマでアモーレ」(2012)


■助演女優賞=ジュディ・デンチ 「007スカイフォール」(2012) 「ジェーン・エア」(2011)
 
ダニエル・クレイグ扮するやんちゃなボンドを見守る上司Mは、大活劇たる「007」に人間ドラマの風格を与えた。「ジェーン・エア」の家政婦頭役は貫禄だった。それにしてもジュディ・デンチがコスチュームプレイ的時代劇に出演すると、"エルロイ大おばさま"(「キャンディ・キャンディ」)と呼びたくなるのは僕だけだろか?(笑)

今年の10人
アンドレア・ライズボロー「オブリビオン」(2013)
エレン・ペイジ「ローマでアモーレ」(2012)
カティ・オウテイネン「ルアーブルの靴みがき」(2011)
ゴルシフテ・ファラハニ 「チキンとプラム」(2011)
サリー・フィールド「リンカーン」(2012)
ジェマ・アータートン「アンコール!」(2012)
ジュディ・デンチ「007スカイフォール」(2012)「ジェーン・エア」(2011)
ジュリアン・ムーア「キャリー」(2013)
ダイアン・クルーガー「マリー・アントワネットに別れを告げて」(2012)
ペネロペ・クルス「ローマでアモーレ」(2012)


■音楽賞=ヘンリー・マンシーニ 「ティファニーで朝食を」(1961)

毎年旧作からばかりセレクトしている気がするが、それは本当に映像と共に旋律が心に残る映画音楽が近頃少ないからだ。今改めて観るとムーンリバーのメロディが、数多くのヴァリエーションを施されて映像を彩っている。それをお洒落に使いこなすブレイク・エドワーズ監督のセンスも素敵。

今年の10人
梶浦由記「魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」(2013)
ガブリエル・ヤレド「大統領の料理人」(2012)
ジョージ・ガーシュイン「パリの恋人」(1957)
ジョン・ウィリアムズ「リンカーン」(2012)
高見優「図書館戦争」(2013)
ダニー・エルフマン「ヒッチコック」(2012)
M83「オブリビオン」(2013)
久石譲「風立ちぬ」(2013)「かぐや姫の物語」(2013)
ヘンリー・マンシーニ「ティファニーで朝食を」(1961)
ロブ&エマニュエル・ドルランド「タイピスト!」(2012)


■主題歌賞=secret base 君がくれたもの / 本間芽衣子(茅野愛衣)、安城鳴子(戸松遥)、鶴見知利子(早見沙織) 「劇場版あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」(2013)

テレビシリーズのエンディングテーマだけに、厳密には映画主題歌とは言えないかも。でもこの曲が流れた瞬間に、息が詰まる程に胸が締め付けられたのは、この作品に対して感動している純粋な気持ちに他ならない。この作品に再会できた幸福な夏の終わり。

今年の10曲
Lay Your Head Down/Sinead O'Connor「アルバート氏の人生」(2011)
Moonriver「ティファニーで朝食を」(1961)
Oblivion (feat. Susanne Sundfor) / M83「オブリビオン」(2013)
Only The Young / Journey 「ビジョン・クエスト青春の賭け」(1985)
secret base 君がくれたもの / 本間芽衣子(茅野愛衣)、安城鳴子(戸松遥)、鶴見知利子(早見沙織) 「劇場版あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」(2013)
Skyfall / Adelle 「007 スカイフォール」(2012)
Unfinished Song / Celine Dion「アンコール!」(2012)
いのちの記憶/二階堂和美「かぐや姫の物語」(2013)
早春物語/原田知世「早春物語」(1985)
ひこうき雲/荒井由美「風立ちぬ」(2013)


■ベストアクション映画=「ラスト・スタンド」(2013)

アーノルド・シュワルツェネガー復帰主演第1作は、派手な見せ物CGやドンパチやるだけがハリウッド映画じゃないことを、静かに示してくれるアクション映画。最近のアメリカ映画にはないヒーロー像が嬉しい。正月映画だった「007/スカイフォール」と迷ったが、スカッとするアクション映画となればこっちに軍配。

■ベストコメディ映画=「ローマでアモーレ」(2012)

地中海の陽光を浴びたアレン先生、最近のおとなしめの作風から一転。小洒落たセックスコメディの快作をみせてくれました。恋の指南役アレック・ボールドウィン、小悪魔エレン・ペイジ、みーんな魅力的。

■ベスト恋愛映画=「ティファニーで朝食を」(1961)

奔放な少女が窮屈と思っていた愛を受け入れるラストシーンだからこそ恋愛映画として成立している。ほんとうはホリーはまたどっかに行っちゃうかもしれないのに。それでもホリー・ゴライトリーは永遠の憧れの女性。

■ベストミステリー/サスペンス=「アルゴ」(2012)

ド派手な映画にばかり出ている役者という印象しかなかったベン・アフレック。いやはや、おみそれしました。でっちあげ映画撮影による救出劇は、シンプルな題材なのに観ていてハラハラ。そして根底に流れるのは映画への愛情。

■ベスト人間ドラマ=「許されざる者」(2013)

クリント・イーストウッド監督・主演の名作を同じ年の日本に翻案した意欲作。オリジナル以上に説得力を増したストーリーは、僕らに真っ正面から問いかける。悪人って何なのか。何が許されることで、何が許されないことなのか。

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back to 80's

2014-01-01 | 80's Movie Hits !
興行収入1位の映画と出来事80年代を振り返る

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1980年(昭和55年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪Fame (Irene Cara) 「フェーム」
□ビルボード年間No.1ソング
♪Call Me (Blondie)
■ジョン・レノンが凶弾に倒れる
■山口百恵・長島茂雄監督・王貞治引退
■大平正芳首相が急死
■ソビエト連邦がアフガニスタンを侵攻
■モスクワオリンピック西側諸国がボイコット
■ロナルド・レーガン大統領に就任
■漫才ブーム
■ポール・マッカートニー成田空港で逮捕

1981年(昭和56年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪Arthur's Theme (Best That You Can Do) (Christopher Cross) 「ミスター・アーサー」
□ビルボード年間No.1ソング
♪Betty Davis's Eyes (Kim Carnes)
■チャールズ皇太子・ダイアナ妃成婚
■スペースシャトル・コロンビア号打ち上げ成功
■レーガン大統領・ローマ法王狙撃事件
■台湾遼東航空機墜落向田邦子ら110人死亡
■福井謙一氏ノーベル化学賞受賞
■「窓ぎわのトットちゃん」
■なめネコ

1982年(昭和57年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪Up Where We Belong (Joe Cocker & Jennifer Warns) 「愛と青春の旅立ち」
□ビルボード年間No.1ソング
♪Physical (Olivia Newton John)
■ホテルニュージャパン火災
■フォークランド紛争
■日航機”逆噴射”で墜落
■中曽根内閣誕生
■東北・上越新幹線開業
■「セーラー服と機関銃」 快感・・・
■CD発売・レンタルビデオ店・テレカ登場

1983年(昭和58年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪Flashdance What A Feeling (Irene Cara) 「フラッシュダンス」
□ビルボード年間No.1ソング
♪Every Breath You Take (Police)
■ロッキード事件田中角栄元首相に有罪判決
■「おしん」ブーム
■大韓航空機がソ連戦闘機に撃墜される
■日本海中部地震
■三宅島大噴火
■「気くばりのすすめ」・「積木くずし」
■カレン・カーペンター死去

1984年(昭和59年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪I Just Called To Say I Love You (Stevie Wonder) 「ウーマン・イン・レッド」
□ビルボード年間No.1ソング
♪When Doves Cry (Prince & The Revolution)
■グリコ・森永事件 かい人21面相
■珍獣ブーム エリマキトカゲ
■アフリカ飢餓拡大 各国援助合戦
■新札発行 聖徳太子から福沢諭吉へ
■冒険家植村直己さんが消息を絶つ
■香港返還本調印
■マーヴィン・ゲイ射殺

1985年(昭和60年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪Say You Say Me (Lionel Richie)
「ホワイト・ナイツ 白夜」
□ビルボード年間No.1ソング
♪Careless Whisper (Wham!)
■ロス疑惑 三浦和義逮捕
■豊田商事事件 永野会長刺殺
■阪神タイガース21年ぶりV
■アメリカでエイズ広がる ロック・ハドソン死去
■NTT・JT誕生 公社が民営化へ
■つくば科学万博
■坂本九 日航機墜落で死去

1986年(昭和61年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪Take My Breath Away (Berlin)「トップガン」
□ビルボード年間No.1ソング
♪That's What Friends Are For (Dionne & Friends)
■チェルノブイリ原発事故
■英国皇太子夫妻来日 ダイアナ妃フィーバー
■株価高騰で財テクブーム バブル景気
■社会党党首に土井たか子が就任
■マルコス政権崩壊 アキノ大統領就任
■チャレンジャー号爆発
■岡田有希子さん飛び降り自殺

1987年(昭和62年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪(I've Had) The Time Of My Life (Bill Medley & Jennifer Warns) 「ダーティ・ダンシング」
□ビルボード年間No.1ソング
♪Walk Like An Egyptian (Bangles)
■「サラダ記念日」ブーム
■JRがスタートする
■東京で地価高騰 円高も加速
■利根川進教授ノーベル医学生理学賞受賞
■石原裕次郎死去
■偽造旅券の男女が大韓航空機を爆破
■マドンナ、マイケル・ジャクソン来日

1988年(昭和63年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪Let The River Run (Carly Simon)
「ワーキング・ガール」
□ビルボード年間No.1ソング
♪FAITH (George Michael)
■リクルート疑惑
■瀬戸大橋・青函トンネル開業
■千代の富士53連勝
■ベン・ジョンソン ドーピングで金メダル剥奪
■イラン・イラク戦争停戦
■「ノルウェイの森」・「ゲームの達人」
■東京ドームがオープン

1989年(平成元年)

□アカデミー賞主題歌賞
♪Under The Sea 「リトル・マーメイド」
□ビルボード年間No.1ソング
♪Look Away (Chicago)
■昭和天皇逝去 元号が平成へ
■ベルリンの壁崩壊
■天安門事件
■美空ひばり死去 国民栄誉賞
■礼宮さま、紀子さんと婚約
■吉本ばなな「TUGUMI」・「キッチン」
■手塚治虫死去

■アカデミー賞 作品賞
1980年・「普通の人々」(ロバート・レッドフォード)
1981年・「炎のランナー」(ヒュー・ハドソン)
1982年・「ガンジー」(リチャード・アッテンボロー)
1983年・「愛と追憶の日々」(ジェームズ・L・ブルックス)
1984年・「アマデウス」(ミロス・フォアマン)
1985年・「愛と哀しみの果て」(シドニー・ポラック)
1986年・「プラトーン」(オリバー・ストーン)
1987年・「ラスト・エンペラー」(ベルナルド・ベルトリッチ)
1988年・「レインマン」(バリー・レビンソン)
1989年・「ドライビング・ミス・デイジー」(ブルース・ベレスフォード)




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Greatest Albums(その41) Adventures/The Square

2014-01-01 | 僕のGreatest Albums
 今回はザ・スクエアの「アドベンチャーズ」。スクエアと言えば伊東たけしが演奏していたリリコン。後にウインドシンセと形を変えて市民権を得るけども、あの艶やかな音を真似しようとコピーバンドやってた人々はいろいろ苦労したことだろう。キーボード担当だった僕ももちろんその一人。先輩はDX-7で似た音を作ろうと苦心していて、ステージではショルダーキーボード(MIDIコントローラー)で演奏していた。僕はというと、実はモノフォニックのシンセにエフェクターかけて使っていた。機種はヤマハのCS-01。当時1万円程度で購入できたものだけど、これを肩からさげて弾くのがその後の僕のスタイルとなった。これは、ブレスコントローラーというオプションがあって、息を吹く強さで音量やアタックをコントロールできた。みんなはリリコンをどう再現していたのだろう?。

 僕はフュージョンというジャンルはちょいと苦手だった。それはインストロメンタルだからではなく、技巧を駆使した演奏をしているのだから気軽に聴くことはできないから。演奏者に申し訳ないのだ。高校時代の僕はそう思っていた。その演奏の技巧をきちんと観賞できないといけないような気がしていたのだ。クラシックのソリストのテクニックがすごいことを理解しなければ・・・というのと同じ感覚。だから、当時僕はカシオペアが大の苦手であった。すごいし、かっこいいのもわかるけど、僕はそれを理解できるハイソな鑑賞者ではない・・・みたいな。だから周りの友達が聴いていたカシオペアも高中正義も苦手だったなぁ。

 そんな僕が突然フュージョンというジャンルに足を踏み込んだのはザ・スクエアから。曲はもちろん、サントリーのCFで使われた「All About You」。そしてそれを収録したアルバム「Adventures」。スクエアは技巧派フュージョンというよりも、ポップなインスト曲としての印象が強いので、とっても僕には入りやすかった。大学で音楽系サークルに所属してからは、友達といろいろコピーした。

 他のアルバムには、後に代表曲となる「truth」を始めとしていい曲はたくさんある。スケール感のあるイントロとポップなメロディーが印象的な「Omens Of Love」も大好きだった。実はこの曲、小泉今日子のアルバムにヴォーカル入りヴァージョンが収録されている。僕は選曲会議に出したけど「アイドルなんてね」と却下されたっけ。



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ダイハード4.0

2014-01-01 | 映画(た行)

■「ダイ・ハード4.0/Live Free Or Die Hard」(2007年・アメリカ)

監督=レン・ワイズマン
主演=ブルース・ウィリス ジャスティン・ロング マギー・Q ティモシー・オリファント

 思えば第1作は大傑作だった。高所恐怖症気味の僕は、映画館の椅子にへばりついて観ていたものさ。「2」は往年の航空機パニック映画を思わせてなかなかの出来だったし、「3」はマザーグースを用いた脚本の巧さに唸った。ジョン・マクティアナンとレニー・ハーリン、監督もよかったもんね。・・・そして今作。面白かったし、払った料金分はきっちり楽しめたと思うのだ。でもね・・・なーんか煮え切らぬものを感じてしまう。それはこのシリーズをリアルタイムで見続けているし、ハリウッド大作を嫌う癖に不思議とこのシリーズが好きなためだろう。

 とんでもない事件に巻き込まれてしまうジョン・マクレーン刑事をとにかく”運が悪いヤツ”としていた「1」と「2」。彼は運も悪いかもしれないが、嫁サンが窮地に立っているという、戦う必然性があった。「3」は犯人からの名指しだから逃げも隠れもできない。今回も事件に巻き込まれてしまった運のなさはあるけれど、ジョン・マクレーンである必要性を感じない。FBIのサイバー犯罪捜査官がエリート意識で、ニューヨーク市警の薄汚いベテラン刑事を見下すようなこともない。もし主人公がベン・アフレックで、同じ脚本を「ジャック・ライアンもの」のシリーズとして撮られていても違和感がなかったかもしれない。それに嫁サン思いの人間味あるマクレーン刑事を、僕が期待していたこともあるか・・。八面六臂の大活躍をする主人公も、冗談ばっかり言ってる人間味あるただのおっちゃん。そこが魅力だった。

 この映画が製作されるまでの12年間に、アメリカは同時多発テロを、そしてイラク戦争を経験した。国家を守るために、と多くの人々が戦地に赴き、戦い傷ついた。劇中マクレーン刑事は英雄について語る。本当の英雄はカッコいいもんじゃない。他人に誇れる暮らしもしていない。真の英雄は自分のできることを懸命に貫いた名もなき人々だ。最終的に国を救うこととなるアクション映画としてのスケール感が、マクレーン刑事の人間的魅力をどこか損ねているように思えてならない。でもこの映画のド派手な楽しさは、きっと世知辛い日常を忘れさせてくれる。それは確かだ。「M:i:lll」にも出演していたマギーQも、実にカッコいい悪役を演じてくれる。CCRの「Fortunate Son」をガンガン流すのもアナログ人間であるマクレーン刑事を印象づけるナイスな選曲。



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突然炎のごとく

2014-01-01 | 映画(た行)

■「突然炎のごとく/Jules Et Jim」(1961年・フランス)

監督=フランソワ・トリュフォー
主演=ジャンヌ・モロー オスカー・ウェルナー アンリ・セール

 トリュフォーの代表作として名高い映画だが、実は今回初めて観た。一人の男性を愛せない奔放なカトリーヌに魅せられた二人の文学青年。女って男には不可解な生き物だ。でもそれ故に女に惹かれずにはいられない。60年代の映画だから、色恋のドロドロした部分を詳細に描くことはもちろんないし、それにトリュフォーはそういう部分をサラッと描いちゃう人。セックスにまつわる場面はすべてナレーションで表現している。これをハリウッドがリメイクするともっと直接的な映画になるんだろうな。「暗くなるまでこの恋を」→「ポワゾン」の例もあるし。でもこの映画に限ってはそういうリメイクもアリなのかな、とも思う。

 文学青年二人が主人公でお互いがウンチクを語り合ったりするだけに、全体を通してすごく”文系男子向け映画”の雰囲気がする。彼ら3人に娘という同居生活は、村の人からは白い目で見られれているという描写も出てくる。世間的に見れば理解しがたい、奔放な女をめぐるドロドロ恋愛劇を、トリュフォーはひたすら詩的な雰囲気で包み込み、普遍的な”愛の映画”の外見にしようと試みているのだ。確かにお互いがそれぞれの愛し方を貫こうとした、そんな映画にも見える。文系男子であれば、おそらくその雰囲気だけでオッケーとしちゃう方もあることだろう。僕も観る前はフランス映画のお家芸的三角関係ドラマを期待していた。

 でもこの映画の狙いはそこではない。女性は感情で動く動物、男性は欲で動く動物と言われるが、この映画の主題はまさにそこなのだ。奔放に男性の間を飛び回るカトリーヌは、美しい蝶のよう。その蝶に魅せられ人生をかき乱される男達にとって、彼女はまさに運命の女。ジャンヌ・モローが劇中歌う ♪つむじ風 はカトリーヌの人物像をうまく表現している。ボーボワールを引用して女性を悪く言うジュールに腹を立て、川に飛び込むカトリーヌ。もはや自分を愛の対象としなくなったジムを道連れにするラスト。・・・彼女の行動を本当に理解できるだろうか?。おそらく男である以上無理だと思う。女は男にとってやはり不可解な生き物。その”わからなさ”は、邦題が上手に表現してくれていると思うのだが。二つの遺灰を安置して教会を後にするジュールの姿。妙にコミカルな音楽がかぶさるラストシーンが僕は気に入らない。「そしてジュールは彼女から解放されましたとさ」とでも言っているようだったから。これからが彼は大変なのだ。娘と共に生きるジュールは、この先ずっとカトリーヌの分身をそこに見ることになるのだから。

 ★

この文章を書いたのは2004年。最近はこの頃と違って、ヨーロッパ映画にどっぷりと浸る機会や時間がなくって、この手の映画欠乏症気味だ。トリュフォー監督作はあれこれ観たけど「突然炎のごとく」はかなり好きな作品。先日「ミッドナイト・イン・パリ」を観て、”文系男子向け?”などと綴ったが、先にこの映画の感想で同じような表現を使ってたのを忘れてた。




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すてきな片思い

2014-01-01 | 映画(さ行)



■「すてきな片想い/Sixteen Candles」(1984年・アメリカ)

監督=ジョン・ヒューズ
主演=モリー・リングウォルド アンソニー・マイケル・ホール マイケル・シェフリング

 ジョン・ヒューズの監督デビュー作。今改めて観て思うのは、80年代の空気を懐かしく感じても、話自体を古いとは感じない、ということ。それは主人公たちが抱える思いは、いつの時代にもその年代なら共感できるものであるからだ。私は16歳になったのに全然大人じゃないだの、家族が自分の誕生日に気づいてくれないだの、男の子たちは性についてばかり関心が高かったり。僕は誠に不勉強なことにジョン・ヒューズの”学園もの”をあまり観ていない。「プリティ・イン・ピンク」くらいだろう。でも”学園ものはこの映画から始まった”という世間の評価は納得。モリー・リングウォルド、改めて観るとかわいいよねぇ。弟役は「クレイマー・クレイマー」の名子役、ジャスティン・ヘンリー!。まぁなんとも小憎らしいガキに成長しちゃってさぁ!。ジョン・キューザックもアンソニー・マイケル・ホールの友達役で出演してます。

 それにしてもアメリカの高校生活ってすごく楽しくお気楽に見える。体育館でのパーティ(チークタイムはスパンダー・バレエの ♪True だもんね)だの、親のいぬ間のどんちゃん騒ぎだの。ティーンエンジャーの頃に観ると、ますますそう思うだろうな。もちろん、そういう面からしか描かれていないから当然なんんだけど。「性意識調査」なる紙切れにエッチしたい相手の名前書くと願いが通ずる、とかすごいよね(笑)。絶対真似できないっすよ。

 ★

その年代に観ておくべき映画って必ずある。大人目線になるから共感できなくなっちゃうからだ。80年代の青春映画を代表するジョン・ヒューズ監督の作品で言えば、「フェリスはある朝突然に」は、最近観て特にそう思った。だがそれ以外のヒューズ関連作品は、今観ても色あせないと心底思える。そして、あの時代だからこそ撮れた映画だとも思うのだ。



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戦火の馬

2014-01-01 | 映画(さ行)

■「戦火の馬/War Horse」(2011年・アメリカ)

監督=スティーブン・スピルバーグ
主演=ジェレミー・アーヴァイン エミリー・ワトソン デヴィッド・シュリース ピーター・ミュラン

 スピルバーグ監督の新作は、軍用馬として徴用された一頭の馬をめぐる人間ドラマ。児童文学の映画化だそうで、正直なところ観る前は、”ただでさえ見せ方が上手いスピルバーグが動物ものを撮るなんてズルい。どうせ泣かせに決まってる。”思っていた。ところが・・・飽きさせることのない2時間半、まるで良質なクラシック映画を観ているような感覚になった。素直に感動できるし、「やっぱりね」って予定調和的な部分も素直に受け入れられる。映画が根底から忘れてはいけないのはヒューマニズムだと常々思っているが、それを思い起こさせてくれる。一頭の馬が関わった人々の人間模様、どのエピソードも温かい。

 イギリスの田舎で生まれた子馬は、貧農の家に買いとられ”ジョーイ”と名付けられる。農耕にはおよそ向いていない馬種だったが息子のアルバートと共に開墾を成し遂げ、家族を立ち直らせることになる。第一次世界大戦が勃発。ジョーイは軍馬として戦地へ連れて行かれる。アルバートの気持ちを汲んだ英国将校の愛馬となったジョーイだが、将校は戦死。馬の扱いになれたドイツの若い兵隊の手を経て、今度はフランスの片田舎に住む老人と孫娘に飼われることになる。しかしそこにもドイツ軍は迫り、さらなる苛酷な運命がジョーイを待っていた。一方アルバートも戦地でジョーイに再会できることを望みつつ最前線にやってくる・・・。

 ぎくしゃくしていた人間関係が馬との出会いによって解きほぐされていく様子が、それぞれのエピソードに描かれる。アルバートの家では、農耕馬に向かないジョーイを父親が買ってきたことからトラブルが起こる。しかしそれを契機に少年だったアルバートは困難に立ち向かう根性を身につけるし、父親がかつて戦場で功績のあった人だと知る。それを誇ろうとしない父親の気持ちも合わせて知ることになる。フランスの老人も孫娘に戦中に生きる厳しさを語ることになるし、隠していた鞍を出してやったり、それまで頑なだった心が和らいでいく。ドイツの少年兵は弟を守りたいという気持ちを思い起こす。戦場のど真ん中で傷ついたジョーイを英独両軍の兵士が協力して助ける場面は、ユーモラスだが実に感動的だ。人が心を開くきっかけには様々なものがある。ジョーイがアルバートの家で学んだことが、戦地で次々に生かされるところも素敵だ。

 児童文学である原作は馬の視点で描かれ、馬の台詞すらあるそうだ。確かに今のハリウッドなら同じ題材で馬をしゃべらせる映画を製作することもできたろう。だが、それをやるとまったく違うものになってしまう。ものを言わぬ馬がとる行動のひとつひとつが僕らを感動させてくれる。スピルバーグは原作のように馬にしゃべらせない代わりに、馬の視線を感じさせる編集や撮影を巧みにやっている。風車小屋で馬の瞳に少女が映る場面は見事としか言いようがない。結局、観る前に思った通りにスピルバーグの上手さに酔わされた映画だった。だがそれは技術やエンターテイメントとして成り立っているだけじゃない。人間として忘れてはならない希望や敬意という普遍的なテーマをきちんと謳いあげている。伝統的なハリウッド映画の良心が、今も息づいていることを感じさせてくれる2時間半。これを古くさいと感ずる人もいるかもしれないけど、こんな時代だから忘れてはいけない語るべき物語だと思うのだ。



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ラブソングができるまで

2014-01-01 | 映画(ら行)

監督=マーク・ローレンス
主演=ヒュー・グラント ドリュー・バリモア ブラッド・ギャレット

 新作映画の情報を雑誌で見ていて、これは観なければ!と思った映画。いや、ほんとに。ヒュー・グラントが80年代のポップスタアに扮する、作詞作曲のコンビでロマコメ・・・設定としてはまさに僕の望むもの。有名人と一般人の恋物語というと「ノッティングヒルの恋人」を思い浮かべるが、今回のヒュー・グラントは有名人側で逆の立場。ドリュー・バリモアも、80年代ものを歌う男性と恋におちる女の子役・・・とくれば「ウェディング・シンガー」。二人は初共演なのだが、二人の映画を見続けてきたファンには、期待する二人がきちんと観られる映画として満足度は高いことだろう。

 80年代洋楽ファンには懐かしい名前が次々出てくる。「今日のゲストはフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド。だから”リラックス”して。」てな具合に。主人公が在籍したアイドルバンドのPVが流れる冒頭に笑いを抑えられない僕。デュランデュランとワム!を足したようなバンド・・・。ローランドのD-50とヤマハDX-7のデジタルシンセ2段重ねかぁ・・・86年のヒット曲ということだが、D-50の発売は87年じゃないのか?・・・と一人ツッコミを入れてみたり。ディティールが楽しめるのが嬉しいね。

 作詞作曲のコンビが恋人になる・・・。音楽によって結ばれた絆はとても深いものになると、僕は常々思っているだけに、このテーマには共感できる。そういえば、高校時代に好きな女の子に書いてもらった詞に、自分で曲をつけたもんだ。作詞/●●チャン作曲/takって名前が並ぶだけで嬉しかったっけ(恥)。二人がデモテープの歌を吹き込むところが好き。それにステージの脇で抱き合うクライマックスも。二人がスポットライトの中で抱き合わないでよかった、と僕は思った。幸せって、こんなふうに目立たないところで花開くものなんだもの。そう、楽譜の上に名前が並ぶように。



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戦い続ける男達へ

2014-01-01 | 音楽
NHK金曜時代劇で本日最終回だった「柳生十兵衛七番勝負」。息詰まるラストでしたねぇ!。スプリットスクリーンを使ったラストの対決場面!久々にTVの時代劇に引き込まれました。先週は千葉真一が宮本武蔵を演ずるエピソードだったのですが、これを見逃したのは本当に悔やまれる。再放送の予定もないとか。くーーーっ!十兵衛といえば千葉真一だけに、新旧の対決見たかった!NHK殿!是非再放送をお願いします。受信料ちゃんと払ってるから!。
↓公式ページはこちら
柳生十兵衛七番勝負

このドラマのエンディングは、ジョー山中作の ♪戦い続ける男達へ 。松田優作の歌が何とも言えずいい味を出している。80年にリリースされた松田優作のアルバム「Touch」のラストを飾る曲だ。


僕は、このドラマで聴くまで優作のヴァージョンは知らなかったのだけど、ジョー山中が歌ったものは聴いたことがある。若松孝二監督の映画「キスより簡単」のエンディングだ。早瀬優香子(この人の歌、好きでした)演ずる奔放な女の子の恋模様を描いた映画で、主役はその女の子。実は父親?と思われる男性役で原田芳雄が出てくるのだけれど、映画の後半はすっかり主役になっているのだ。これがひたすらかっこいい!ここにジョー山中の歌がかぶさってくるところが素晴らしいのね。それまで早瀬優香子の裸に見とれていた自分が、映画の最後には原田芳雄の渋さに涙している。不思議な映画だった。あぁ久々にまた観たいな。時代劇から若松孝二監督作に話題が飛ぶなんて・・・節操のない私です。
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