
■「神様のくれた赤ん坊」(1979・日本)
監督=前田陽一
主演=渡瀬恒彦 桃井かおり
前田陽一監督の「神様のくれた赤ん坊」鑑賞。
死んだ女が遺した男の子。父親の可能性がある5人の一人とされた主人公(渡瀬恒彦)が、その子を連れて父親探しの旅へ。
同棲中の女(桃井かおり)も巻き込んで、三人の旅は、自分のルーツを探しながら、
尾道、中津、別府、熊本、天草、長崎、唐津、そして若松へ。
チラシ画像の右上が若戸大橋ですな。
コメディアンを使わない人情喜劇。
嵐寛寿郎、吉幾三、泉谷しげる、吉行和子、樹木希林、登場する誰もが印象に残るいい仕事。
特に桃井かおりが母親のルーツを知るエピソードがグッとくる。
たったひと言の台詞が、これ程涙を誘うなんて見事。
粋な脚本のロードムービー。
ちょっと子供そっちのけな気もするが、
同じ題材を今撮ると、きっと子役で泣かせるあざとい映画になるだろう。
あくまでも主眼を主人公二人の心の成長に置いてる潔さがいい。
クライマックスの若松南海岸は、
旧古河鉱業若松ビルの横を通って、ごんぞう小屋、栃木ビル等が登場。
若戸大橋に登るエレベーター、若戸大橋の歩道。
今は歩いて渡れないだけにとても貴重な場面。
エンドクレジットは空撮で真っ赤な橋が映される。