麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

絢爛sfMart

2007年07月05日 | 鑑賞
 T1project/絢爛sfMart vol.2(7/3~7/8「劇」小劇場にて)を昨夜観た。

 『耽悲雨』(作/木水人、演出/上村公臣代)と『いま幸せです』(作・演出/友澤晃一)の二本立て。その間に、即興劇が一本。

 その即興劇に、今年2月の下北沢演劇祭・世田谷区区民上演グループAに参加したツネこと今井恒允が出演したので足を運んだ・・・。

 リーフによると、7年目を迎えたT1projectのメンバーの一人、上村公臣代氏が主宰するのが「絢爛sfMart」なのだとか。
 で、2回目の公演は、俳優たちによる芝居と俳優の卵達による即興という構成だったのだが、難易度の高い方を卵がやるから、結果的には、授業中のサッカーみたいにボールのある所に人がウジャウジャと固まる・・・的な惨憺たる15分になった。

 でもきっと、これは休憩時間を利用した「卵たちの鍛錬の場」だから、公開番組の前セツよろしくお代には含まれないのだろう…。

 ところが『耽悲雨』も、試合ではなく「公開練習」に近かった。
 演劇の基本に「解放」というのがある。肉体や感情を自由に操る為のレッスンだが、それを見せられたとでも言おうか…。
 コーチの出すボールを、トラップして、立ててあるポールをかわして、ドリブルで進んで、シュート!という基本の練習が目の前に繰り広げられた、とでも言おうか・・・。

 とある駅の待合室に仲間が集っていて、東京から戻って来た者、故郷で結婚する者、誰からも人気のある男、重い過去を持つ姉妹などなど、個性的な人物が7人。
 ネタバレは避けるが、この登場人物が“青春真っ只中”でギラギラしてるから、突然、感情を爆発させる! そーゆーキャラが一人、ではなく「今度はあなた?」という勢いで次々に・・・

 舞台で叫んだり泣いたりするのは、当然迫力あるし見栄えもいい。役者の一人ひとりにも個性があって、客席にナニガシかは届くというか、届いた感じはする。暗転の、80年代の熱き小劇場を思い起こすようなブリッジ曲の選択も功を奏して、上質の少女マンガ的(?)なナルシシズムとカタルシス満載の一編でした。

 かたや『いま幸せです』は、結婚相手を探すツアーでカップルになれなかった人々がバスから降ろされ、バツゲームとして電車で帰ることに。自称20代の5人に、ツアー企画会社の社員が駅で電車を待つ中で・・・というお話し。

 こちらはお笑い満載で、ちゃんと試合になっていました。
 残念なことに少々大味なゲームではありましたが…。

 とにもかくにも、全日完売の大入りで、僕は2階席の一番うしろの、視界に照明が下がっていて舞台が見えづらい席でした。
 それに文句があるわけではなく、その環境が少々舞台にのめり込めずに辛口の評を書かせたかのかな、と思っていただければ幸いです。
 
コメント
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