講談社文庫 2003年
4年後のあとがきにすでにこれは歴史書に
なってしまった、と書かれているのだから
20年以上経った今は、ニュー新橋ビルの
ルポでおっしゃる通り時間旅行者となって
しまった感がある。
一番おもしろかったのは、安吾の「安吾巷談」
を模して書かれたという文章。やはり文豪安
吾の文章は光っている。
上野には「ホモ」がよく似合う。上野公園
でパンパンと共に「ホモ」が自分を売っている
様は上野を知るものならよくわかるはずだ。
この本書では都市がいかに発展し、衰退してい
ったかを、ニュー新橋、六本木、渋谷、大久保
銀座、浅草、大塚、赤坂、錦糸町、新宿歌舞伎町
そして、上野とルポしていき、だいたい男の
エロの観点から街を活写してゆく。鹿島さんが
大学教授でいらしたらしく、先日、Eテレでその
姿を拝見したが、すごくマジメそうなので、本書
でエロを扱っていらしたので、うーん、と唸って
しまった。でも、すごく他とは違う観点から東京
を見られて、とてもおもしろうございました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます