古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

すべて真夜中の恋人たち     川上未映子

2022-09-09 11:41:37 | 小説の紹介

講談社文庫   2011年

 

どこからこの本を攻めあげていけばよいのか、少々まごつく。まず

 

これは大人の恋愛小説だということははっきりさせよう。相手は58

 

歳だということだ。川上女史の初期を知っているぼくはあまりにも

 

すらすら読めてしまうことに、ちょっと戸惑いを逆に感じた。

 

サクッと読めることで、作品がいささか軽く感じられてしまっている

 

こと。でも、ラストの女性二人で泣き崩れるところは圧巻だった。ぼく

 

も感涙してしまった。

 

一番気に入ったところは土のスープを飲むところだ。土のスープは

 

よかった。奇想天外な感じがして、一番良かった場面だ。冬子さんと

 

三束さんが二人で食事をする、っていうハイライトでもある。

 

読んで良かった、と思える自分が読後にいて、ホントによかった。

 

一度、読んでみて、途中で挫折したことがあったから、読書って

 

ものに自信がついた一冊でもあった。

 


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