講談社文庫 2011年
どこからこの本を攻めあげていけばよいのか、少々まごつく。まず
これは大人の恋愛小説だということははっきりさせよう。相手は58
歳だということだ。川上女史の初期を知っているぼくはあまりにも
すらすら読めてしまうことに、ちょっと戸惑いを逆に感じた。
サクッと読めることで、作品がいささか軽く感じられてしまっている
こと。でも、ラストの女性二人で泣き崩れるところは圧巻だった。ぼく
も感涙してしまった。
一番気に入ったところは土のスープを飲むところだ。土のスープは
よかった。奇想天外な感じがして、一番良かった場面だ。冬子さんと
三束さんが二人で食事をする、っていうハイライトでもある。
読んで良かった、と思える自分が読後にいて、ホントによかった。
一度、読んでみて、途中で挫折したことがあったから、読書って
ものに自信がついた一冊でもあった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます