映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

いつか晴れた日に

2007年10月04日 | 映画(あ行)

(DVD)
1995年作品。
ヒュー・グラントにケイト・ウィンスレット・・・ということで、興味を持ちました。
舞台は19世紀初頭、イギリス。
あまり裕福でない母親と3人の娘たちの一家があって、娘たちが幸せな結婚を手に入れるまでのストーリー。
あれ?これって私がかなり気に入ってしまった「プライドと偏見」にとてもよく似ている。
・・・と思ったら、やはりこれは同じジェーン・オースティンの小説を映画化したものでした。
やや、内気でしっかりものの長女。
気が強くて自由奔放の次女。
そんな設定もそっくり。
そしてやはり、女性は自分で職業を持つということがないので、誰かの遺産を受け継ぐか、結婚するかしか、生きるすべがない。
結婚が最大の関心事になってしまうのは仕方のないことです。

長女エリノア(エマ・トンプソン)は、ちょっと内気だけれどもやさしく誠実なエドワード(ヒュー・グラント)と親しくなり、お互いを意識するようになる。
けれど、きちんとした約束もしないまま、貧乏娘と結婚なんかさせないと息巻くエドワードの姉により、引き離されてしまう。
一方、次女(ケイト・ウィンスレット)は、彼女に思いを寄せているブランドン大佐(アラン・リックマン)には目もくれず、見た目の派手なウィロビーに夢中。
しかし、このウィロビーというのは実はとんでもない軽薄男で、やはりはっきりした結婚の約束も交わさないまま、逃げ出し、金持ちの娘と結婚してしまう。

ステキな姉妹なのに、どちらもうまくいかない恋愛。
ふさぎこんでしまう一家。
この一家の叔父さん夫婦というのがなかなかおせっかいで明るくて、コミカルな雰囲気を醸しています。
ただ能天気というのでもなく、人を見る目ももっていそう。

さて、この恋の行方は・・・?ということで、すばらしいどんでん返しのハッピーエンドで、乙女心を満足させてくれる作品であります。

ヒュー・グラントの役ははまり役。
「じれったい、さっさと思っていることをいいなさいよ~」とつい思わせる、あの感じ。
実際には最初のほうと最期のほうしか出てこないんですよ。
お得な役。
ブランドン大佐は、過去の女性関係にトラウマを持つけれど、それも乗り越えたしっかりした大人の男性、という役どころですが、この、アラン・リックマンには見覚えが・・・
と思ったら、なんとあの、「ハリー・ポッター」のいや~な教師スネイプではありませんか!!
それを思うとちょっと、こっそり笑いたくなっちゃいますけどね。


さてやはりどうしても「プライドと偏見」と比較してしまうのですが、より、ロマンチックに女心に響くのは「プライドと偏見」のほうかなあ。
田舎風の生活の様子とか、時代色たっぷりのダンスのシーンとかもよかったですし。

ロマンス小説好きの人なら、まず、こちらを見てから「プライドと偏見」に行くべし。
です。

1995年/アメリカ/136分
監督:アン・リー
出演:エマ・トンプソン、ケイト・ウィンスレット、ヒュー・グラント、アラン・リックマン