映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ナイトミュージアム

2007年10月18日 | 映画(な行)

(DVD)
ラリーはただいま失業中。
彼には別れた妻との間に息子ニッキーがいて、ニッキーにだけは尊敬される父親でありたいと思っている。
息子に嫌われたくないばっかりに、えり好みする暇もなく、自然史博物館の夜警の仕事に就きます。
ところがなんと、夜になると、展示物が生命を持ち動き出す。

ティラノザウルスの骨格標本に襲われそうになったり、
フン族の王アッティラにつかまり八つ裂きにされそうになったり。
サルに鍵は奪われる。
ジオラマの西部の開拓民やローマ兵の争いに巻き込まれたり、
ライオンに追いかけられたり・・・さんざん。
混乱の一夜が過ぎ、こんな仕事はやっていられない!と、やめようとするのですが、
息子の期待にを裏切るわけにも行かず、やむなく踏みとどまることに。

この博物館の不思議は、どうやらエジプトの黄金の石板の威力であるらしい。
夜ごと繰り広げられる大混乱を何とか収めようと、
ラリーは必死で歴史の勉強につとめて・・・と、そんなお話です。

CGを駆使し、おもちゃ箱のような楽しさがあります。
犬みたいに、骨をなげてもらって遊びたがるティラノザウルス。
フーセンガムを膨らますモアイ像。
棺から出せともがくミイラ・・・。
私は思うのですが、この博物館は、さびれてきたと嘆くよりも、
夜オープンすればいいのにね・・・。
そのほうが絶対おもしろいです!

それから、父親が、何とか息子に信頼されたい、尊敬されたい、と、もがく姿。
こういうパターンの映画はとても多いです。
先日見たジム・キャリーの「ライアー・ライアー」なんか、まさしく同じ。
父親は、子供にとっての正義と力の見本でなければならない。
ほとんど強迫観念のようです。
アメリカにおける父と子の確執。
開拓史の頃から、土地や家族を守るために、
父親は強くなければならなかった。
そんな歴史が影響しているのでしょうか。
日本だと、何にもしなくてもとにかく父親は偉いのだ、と、
小さい頃から教えこまれる。
(現代は別みたいですが・・・)
アメリカだと、それを行動で示さなければならない、というところがつらそうです。

2006年/アメリカ/108分
監督:ショーン・レヴィー
出演:ベン・スティラー、ロビン・ウィリアムズ