(DVD)
アン・ハサウェイ出演ということで、勝手にロマンチックコメディと思ったのですが、それは間違いでした。
この邦題も、誤解を招く元です。
もう少し、何とかならなかったのでしょうか・・・。
原題は THE OTHER SIDE OF HEAVEN。
やはり、この方がいいですね。
まず、これは実在した人物の物語です。
主人公ジョンは、南太平洋のど真ん中、トンガのさらに本島から離れた孤島に、宣教師として赴任します。
大学を出たばかりで、初めての仕事。
小さく貧しいその島で、はじめは言葉も通じず、まともに話を聞いてくれる人もいなくて、途方にくれるのですが、
次第に真摯なその態度に村の人も心を開き、尊敬を集めるようになっていきます。
美しい自然ではありますが、ひとたび天候が荒れれば手のつけようがなく、
一夜の嵐で、村が壊滅状態にも・・・。
心の慰めは、学生時代から付き合っていたジーンとの手紙のやりとり。
遠く離れ離れでも、見上げる月は一緒だね・・・と。
究極の遠距離恋愛ですよね・・・。
いつも、孤島の彼を気遣い、心のこもった手紙を返すジーンにどれだけなぐさめられたことでしょう。
はじめから定められた任期が2年半。
彼はすっかり島の人と打ち解け、この島をこの世の楽園のように思い、任期の延長を申し出るのですが、認められず、島を去る日が訪れます。
まるで、自分の故郷を去るような気がするジョン。
美しい物語でした。
実在のジョン氏は、その後帰国してジーンと結婚し、
また南太平洋の島々で夫婦で布教活動に努めたのだとか。
でも、こんな南太平洋の孤島にまで、布教活動をする、その宗教エネルギーというのが、すごいです・・・。
考えてみたら、時々我が家のベルを鳴らす布教活動も同じことなんで・・・
何もそのような異国の宗教を、こんなアジアの一都市の家まで伝えにこなくても・・・と、思ったりもするのです。
その人が絶対にいいものだと、信じているのはいいのですが、
私はそれを押し付けられるのはイヤ。
それを思うと、手放しによかったよかった・・・とも、言いがたい話でもあるのかと・・・。
2001年/アメリカ/110分
監督:ミッチ・デイヴィス
出演:クリストファー・ゴーラム、アン・ハサウェイ