映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

さらばベルリン

2007年10月14日 | 映画(さ行)

こんちわー。
あれ、これはおちゃらけ映画じゃなかったのでは?
いやいや、みごとに寝ましたからね。
とてもまともには書けません。
エー、解説によればこの映画は、1940年代の「カサブランカ」や「第三の男」のようなフィルム・ノワールを意識的にまねて作られていて、全編モノクロ。
カメラレンズもその頃のものを使用。
オールドスタイルの音楽。
演技も、内面を表現するなんてものじゃなくて、ものすごーくわかりやすいオーバーアクション。
ほうほう。ちょっと興味をそそられる作りではありますね。
そう、この話の舞台というのが1945年、二次大戦、ドイツ降伏後の戦後処理、ポツダム会談の行われるベルリンが舞台。
だから、その頃の時代色と映画手法をマッチングさせて、リアリティを出そうという、まあ、そんな意図だったんだろうと思う・・・。
ふむふむ。
主人公は新聞記者のジェイク(ジョージ・クルーニー)。
彼を案内する運転手役がタリー(トビー・マグワイヤ)。
タリーは一見、明るいまじめそうな米軍の青年なんだけど、実は軍の品物を横流しして儲けているというとんでもないやつ。
その恋人レーナ(ケイト・ブランシェット)は、実は以前のジェイクの恋人って、この設定からして、わざとらしすぎだよねー。
いえ、それは原作もあることだし、映画の責任ではないんじゃないの?
このレーナが謎の焦点でね、多分意志が強く、頭のいい人なんだと思うけど、娼婦みたいになってて・・・まあ、最後のほう寝てたので、結局正体がわかんないまま。
なんじゃそりゃ?
トビー・マグワイヤなんて出てきてまもなく何者かに殺害されてご退場。
まあ、いったい誰が、何のために?というのが謎解きなんだけどね。
スリルもちゃんとあるじゃない。
でも、とにかく、つまんなくて寝ちゃったですよ!
なんだか、その死がちーとっも悲しくないし、胸にも迫らないし、必死になって背景を探す気になんかなりませんよ。
何が謎で、何のためにそれを解き明かさなければならないのか、そういうところにぜんぜん切迫感がないんだもの。
おぼろげながら、わかったのは、レーナの夫というのが、優秀な人材のドイツ人で、この戦後のどさくさにまぎれて、優秀な頭脳を盗み出してしまおうという各国の陰謀が渦巻いていた・・・と、そんなところかな?
なんだかねえ。まあ、途中で寝て、そこまで把握してるのは、ある意味凄い。でも、それ、間違ってるかも知れないのね?
はい、申し訳ないです・・・。
そもそも、なんで今40年代の映画なの?
ノスタルジーといったって、私ですらせいぜい懐かしいのはロバート・レッドフォードの若い頃くらい。
この映画を懐かしく思えるのはせいぜいもう一世代上。
うちの父母くらいの年代だよね。
単なる自己満足で、実験的試みとするなら、完全に失敗だと思う。
やっぱり、映画には何かしら感動がないとね。
なんだか、ジェイクはやたらぼこぼこ殴られてばっかりだったよ・・・。
その割りに元気・・・。
ベルリンは、当時アメリカ・イギリス・フランス・ソビエトの4カ国に分割統治されていたんだね。
ドイツの人は、敗戦に打ちひしがれ、またナチスを台頭させたことを恥じてもいた。
この時点では、まだ、日本だけが抵抗を続けていた・・・と。
凄く、興味のある時代なんだけどねえ。
誰かこの映画を、きちんと現代手法でリメイクしていただきたい。
寝ないで見られるものにしてほしいです!
もう一度、見直そうという気力はゼロですか・・・。


2006年/アメリカ/105分
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、トビー・マグワイヤ、ケイト・ブランシェット

「さらばベルリン」公式サイト