映画と本の『たんぽぽ館』

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パーフェクト・ストレンジャー

2007年10月07日 | 映画(は行)

「ラスト7分11秒まで真犯人は絶対わからない」という触れ込みです。
はい・・・、確かに、だまされないぞ~、と思いながら見てはいましたが、やっぱり騙されてしまいました。

主人公、ハル・ベリー演じるロウィーナは、新聞記者。
腕利きで、自分の才覚だけで、これまで生きてきたと思っている。
ある日、幼なじみのグレースが変死。
彼女は、広告会社社長のハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)とネットで知り合って関係を持ったものの、その後相手にされず、恨み、逆に脅迫するつもりでいたようだ。
そのことを知っていたロウィーナは、ハリソンが怪しいとにらみ、捜査をはじめる。

この映画で中心となるのはコンピューター。
自分を偽り、人とネット上で会話をするなどお手の物。
相手が実は誰かもわからず、会話をするって、実はとても危険なことに思えてきます。
「パーフェクト・ストレンジャー」とは、完全な別人の意。
ネット上の匿名性を利用し、普段とはまったくの別人・・・というよりはその人の本性がむき出しとなる。
ブログもあまり変わりないかもしれません。
気をつけないとね・・・。

片や、ハリソンと偽りの会話を続けながら、逐一その会話を同僚のマイルズにコメントをつけて横流し、なんてこともやってのけるロウィーナ。
スリルのあるシーンです。
これをやるには結構熟練が必要ですよね。
相手を間違えたら一巻の終わりだし。
まあ、私には絶対に無理。

さて、しかし、ハリソンも怪しいけれど、マイルズも、はじめから相当怪しい。
マイルズはロウィーナに気があるのは見え見えなのに、ロウィーナは相手にもしていない。
このオタクっぽい人、大丈夫なのかなあ・・・と、これは、わざとそう思わせるように作ってある。
それから、グレースが以前に付き合っていて、実は現在のロウィーナの恋人、というヤツも怪しい。
いやいや、最も怪しいといえばハリソンの奥さんではないのか?
嫉妬というわかりやすい動機がある。
誰も彼もが疑惑に満ちている・・・、
という状況で、これなら、誰が真犯人としても、特別意外というわけでもないんじゃない?という風に思えてくるのですね。

ところがところが、です。
裁判でハリソンが有罪と決まった後に、真実が現れる。
え~、それは「禁じ手」では?とも思えるのですが、確かに意外。
だからといって、あまりにも唐突というのでもなく、ちゃんと伏線はあったのだ!

強きもの。それは女・・・。

2007年/アメリカ/110分
監督:ジェームズ・フォーリー
出演:ハル・ベリー、ブルース・ウィリス、ジョバンニ・リビシ、ゲイリー・ドゥーダン

「パーフェクト・ストレンジャー」公式サイト