(DVD)
個人的に、なつかしのロバート・レッドフォードシリーズになってますねえ。
この作品も、かつて若かりし頃に見に行ったものの、途中で寝ていて、しっかりストーリーを把握していなかった、というしろもの。
考えてみたら私はまともにロバート・レッドフォード作品を見たことがないのではないかという気がします。
でも、いまだからこそ余計に、まぶしいくらいの彼の魅力がよくわかるのですよねえ。あの頃は、それほどだとは実際、思っていなかった。
改めてみれば、いやはや、軍服姿の彼がまた一段とステキでした・・・。
時代は二次大戦前後。
同じ大学で出会った、ケイティとハベル。
ケイティはあまり裕福ではなく、政治活動に一生懸命。
バイトをし、ビラをくばり、集会の演説をする。
ハベルは、いかにも育ちのよさそうな貴公子といった感じ。
スポーツ万能で、学園のヒーロー。
そしてまた、小説を書く才能にも恵まれている。
ハベルはいつも友人たちにかこまれていて、ケイティは近寄りがたく感じている。
しかし、ケイティーの視線の先にはいつもハベルがいる。
あまりにもあからさまで、見ていて恥ずかしくなってしまうくらいに、ケイティはいつも彼の姿を目で追っているのです。
大学時代はこんな風で、ほんの少し会話を交わした程度で終わってしまうのですが、数年後、二人は再会します。
にぎやかなバーで居眠りをしているハベル。
そっとその前髪をかき上げるケイティ。
このしぐさはこの後も何度か出てきます。
ケイティーのハベルへの温かい思いを表現するシーン。
このときはハベルは軍人であり、ケイティはラジオ局に勤める傍ら、相変わらず政治活動を続けている。
ハベルから見るとこのケイティの目標へ向けたまっしぐらな気持ちとか、強い意思がとても新鮮で好ましく、また、反面危なっかしくも感じ、ささえてあげたい、そんな感覚。
ケイティの想いが報われ、二人は親しくなっていきます。
ところが、ケイティの思想はあまりにも妥協を許さない。
少しでも、場の雰囲気に合わせて自分を抑えるということがない。
いつも人の輪の中心にいるハベルのありようとはあまりにもかけはなれています。
はじめから、無理があって危なっかしいようにみえます。
どうなのかなあ、若い頃、私がきちんと目を開けてこの映画を見ていたら、やはりそのように思ったでしょうか。
ただ二人の恋愛を当然のなりゆきとして美しいものと見たかもしれない・・・。
残念ですね、今となっては確かめようもない。
一度は壊れそうになった二人ですが、逆にそれがきっかけでよりを戻し、結婚にこぎつけた二人。
ハベルは映画の脚本を書くことになり、二人はハリウッドへ。
最高に幸せな二人の時代です。
でもやはり、無理なのでした。
所詮砂上の楼閣。
今度はケイティーもこれ以上は無理と感じ、子供がお腹にいるにもかかわらず別れることになるのです。
そしてまた数年後、二人が始めてあってから20年ほど経っているのではないでしょうか。
街角でまた二人は再会。
お互いに、もう再婚しています。
ケイティはやはり何かの署名活動をしていたところ。
本当に、信念の人ですね・・・。
見つめあう二人。
ただ懐かしく、そしてまた、心の底に愛情はもったまま、また、別れ行く二人。
バーブラ・ストライサンド自身が歌う、あの有名な曲、THE WAY WE WEREがまた余計にムードを盛り上げます。
甘く切なく、余韻の残る作品ですね。往年の名作であることは間違いありません。
ところで、このバーブラ・ストライサンドが、なんだか田中真紀子氏に似ていると思ってしまう私でした。役柄のせいもありましょうか・・・。
1973年/アメリカ/118分
監督:シドニー・ポラック
出演:ロバート・レッドフォード、バーブラ・ストライサンド、ブラッドフォード・ディルマン