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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「笑う招き猫」 山本幸久

2008年06月26日 | 本(その他)

「笑う招き猫」 山本幸久 集英社文庫

先日「はなうた日和」という短編集を読んで、すっかりこの、山本幸久氏が気に入ってしまいました。
本当は、この「笑う招き猫」の方が、小説すばる新人賞を受賞したデビュー作です。
駆け出しの漫才コンビ、『アカコとヒトミ』の物語。
実際、こちらを先に読むべきです。
「はなうた日和」のなかにも、このアカコとヒトミが登場しまして、こちらの話の後日談となっておりますので・・・。

漫才コンビというただでさえ先行きの不安な道、
好きではじめたこととはいえ、ずーっと続けていけるのか・・・、
がんばりながらも、時にはこのような不安とも向かい合う。
夢と笑いとパワーにあふれる青春ストーリーであります。

ヒトミはのっぽでちょっとおっとり。
アカコは、チビでちょっと太めの直情型。
実にいい味のコンビです。
実際にいたらぜひ見たい。
最後の方で、この2人の気持ちが行き違いになってしまいます。
もう、コンビ解消か、と思われるそんな時・・・。
実に泣かせる方法で和解があります。
・・・この本で、こんなに泣けるとは思わなかった。
やられちゃいました。

登場人物一人ひとりが個性的で、ステキです。
たっぷり楽しんで、時々ホロリ。
今後も、長くお付き合いしたい作家です。

満足度★★★★★