九杯目には早すぎる (双葉文庫) 蒼井 上鷹 双葉社 このアイテムの詳細を見る |
あらやだ!
今じっくりこの本の表紙カバーを見て、やっと分かったのですが、
この著者、
「アオイ ウエタカ」と読むのですね。
私はてっきり「アオイウエ タカ」さんだと思っていました。
アオイウエ???
アイウエオではなく???
・・・と勝手に思っていた私。
まあ、このようなことでも分かるとおり、私にははじめての作家です。
「小説推理新人賞」受賞作「キリング・タイム」を含む。
この本は短篇5篇とショートショート4篇が交互に並んでいます。
どれも結構くせのある感じの人物登場。
意外な事件はシニカルな結果を招きます。
この著者はある年会社をやめ、
5年間小説家を目指すため、
多々のミステリのアイデアを書き溜めたといいます。
そんな中から生まれたのが、
ひねりの聞いたプロット、
小市民的でいささか頼りないキャラクター。
「キリング・タイム」では
冒頭から主人公が上司の黒住に階段から突き落とされます。
さっきまで、普通に一緒に飲んでいたのに・・・。
黒住は、最近どうも誰かに付けねらわれているという。
おまけに妻が浮気をしているらしい・・・。
つまり、主人公は妻の浮気相手だと思われたのだろうか。
しかし真実はそうではなくて・・・。
なかなかにひねりの利いた作品でした。
さてと、このように確かに面白くなくはナイのですが・・・。
私は、あまりのめりこめませんでした。
どうも登場する人物たちに魅力を感じられません。
ルックスはともかく、
ニヒルであるとか、ユーモアにあふれているとか
・・・どこかになにかしら魅力があってこそ、
心を添わすことができる気がするんですね。
まあ、あくまでも私の感覚、ということです。
この小市民的なところに共感を覚える・・・
なんていう人も、いるかもしれませんしね。
いかにも、アイデアを書き溜めました・・・という感じはします。
だから、そのネタを使うことに主力が費やされていて、
読み物としての、楽しさに欠けるような・・・。
まあ、単に私に合わない、ということにしておきましょう。
満足度★★☆☆☆