映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「九杯目には早すぎる」 蒼井上鷹

2009年04月04日 | 本(ミステリ)
九杯目には早すぎる (双葉文庫)
蒼井 上鷹
双葉社

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あらやだ!
今じっくりこの本の表紙カバーを見て、やっと分かったのですが、
この著者、

「アオイ ウエタカ」と読むのですね。

私はてっきり「アオイウエ タカ」さんだと思っていました。
アオイウエ??? 
アイウエオではなく??? 
・・・と勝手に思っていた私。

まあ、このようなことでも分かるとおり、私にははじめての作家です。
「小説推理新人賞」受賞作「キリング・タイム」を含む。

この本は短篇5篇とショートショート4篇が交互に並んでいます。
どれも結構くせのある感じの人物登場。
意外な事件はシニカルな結果を招きます。

この著者はある年会社をやめ、
5
年間小説家を目指すため、
多々のミステリのアイデアを書き溜めたといいます。

そんな中から生まれたのが、
ひねりの聞いたプロット、
小市民的でいささか頼りないキャラクター。


「キリング・タイム」では
冒頭から主人公が上司の黒住に階段から突き落とされます。

さっきまで、普通に一緒に飲んでいたのに・・・。

黒住は、最近どうも誰かに付けねらわれているという。

おまけに妻が浮気をしているらしい・・・。
つまり、主人公は妻の浮気相手だと思われたのだろうか。
しかし真実はそうではなくて・・・。

なかなかにひねりの利いた作品でした。


さてと、このように確かに面白くなくはナイのですが・・・。

私は、あまりのめりこめませんでした。

どうも登場する人物たちに魅力を感じられません。

ルックスはともかく、
ニヒルであるとか、ユーモアにあふれているとか
・・・どこかになにかしら魅力があってこそ、
心を添わすことができる気がするんですね。
まあ、あくまでも私の感覚、ということです。
この小市民的なところに共感を覚える・・・
なんていう人も、いるかもしれませんしね。


いかにも、アイデアを書き溜めました・・・という感じはします。
だから、そのネタを使うことに主力が費やされていて、
読み物としての、楽しさに欠けるような・・・。

まあ、単に私に合わない、ということにしておきましょう。

 

満足度★★☆☆☆