「舞姫テレプシコーラ 第2部2」 山岸凉子 メディアファクトリー
長編バレエ漫画。
お待ち兼ねの最新刊が出ていました。
ローザンヌ国際バレエコンクールの続き。
われらが篠原六花(ゆき)ちゃんは頑張っています。
お人よしの六花ちゃんは、
周りの皆が自分のことだけに必死で
とにかくライバルを蹴落としたい、その一心なのに、
彼女は、困っている人の手助けをしてしまったりして、つい出遅れてしまう。
・・・またやっちゃった、と後悔しつつ、
でも、やっぱりこの性分は変えられないというあたり、好感触ですねえ。
人のことに気づく、というのは逆に言えば余裕がある、ということなのかもしれません。
「アラベスク」などと比べると、大変リアルにバレエ界を描いており、
専門用語もいっぱいで、
ともすると読むのがつらくなってきますが、
こういう気持ちの優しい六花ちゃんに、ずいぶん救われます。
この巻で、ひやひやさせられるのは、彼女の体調について。
どうも、風邪をうつされたらしいのですが、
微妙に熱が出たりしながらも、持ちこたえている。
今のところ踊りにも影響なし。
・・・どうなっちゃうのでしょうね、これ。
しかしこれは、六花ちゃんが、体調の心配に気をとられて、
大会そのもののプレッシャーから、多少気をそらされているようにも思うのです。
案外これが、良い方向に作用するのかも、などと思ったりして。
参加者の中では群を抜く、26番ローラ・チャン。
彼女との会話はまだありませんが・・・、
この先、何らかのかかわりは必ず出てきそうな予感。
彼女は果たして、ナニモノ?
というところで、また、長らくの「待ち」です。
満足度★★★★☆