映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ザ・マジックアワー

2009年04月16日 | 映画(ま行)
三谷幸喜ワールド
             
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このストーリーの舞台は港町、守加護(すかご)。
一時代昔の話かな?と思ったら、
ちゃんとケータイなども出てきたので、一応現代劇だったらしい・・・。
備後(妻夫木聡)は、ギャングのボス手塩(西田敏行)の情婦マリ(深津絵里)に手を出したのがばれて、殺される寸前。
しかし、5日以内に幻の殺し屋、デラ富樫を探し出せば許してもらえることに。
ところが、さがす当てもない備後は、
売れない俳優村田(佐藤浩市)をデラ富樫に仕立てることにする。
村田には、これは台本のない映画の撮影だと言い含める。

この、ギャング側から見れば、有能な殺し屋。
村田から見れば映画の撮影。
どちらともとれるセリフやシチュエーションの数々。
このあたりがとても面白い作品となっています。
ことに、ベテラン佐藤浩市が、
あえて、売れない俳優のオーバーアクションの演技を演じるというのも、
ユニークですね。

そしてまた、この映画は過去の名作映画のオマージュになっているとのこと。
いや、多分そうなのだろうとは思ったのですが、
これは結構マニアックなので、私には良く分かりませんでした。・
・・というか、分かる人のほうが少ないでしょう・・・。
とにかく、映画好き、映画へのこだわりを持った方のための作品。
そうでない人にとっては、まあ、そこそこ面白いコメディー作品。
ということで、見る人によって評価には差がでそうです。
・・・私は後者かな?

題名のマジックアワーとは、夕暮れのほんの一瞬、
世界が一番美しくなる瞬間のこと。

映画というのは、そういう一時を私たちに切り取ってみせるもの。
・・・ということなのだと思います。

2008年/日本/136分
監督・脚本:三谷幸喜
出演:妻夫木聡、佐藤浩市、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行


ザ・マジックアワー