18世紀における女性の自己実現の考察
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18世紀後半のイギリス。
やはりこの時代のコスチューム劇と来れば、キーラ・ナイトレイですね。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」の始めのあたりから、
彼女はなんてこういう衣装が似合うのだろう、と感心していました。
さて、ここでのキーラ・ナイトレイは公爵夫人のジョージアナ。
彼女自身も貴族の家柄ではありますが、
断然格違いの、貴族の中でも最も裕福といわれる
デボンシャー公爵のもとに嫁いできた。
何回か顔をあわせただけ、親が決めた結婚でした。
幸せな結婚生活を夢みていたジョージアナでしたが、
それは結婚してすぐに裏切られます。
公爵には少しも彼女に対しての愛情はなく、
ただ、男子の後継者を生むことだけを期待していた。
それは女性に興味が薄いのかと思えば、さにあらず。
浮気は日常茶飯事。
愛人の生んだ子供を引き取って彼女に世話をさせるなどは序の口。
彼女の親友に手を出し、そのまま、妻妾同居になだれ込む・・・。
豪華なお屋敷とは裏腹に、砂漠のような結婚生活。
そんな中、黙して語らず。すべて見ないフリ、聞こえないフリの
たくさんの使用人たち。
実は厨房などで、皆で、公爵批判をしているのじゃないでしょうかねえ。
そんな裏側を想像してみるのも面白いですけどね。
そもそも、この屋敷には、公爵の他の家族が誰もいない。
犬が二匹いるだけで。
彼自身、まったく親には省みられないで成長した、そんな感じがしますね。
人の愛し方を知らない。
もう少し、公爵側の心理を掘り下げてみたら、
また別の物語が生まれるかもしれません。
ともあれ、久し振りに「産む機械」なんていう言葉を思い出しました。
まったく、古今東西長い歴史の中で、
女性はただひたすらに、子どもを産むための道具としてしか、
みなされていませんでした。
しかし、どの時代でも、女性にはちゃんと人格はあったんです!
特に、このジョージアナのように聡明で自立心のある女性なら、
このような状況は耐え難いに違いありません。
それでつい、自分を真に愛してくれている相手に心が動いても、
それを責めることはできないでしょう。
しかし、それにもまして、
女であれば自分の産んだ子どもはやはりかわいく、自分以上に大事なのです。
その子どもを盾に取るやり方にも腹が立ちます。
結局彼女は女としての幸せには目をつぶらざるをえなかった。
逆に言うとそのおかげで、社会的な活動ができた、ともいえるのですが・・・、
その辺はちょっと複雑な思いがしますね。
これは実話なのだそうですが、
このような公爵夫人のスキャンダルだからこそ、
今まで記録として残っていたわけですねえ。
そして、もう一つの注目は、
このジョージアナの実家スペンサー家の末裔の1人が
ダイアナ元王太子妃である、と。
嫁いだ先の夫は、妻を顧みず愛人に夢中。
本人は社交界の華。
周囲から絶大な人気を得ている。
・・・などというあたり、そっくりで、なにやら因縁めいています。
キーラ・ナイトレイはとても良かったのですが、
彼女の愛人にも、もう少し華が欲しかったですね。
・・・ちょっとそこが残念でした・・・。
2008年/イギリス・フランス・イタリア/110分
監督・脚本:ソウル・ディブ
出演:キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、シャーロット・ランプリング、ドミニク・クーパー、
映画キーラ・ナイトレイ最新作『ある公爵夫人の生涯』予告編
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18世紀後半のイギリス。
やはりこの時代のコスチューム劇と来れば、キーラ・ナイトレイですね。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」の始めのあたりから、
彼女はなんてこういう衣装が似合うのだろう、と感心していました。
さて、ここでのキーラ・ナイトレイは公爵夫人のジョージアナ。
彼女自身も貴族の家柄ではありますが、
断然格違いの、貴族の中でも最も裕福といわれる
デボンシャー公爵のもとに嫁いできた。
何回か顔をあわせただけ、親が決めた結婚でした。
幸せな結婚生活を夢みていたジョージアナでしたが、
それは結婚してすぐに裏切られます。
公爵には少しも彼女に対しての愛情はなく、
ただ、男子の後継者を生むことだけを期待していた。
それは女性に興味が薄いのかと思えば、さにあらず。
浮気は日常茶飯事。
愛人の生んだ子供を引き取って彼女に世話をさせるなどは序の口。
彼女の親友に手を出し、そのまま、妻妾同居になだれ込む・・・。
豪華なお屋敷とは裏腹に、砂漠のような結婚生活。
そんな中、黙して語らず。すべて見ないフリ、聞こえないフリの
たくさんの使用人たち。
実は厨房などで、皆で、公爵批判をしているのじゃないでしょうかねえ。
そんな裏側を想像してみるのも面白いですけどね。
そもそも、この屋敷には、公爵の他の家族が誰もいない。
犬が二匹いるだけで。
彼自身、まったく親には省みられないで成長した、そんな感じがしますね。
人の愛し方を知らない。
もう少し、公爵側の心理を掘り下げてみたら、
また別の物語が生まれるかもしれません。
ともあれ、久し振りに「産む機械」なんていう言葉を思い出しました。
まったく、古今東西長い歴史の中で、
女性はただひたすらに、子どもを産むための道具としてしか、
みなされていませんでした。
しかし、どの時代でも、女性にはちゃんと人格はあったんです!
特に、このジョージアナのように聡明で自立心のある女性なら、
このような状況は耐え難いに違いありません。
それでつい、自分を真に愛してくれている相手に心が動いても、
それを責めることはできないでしょう。
しかし、それにもまして、
女であれば自分の産んだ子どもはやはりかわいく、自分以上に大事なのです。
その子どもを盾に取るやり方にも腹が立ちます。
結局彼女は女としての幸せには目をつぶらざるをえなかった。
逆に言うとそのおかげで、社会的な活動ができた、ともいえるのですが・・・、
その辺はちょっと複雑な思いがしますね。
これは実話なのだそうですが、
このような公爵夫人のスキャンダルだからこそ、
今まで記録として残っていたわけですねえ。
そして、もう一つの注目は、
このジョージアナの実家スペンサー家の末裔の1人が
ダイアナ元王太子妃である、と。
嫁いだ先の夫は、妻を顧みず愛人に夢中。
本人は社交界の華。
周囲から絶大な人気を得ている。
・・・などというあたり、そっくりで、なにやら因縁めいています。
キーラ・ナイトレイはとても良かったのですが、
彼女の愛人にも、もう少し華が欲しかったですね。
・・・ちょっとそこが残念でした・・・。
2008年/イギリス・フランス・イタリア/110分
監督・脚本:ソウル・ディブ
出演:キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、シャーロット・ランプリング、ドミニク・クーパー、
映画キーラ・ナイトレイ最新作『ある公爵夫人の生涯』予告編