映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「僕の散財日記」 松任谷正隆 

2009年04月10日 | 本(エッセイ)
僕の散財日記 (文春文庫)
松任谷 正隆
文藝春秋

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いわずと知れた、音楽プロデューサーである松任谷正隆氏の、
買い物に関するエッセイです。
買い物といっても、スーパーで食品を買うのとは違う。
まさに、男のこだわりの品の数々。
ナイキのシューズ、
ホンダのモンキー、
エルメスのハンドタオル、
ガーデニングチェアetc…。
う~ん、正直いって、私にはかなり縁の遠いものばかりです。
だから、この本に書かれている○○というメーカーの××という商品
・・・というのがほとんどイメージがわかない。
にも関わらず、結構面白かったんですよね。

というのも、何というか、
このモノを選ぶための基本的スタンスが、きっちり自分流。
このこだわりを大事にすることって、いいなあ、と思うのです。
ダンディです。
例えば洋服などは、女物なら相当のバリエーションがあります。
色、素材、デザイン。
スカートあり、パンツあり。
ミニあり、ロングあり。
でも、男物はかなり限られてくる。
その狭い範囲では、ディティールにこだわるしかなくなるわけですが、
そこにこだわり抜くのは、本当におしゃれなんですよね~。

服を試着して、「これこそ、自分のために作られた服だ・・・」
なんて、思ってしまうあたり、
クスリと笑ってしまうところでもありますが、
そこまでこだわって、本当に好きな服とめぐり合ってみたいものだ・・・と、
思わせられます。

けれど、この本が「散財日記」とあるように、
なかなかそのような出会いはめったにあるものではなく、
数々の失敗を積み重ねてここまで来ている・・・ということのようです。
確かに私も、気に入って買ったはずなのに、
結局たんすの肥やしになっているものって、結構あります。

しかし、更に言わせてもらえば、氏の買い物は結構贅沢です。
大富豪とは言いませんが、
一般庶民の感覚よりはリッチなことは確か。
この、不景気なご時勢に、
このような散財を皆さんがしてくれれば
ちょっとは景気回復につながるかもしれません。
いや、それにはまず先立つものが必要なんですが・・・。
この本の解説で小山薫堂氏が言っています。
正隆さんが定額給付金を受け取ったら、
12000円でどんな買い物をするのだろう?と。
12000円ではねえ・・・。
と思いつつ、でもまあ、みなさんも大いに散財することにしましょう。
でも、品物選びはこだわりを持って!!

満足度★★★★☆