世界を支配する多国籍企業
* * * * * * * *
この映画のクライヴ・オーウェンは終始、苦みばしっています。
渋いです。
彼、サリンジャーはインターポールの捜査官。
国際メガバンク、IBBC銀行の捜査に当たっています。
何でも、銀行が国際間の武器取引に関与しているという・・・。
しかし、捜査するうちに、つぎつぎと消されてゆく同僚や重要証人。
次第に、この世界を動かしているのは国家や宗教でなく
この多国籍企業である銀行であることが浮かび上がってきます。
諜報機関や、麻薬ディーラー、マフィア、第三世界諸国の独裁者
・・・そのようなところまで彼らは資金に任せて、
思うがままに世界を操っている。
まさに、これはフィクションでありながら、
限りなく真相に近づいているような気がして、怖いですね。
この監督は、トム・ティクヴァ。
「ラン・ローラ・ラン」とか、「パフューム/ある人殺しの物語」、
独特な物語を紡ぐ監督さん。
この作品は、社会派ドラマ、というよりは
サスペンス・アクションと思ったほうがいいのかもしれません。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館での銃撃シーンはすごかったです。
日中、一般客をも巻き込んでの激しい銃撃戦。
美しい螺旋状の廊下に、びしびしと銃弾により穴が開いてゆく。
砕け落ちるガラススクリーン。
どくどくと血が流れ出る銃創・・・。
圧巻でした。
実際、こんなことがあったら、大問題ですが・・・。
結局サリンジャーは、この問題は正当な方法では解決できないと悟り、
真実を暴くために、法の枠を超える決断をするのです。
お金のためではない。
「正義」のために。
私は、アメリカの言う「正義」には胡散臭いものを感じてしまいます。
彼らが「正義」をかざす時にはたっぷり、眉につばを付けなければ・・・。
でもまあ、ここでのサリンジャーは本気みたいです。
ベルリン、ミラノ、リヨン、ニューヨーク、そしてイスタンブール。
まさにグローバルな問題にふさわしい舞台で繰り広げられる
サスペンスアクションを、お楽しみあれ。
2008年/アメリカ/117分
監督:トム・ティクヴァ
出演:クライヴ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー=スタール、ブライアン・F・オバーン
4/4公開『ザ・バンク 堕ちた巨像』予告編
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この映画のクライヴ・オーウェンは終始、苦みばしっています。
渋いです。
彼、サリンジャーはインターポールの捜査官。
国際メガバンク、IBBC銀行の捜査に当たっています。
何でも、銀行が国際間の武器取引に関与しているという・・・。
しかし、捜査するうちに、つぎつぎと消されてゆく同僚や重要証人。
次第に、この世界を動かしているのは国家や宗教でなく
この多国籍企業である銀行であることが浮かび上がってきます。
諜報機関や、麻薬ディーラー、マフィア、第三世界諸国の独裁者
・・・そのようなところまで彼らは資金に任せて、
思うがままに世界を操っている。
まさに、これはフィクションでありながら、
限りなく真相に近づいているような気がして、怖いですね。
この監督は、トム・ティクヴァ。
「ラン・ローラ・ラン」とか、「パフューム/ある人殺しの物語」、
独特な物語を紡ぐ監督さん。
この作品は、社会派ドラマ、というよりは
サスペンス・アクションと思ったほうがいいのかもしれません。
ニューヨークのグッゲンハイム美術館での銃撃シーンはすごかったです。
日中、一般客をも巻き込んでの激しい銃撃戦。
美しい螺旋状の廊下に、びしびしと銃弾により穴が開いてゆく。
砕け落ちるガラススクリーン。
どくどくと血が流れ出る銃創・・・。
圧巻でした。
実際、こんなことがあったら、大問題ですが・・・。
結局サリンジャーは、この問題は正当な方法では解決できないと悟り、
真実を暴くために、法の枠を超える決断をするのです。
お金のためではない。
「正義」のために。
私は、アメリカの言う「正義」には胡散臭いものを感じてしまいます。
彼らが「正義」をかざす時にはたっぷり、眉につばを付けなければ・・・。
でもまあ、ここでのサリンジャーは本気みたいです。
ベルリン、ミラノ、リヨン、ニューヨーク、そしてイスタンブール。
まさにグローバルな問題にふさわしい舞台で繰り広げられる
サスペンスアクションを、お楽しみあれ。
2008年/アメリカ/117分
監督:トム・ティクヴァ
出演:クライヴ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー=スタール、ブライアン・F・オバーン
4/4公開『ザ・バンク 堕ちた巨像』予告編