映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

レオナール・フジタ展

2008年08月15日 | 美術展

さてと、たっぷり、フジタを予習したところで絵の鑑賞と行きましょうか。
札幌の道立近代美術館です。
この、フジタの写真、知らない人が見たらコメディアンかと思っちゃいますね。
その特異な風貌でも、パリで目立っていたのでしょうね。
本人の話によると、貧乏時時代、床屋にいけなくて、自分で髪を切ったらこうなった、ということですよ・・・。
へー。じゃ、エーと、質問です!
藤田嗣治とか、レオナルド・フジタとか、いろいろ呼び方があるみたいなんだけど、なぜ?
つまりですね、藤田嗣治は本名、というか、日本名ですね。
レオナルドは、英語読み。
レオナールがフランス読み、ということなんじゃないかな???
藤田は1959年にカトリックの洗礼を受けて、このときにレオナール・フジタと改名しております。
なるほど、フランス人なんだからフランス読みすべきなんでしょうね、やはり。

彼の作品はしばし、「すばらしき乳白色」と絶賛されるということですが・・・。
はい、裸婦像のその肌の色合いなんですね。
このたび間近で見たのでよくわかるけれど、油彩なんだけど、すごく薄いですね。
よくごってりと絵の具が盛り上がった絵があるけど、それとはぜんぜんちがう。
なんだかやわらかくて、触ってみたいような感じのする、肌だなあ・・・。
その色を出す技法は、フジタは誰にも教えなかったので、未だにわからないそうですよ。・・・科学的には分析されているようですが。
私は、足元に猫がいて、のけぞる感じで仰向けに寝ている裸婦像が好きだなあ・・・。金色の髪がベッドの下のほうに波打って流れている。このリラックスした感じ。
「構図」と「闘争」の大作も迫力がありましたね。
そのための下絵の一つ一つも、すごいと思いました。
こういうのも、男性モデルを使うんだよね・・・。
そ、そうだと思うけど・・・。
マッチョな人をさがすんだろうなあと思って。ヌードだし、女性モデルよりさがすの大変そう・・・。
なに考えてんだか・・・。それはともかく、このマッチョな男性の筋肉の描き方は、やはり日本画を思わせる部分がありますね。
そうそう、中に仁王様を思わせるものもあった。
それから、カトリック洗礼後の宗教画も、すごくいいですね。
三人の女性を描いた「花の洗礼」はすごくいい。
女性好みではありますがね。
この、優しい淡い色使いはやはり日本人のセンスだなあ・・・。
これは思わず、絵葉書を買っちゃいました!
最晩年には、自ら教会を設計して建てて、壁画やステンドグラスも作っちゃった。
壁画を完済させて、まもなく亡くなったということですよ。
レオナルド・ダ・ヴィンチを意識したと思われる「最後の晩餐」の場面もありますね。
それで、画家生命を燃やし尽くしたんですねえ・・・。
ぜひ行って実際にみたい気がします。
現地で見るそれはまた特別な感慨がありそうな気がする・・・。

彼の作品には猫もたくさん出てきますね。
そうなんです。猫好きにはたまりません。
私は「猫(闘争)」というのが好きです。
たくさんの猫が飛んだりはねたり、すごい躍動感で、ただかわいいだけじゃない、猫の野生が良く表わされている。
フジタの猫の絵ばかりを集めた画文集も出ていて、実は私はそれを持っている。えっへん。

エーと、それで、結構マジに解説を読んで回ったんだけど、予習したような、戦争画についてはふれていなかったなあ・・・。
うん、まあ、絵の評価とは直線関係ない話ではあるけどね・・・。
実際、そういう絵は残っていないの?
終戦後GHQが押収してアメリカにもっていかれちゃって、
でも、今は「無期限貸与」という形で東京国立近代美術館にあるそうだよ。
でも、一般公開はされていないらしい。
どうも当時のことは、みんなほじくりたくないらしくて、ひっそり隠してあるという感じだなあ。みなさん、たたけばホコリの出る体・・・。
う~ん、でもフジタの戦争画なんて、見たいような見たくもないような・・・って、複雑なところだね。
とりあえずは、このような大きな展覧会が開かれることになって、フジタの知名度も少しは上るでしょう。
戦争画のうんぬんかんぬんも、もうこだわる人もいなくなってるということだね。
というか、今の日本の美術界は、あえてそれには触れず、純粋に絵を楽しんでもらうことにした、ということなんでしょう。それは正しい選択ではあるよ。
もし、さらに興味があれば、彼の生涯についても調べてみてね・・・というくらいのところかな。

全く余談ですが、美術館は冷房効きすぎなんで、上着をお忘れなく!!


藤田嗣治「異邦人の生涯」 近藤史人

2008年08月14日 | 本(解説)

藤田嗣治「異邦人の生涯」  近藤史人  講談社文庫

今、札幌の道立近代美術館で、レオナール・フジタ展を開催しています。
実はすでに、見てきて、そのあとにこの本を読んだのですが、
記事は先にこちらをUPすることにします。
彼の人生の話なしには、フジタを語ることはできないので・・・。

手っ取り早く、本の裏表紙の言葉を引用します。

「ピカソ、モディリアニ、マチス・・・世界中の画家が集まる1920年代のパリ。
その中心には日本人・藤田嗣治の姿があった。
作品は喝采を浴び、時代の寵児となるフジタ。
だが、日本での評価は異なっていた。
世界と日本の間で、歴史の荒波の中で苦悩する巨匠の真実。」

・・・ということで、この本自体、第34回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。

1920年代パリというと、第1次世界大戦が終り、
1929年の世界恐慌まで、狂乱の時代といわれ、文化の爛熟と頽廃に包まれた時期なんですね。
同時代にパリで活躍した画家を総称してエコール・ド・パリといいますが、
モディリアニ、ピカソ・・・、もちろん誰でも名前は知っていますね。
同様に、パリで時代の寵児となってもてはやされていたフジタの名前は、しかし日本人にはあまり知られていない・・・。
どうも、当時日本の画壇にねたまれ、徹底して無視されたようなのです。
日本ではヨーロッパ帰りの画家が、ヨーロッパの油彩を模倣した絵を描いており、
それ以外は認められない風潮があった。
フジタの絵というのは日本画と西洋の油彩を融合させた、
まさに、フジタ独特、彼だけの技法による絵画なのです。
日本画でもない、油彩でもない、
しかも、パリで奇妙な髪型で人気を得ているお調子者・・・、
そんな風に受け取られていたようです。

さてしかし、世界恐慌ですっかり景気が悪くなったパリでは、絵もそう簡単には売れなくなってしまった。
そこで、フジタは日本に帰国。それが1932年。
1939年にもう一度パリにわたるのですが、
1940年にドイツ軍の侵攻、パリ陥落寸前にまた帰国。
・・・まさに、歴史の渦中で生きていますね。

帰国した日本は戦争一色。
そこで彼は、戦争画を手がけるのです。
つまり、戦意高揚を目的とした絵なんですね。
それを描いたのは何もフジタだけではありません。
多くの画家が、当時の時代の流れに呑まれるままに、そのような絵を描いたのです。
そうすると、なんと、今まで冷淡だった日本画壇が手のひらを返すように、彼を賞賛し始めた。
皮肉なことに、彼が日本に受け入れられたのはこの一時期だけであったのです。
この本に、ほんの一部フジタの戦争画が紹介されていますが、戦意高揚というよりは、むしろ、戦争の悲惨さを訴えているようにも思えるのですが・・・。

さて、終戦。
日本は、一斉に戦争責任の押し付け合いを始めました。
その矛先は、戦争画を描いた画壇にも向き、
フジタがその筆頭となって、世間からの非難を浴びることになってしまったのです。
そのような集中非難に疲れ果て、1949年、日本を出てアメリカへ。
1950年にはやはりまたパリに向かい、1955年、フランス国籍取得。
彼は日本を捨てたのです。・・・いえ、心情としては「日本に捨てられた」、だったのでしょうか・・・。
婦人を伴っていたことがまだ救いですが、その後彼は日本の土を踏んでいない。

晩年はパリ郊外のヴィリエ・ル・パルクという小さな村にアトリエを建てて住み、
1963年81歳で生涯を閉じました。
今年は没後40周年に当たります。
異郷の地で彼は日本に向けてどんな感慨をもったのだろうか・・・と思うと、
なにやら切なさがこみ上げます。

絵の評価と画家の生涯は別物かも知れませんが、
それでも、このようなことを知らずにフジタを語ってはいけない、と思えるのです。
そして日本人なら、フジタを誇りを持って「日本を代表する画家です」と、言いたい・・・。
特に、今までフジタを知らなかった人には、ぜひ美術館にも足を運んでもらいたいと思います。

満足度★★★★

「レオナール・フジタ展」についてはまた明日・・・!


パーフェクトワールド

2008年08月13日 | クリント・イーストウッド
(DVD)
ケヴィン・コスナーとクリント・イーストウッド共演という、実に豪華な作品。
ケヴィン・コスナー演じるブッチ・ヘインズは、脱獄囚なんです。
逃走中、民家に押し入って、8歳の少年フィリップを人質としてさらに逃走。
この脱獄犯と人質の少年に芽生える奇妙な友情を描いていきます。
この脱獄囚を追うのが警察署長のレッド・ガーネット。
実は彼は、ブッチがまだ10代の頃、彼を少年刑務所に送ったことがあるのですが、
それを契機に、彼は犯罪の常習犯となっていく。
彼の父親というのがまた、どうしようもないチンピラで、
その父親と暮らすくらいなら、少年刑務所の方がマシだろうという判断であったのですが・・・。
そのことが気になっていて、責任感から、是が非でもブッチを捕らえようとするレッド。

ブッチは自分の不幸な少年時代と、宗教上から楽しみのないフィリップの身の上を重ね合わせるのですね。
もともと根は悪い奴には見えない・・・。
でも実際は人の命を奪うことにさしたる抵抗感も持たない、殺人犯のわけです。
・・・ですが、ケヴィン・コスナーは、見るからに、根が善人と見えすぎちゃって、
この映画の場合どうなのかなあ・・・と、ちょっと思いました。
もっと、見るからに悪人面のほうが良かったのではないでしょうか。

クリント・イーストウッドは、まあ、自ら監督を務めているわけですから、
おいしい役を自分で取っちゃいましたね。
同行する犯罪心理学者の女性、初めはお互い不信感いっぱいだったのが、次第に信頼し合っていく様など、いい感じです。

ハロウィンの日の翌日、という設定が利いていまして、
フィリップの家は「エホバの証人」を信仰する母親の方針で、
ハロウィンの仮装も、クリスマスも、何もなく、お祭りの綿菓子も食べたことがないという。
けれど、フィリップはそれにあこがれていて、
あるお店で、お化けのお面と衣装を盗んでしまう。
終始少年が身に付けることになるそのお面が、ここでは大変印象深いアイテム。
少年は、きちんとブッチの善の部分、悪の部分を見分けていたと思います。
そして、少年が悪の部分を滅ぼし、善の部分を生かすという役割を持つのですね。
ところどころにある、ちょっぴり苦いユーモアも利いていて、
なかなか見ごたえのある作品です。

1993年/アメリカ/138分
監督:クリント・イーストウッド
出演:ケヴィン・コスナー、クリント・イーストウド、ローラ・ダーン、T・J・ローサー

「グイン・サーガ122/豹頭王の苦悩」 栗本 薫 

2008年08月12日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ122/豹頭王の苦悩」 栗本 薫 ハヤカワ文庫

こんにちはー、お邪魔します。さて、いきなりですが、めでたい!
な、なんですか、いきなり。
2009年春、「グイン・サーガ」テレビアニメーション化決定とのことです!
へー・・・。なんだかいまさらという気もしますけどねえ。
そうだよね、もっと早くからあっても良かったかも。
第一この長い話、どこまでやるんだろうねえ・・・、キャラクターデザインは誰?
あー、希望としては天野喜孝だけど。
なかなか、そうはいかないでしょうね・・・。
考えてみたら、タイガーマスクだよ、グインって。
いや、豹だからタイガーじゃないけど・・・。
似たようなもんです。・・・というより、一番初めにグインを読んだ時から、誰しも、そう思ったと思うけど。
まあ、そうだね。グインになじみすぎて忘れてたな。
グインはともかく、イシュトやナリス様がどんな感じで出てくるのかは、と~っても、興味ありますね!

さて、今回はどうですか?
はい、また陰気な巻ではあるのですが、結構読み応えはあった気がします。
ついにシルヴィアが出産しちゃうんですね。どこの誰とも知れない相手の子を・・・。
そこで、また、ハゾスの苦悩・・・。
今回、なんだか、ハゾスがヴァレリウスに似てきたような・・・。
そう、こんなことは性に合わない・・・とかぶつぶつ言いながら、陰謀を画策してるあたり。
ナンバー2はつらいのですよ・・・。
・・・でね、この今回の表紙は誰?
そりゃ、内容から図るに、シルヴィア以外ないでしょう。
え~!?だって、すごくキレイだよ・・・???
まあ、多分に美化してるよね。実際こんなシーンがあるわけでもないし。
イメージ画像って、わけか・・・。
わがままでしょうがない女・・・と前回も思ったのだけれど・・・
今号を読んでみれば、彼女も、なかなか不幸な子なんですよね。
ちょっと、しんみりしてしまった。
ハゾスはグインのことを女性の扱いをわかっていないとみるけれど、こういう優しさやはり、さすががグインなんですよ。
彼女をほったらかしにした自分の責任だ・・・と、あくまでも彼女を責めない、グイン。
しかし、想像妊娠にしてしまうなんて、強引な手だけどねえ。
この子が、再びストーリーに登場することはあるのでしょうか。
何かの因縁で、また出てくるような気がしますねえ。
そのために、両目の色がちがうなんて、忘れられない目印(?)がついてる・・・。
そういえば、シルヴィアが見たという夢って、ちょっと怪しくないですか?
というと?
あれだけ、シルヴィアを慄かせる夢ってね、なんだか魔道の気配を感じない?
ははあ・・・、例のあの人の魔道のなせる技?
どうなんでしょう?
・・・で、唐突にも、この巻以降、グインとシルヴィアは会うことがない・・・と。
ひえ~、そこまで思い切れるものなのか。
というか、シルヴィアが気の毒に思えちゃうくらいなんだけど。
・・・けど、それでようやく、外伝にあるグインの愛人の話も納得できるわけね。
そうなんだねえ・・・。
ああ、それから、今回のパリスの伏線はものすごーい以前に張られていたということだよね。
そうなんです。やっぱり行き当たりばったりの話ではない、と。まあ、あたりまえだけどね。おそるべし、栗本薫!

満足度★★★★


「名短篇、ここにあり」 北村薫・宮部みゆき編

2008年08月11日 | 本(その他)

「名短篇、ここにあり」 北村薫・宮部みゆき編 ちくま文庫

北村薫・宮部みゆき選りすぐりの短編集。
半村良、小松左京、山口瞳、松本清張など、豪華キャスト。
しかし、私はアンソロジーは実はちょっと苦手。
一人の作家の短編集なら良いのですが、全く別々の作家の短編集となると、
それぞれ文体も異なるので、一つ一つの物語世界に入り込むまでにちょっとエネルギーがいる感じです。

トップは、半村良「となりの宇宙人」。
SF・・・というよりは、これは落語だと思いました。
まあ、面白いのですが、どうもこれは・・・
ちょっと、おじさん向きかなあ・・・、と、その先いくつか読むうちにだんだん気が重くなってきたのです。
しかし、またさらに読み進むうちに、結構はまってきました。

うわ、と、息を呑む感じなのは、吉村昭「少女架刑」。
これは死んだ少女が語り手なのです。
もちろん死んでいるなら、語ることはできません。
幽霊ではないのですが、もしあるとすれば彼女の魂が語っている。
それも、その自分自身の亡き骸の行方を・・・。
大学病院へ運ばれ、衣服をはがされ、体をえぐられ、切り刻まれ、ホルマリンにつけられて・・・。
これってつまり、見ようによってはひどく、エロ・グロなのですが、
不思議な静謐さ、尊さに包まれている・・・。
だから、「架刑」なんですね。
こんな話は初めてですし、誰にでも書けるもんじゃない。
作家の力量というものに感じ入ってしまいました。
ほとんどミステリ寄りの私の読書も少し考えたほうがいいかも、なんて気さえしてしまいました・・・。

このほか、さすが大御所、松本清張の「誤訳」もいいですし、
井上靖「考える人」、これもまた、圧倒されてしまうすごい話です。
この本の続編もすでに出ているので、やはり読んでみようと思います!

満足度★★★★


「僕の妻はエイリアン」 泉 流星 新潮文庫

2008年08月10日 | 本(その他)

「僕の妻はエイリアン」 泉 流星 新潮文庫

「高機能自閉症」の妻との結婚生活を綴ったノンフィクション。

「妻」とはしばしば会話がかみ合わなく、よく喧嘩になる。
「個性的」を通り越し、周囲の目を忘れたかのような独特の行動。
まるで地球人に化けた異星人のよう。
やがて、「妻」はアスペルガー症候群であることが判明。
疑問は氷解したものの・・・。

アスペルガー症候群とは。
知的障害がなく、言葉も良く使えるけれど、自閉症独特の特徴を持っている人。

その自閉症独特の特徴とは・・・
★社会性の問題
 (社会の中でうまくやっていくことが困難)
★コミュニケーションの問題
 (人と心を通わせ、スムーズに意思疎通をすることが困難)
★こだわりや、常同行動
 (特定の物事に強い執着を示し、常に一定の行動パターンを守った生活を好む)

これは生まれつきの脳の仕組み、働きで生じること。
彼女は知能はむしろ通常より高いくらいですが、
子供の頃から、変わった子・わがままな子と言われ、いじめられたこともあったとか。
そもそも、当時このような「高機能自閉症」等という言葉もなかったわけです。
それが結婚生活もあまりにもうまくいかず、アルコール依存症にまでなったりする。
彼女は自分自身、この違和感の正体を突きとめるべく、
さまざまな本や資料を読みあさり、高機能自閉症という症状に自分がぴったり重なることを発見する。
専門科医に詳しく検査してもらって、ようやくそのことが確認できた。
・・だからといって治療法があるわけではありません。
けれど、どうしても人とうまく付き合えないのは、
自分がわがままだとか、ダメな人だからではなくて、
脳の仕組みが一般の人とは違うからなんだと、
そう思うことでずいぶん楽になったそうです。

さて、この本は、自閉症の妻を持った夫が書いたという想定になっているのですが、
実は、妻本人が夫の視点で書いたというややこしい話。
それが、最後の方の後書きで判明して、私は驚いてしまいました。
だって、人の気持ちを推し量ることができないのが、自閉症の特徴でもあるわけなんですよ。
それが見事に、夫の立場に成りすましていて、私はぜんぜん気付かなかった。
これは彼女のとてつもない努力の成果のようなのです。
エイリアンが地球人のなかで摩擦を起さないで生活するために、
必死で彼女は学習し、努めている。
文章自体はユーモアにも満ちていて、すごく読みやすいですし。
こういう形の障害もあるということを、多くの人が知っておいた方がいいと思いました。
こういうことを知っていれば私たちも、もっとうまく彼ら、彼女らと付き合えそうな気がします。

アスペルガー症候群を扱った映画で「モーツァルトとクジラ」というのがありまして、
この本を読んでからなら、よりいっそう理解が進むと思います。
アスペルガー症候群の青年のちょっぴりせつないラブストーリー。
お勧めですよ。

満足度★★★★★


ショコラ

2008年08月09日 | 映画(さ行)

(DVD)
ショコラはもともと大好きな作品。
フランスの片田舎の村に、北風と共に、風変わりな母子がやってきた。
母、ヴィアンヌは、そこにチョコレートの店を開きます。
冒頭、その村の情景は、かわいらしい家が寄り添う、おとぎ話のよう。
まさに、このストーリーは一つの寓話というか、ファンタジーなんですね。

その村は、村の戒律を厳格に守ろうとするレノ伯爵という人物が村長で、
村は彼がほとんどを取り仕切っている。
彼は、結婚もせず私生児を連れているよそ者が、気に入らない。
一方、ヴィアンヌは、人々の悩みや苦しみを見抜く洞察力をもっていて、
彼女のそっと差し出すチョコには、苦しみを癒す力があるらしい・・・。
初めは怪しみ、近寄りたがらなかった村人が
少しずつ、彼女と彼女のチョコレートに魅了されていく。

村の因習、つまり古い概念を象徴するのが、この、村長レノなんですね。
ヴィアンヌは、そこに、新しい風を吹き込み、古い概念を打ち破っていく。
さて、そこに登場するのが、また更に流れ者のジプシー、ルー。
ジョニー・デップファン必見のこの役。
ここでは奇人変人でない彼。
しかし、ご他聞にもれず、どこかアウトローな彼。
そしてセクシー。よいですよ~。
ルーと親しくなることで、また村人に疎まれてしまうヴィアンヌ。
ついには、いつも彼女の力になってくれた老女アルマンドの死、
そして、ルーの船の火災という事件が発生。

これまでは、ヴィアンヌは、常に村人に勇気と安らぎを与えるたくましい女性のイメージを通していたのですが、
ここでとうとう、彼女自身の弱さをさらけ出すことになるのです。
これまでも行く先の村で溶け込めず、転々と渡り歩いてきた。
それを彼女は「自由」と強がっていたのだけれど、実は「逃げ」であったわけです。娘、アヌークも実は流れ歩くことを嫌がっており、
そのことにも彼女は傷ついている・・・。

しかし、そのような彼女を支えるのは、彼女が勇気づけた村の人たち。
このあたりにやはり、ラッセ・ハルストレム監督のいつもの「家・家族」のテーマが垣間見えます。
理解しあえる人たちが集まればそれが家族、そこが安らぎの家。

この作品中には、多くの人たちが自己の再生を成し遂げます。
自己のプライドを守り通すことで実は自分自身を苦しめていたレノ伯爵。
夫の暴力に、ただ耐えることしかできず、精神を壊しかけていたジョセフィーヌ。
伯爵の言いなりで、いつもびくびくしていた牧師の青年。
孫ともろくに会わせてもらえないと嘆く、孤独な老女アルマンド。
厳しい母親に反発して、ダークな性格になりかけていた少年。
そして、脚の悪いカンガルーと一人遊びする娘アヌーク。

何かも、うまく行き過ぎるのは、これがファンタジーだからです。
ファンタジーはやはり、めでたし、めでたしで締めくくらなくてはね。

2000年/アメリカ/121分
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、ジュディ・デンチ、レナ・オリン


「ベルばらKids3」 池田理代子

2008年08月08日 | コミックス

「ベルばらKids3」 池田理代子 朝日新聞出版

早くも第3弾となりました。
3頭身のオスカルとアンドレ。
相変わらず、水増し装丁ですけれど、それはもうあきらめました・・・。
今回は、オスカルとアンドレの絡み合う、クライマックスシーンのパロディなどもありまして、結構楽しんでしまいました。
リアル連載時と、その後単行本化されてからも、ずいぶんしつこく読み込みましたので、
たいていのシーンは、ああ、あれね・・・と、思い出せちゃうのです。
夢みる女子高生でありましたんですよ、これでも・・・。
まあ、今、同じシーンを見ても、結構胸がときめいたりもするのですが。

このコミックは、次第に、時代も場所も限定無し、何でもありになって来ています。
国王様は、日本の大相撲の大ファンだし、
オスカルとアンドレは地下にもぐる、などと言って、デパ地下に現れたりする。

悲劇に終わる物語をここら辺で憂さ晴らし、ですね。
まあ、今後も長く続いてくれるとありがたいです。

満足度★★★★


旅するジーンズと19歳の旅立ち

2008年08月07日 | 映画(た行)

「旅するジーンズと16歳の夏」の続編です。
続編というのは、成功例もありますが、失敗例もたくさんありますね。
見なければ良かった、なんてことにならなければいいなあ、と思ったのですが、これは成功例の方だと思います。
続編といっても、これは2本で一つの大きなストーリーといっていい。
前作があって初めて成り立つ続編なので、この映画については、いきなりこちらを見ないで、きちんと順番に見ることをお勧めします。

さて、あれから3年が過ぎ、4人はそれぞれ別々の大学に進んでいます。
夏休み、故郷の町で再会を喜ぶ彼女たちですが、
やはりみなそれぞれの予定があって、再び、ジーンズを順番に送りながら連絡をとることを約束します。
さすがに、みなちょっとずつ垢抜けして、大人っぽくなっています。
皆がそれぞれの道を踏み出しているのに、カルメンは自分だけが、やりたいことも見つからず、取り残されたような気がして、寂しく感じている・・・。

★ティビー
あの時知り合ったブライアンとは恋人同士。
映画の脚本を書きつつ、ビデオ店でバイト。
しかし、もしかすると妊娠??!!の危機。
愛とは、命とは・・・戸惑い、落ち込んでしまう彼女。

★リーナ
なんと、あの彼、コスタスが別の娘と結婚!? 
失意のリーナは黙々と絵の勉強に励むことに。
そこに現れたヌードモデルのバイトも務めるナイスバディーの青年・・・。
前回登場しなかった、彼女の妹が登場します。
・・・美人姉妹。うらやましい・・・。

★ブリジット
トルコの遺跡発掘ツアーに参加。
遺跡から発掘された遺骸、初めはただの古いホネと思ったけれど、
次第に、それもかつて生きていた「人間」であることに気付き、彼女はまた、母の死と向きあうことになる。
ずっと会っていなかった祖母を訪ねます。
・・・今回彼女だけが男っ気なし。

★カルメン
学校の友人に誘われて、演劇のセミナーに参加。
容姿に自信のない彼女は裏方として参加したのですが、
ふとしたことから、主役に抜擢されてしまった。
一方母は、新しい夫との間の子供がまもなく生まれるところ。
また家族から取り残され、行き場がなくなるような気がして不安定な彼女。

特別意識的に泣かせようとして、作ってある映画ではないと思うのです。
たとえば、「奇跡のシンフォニー」みたいに。
でも、どうして、こんなにもナーバスになって、些細なシーでもほろほろと泣けてしまうのだろうかと、自分でも不思議。
思うに、この4人の妥協がなくて物事に真摯に当たる姿勢や、けなげさに打たれるのだと思います。
4人の誰の問題にも共感できて、応援したくなってしまう。
今回それぞれが突き当たる問題は、前作と根を同じにするもので、決して別物ではないんですね。
だから、余計思い入れが深くなってしまって・・・。

最後には、4人全員であの懐かしいギリシャのサントリーニ島へ向かいます。
やっぱりこの映画で、この島はまた格別なんですよ!
・・・いいなあ、ギリシャの夏!

2008年/アメリカ/119分
監督:サナー・ハムリ
出演:アンバー・タンブリン、アメリカ・フェレーラ、ブレイク・ライブリー、アレクシス・ブレーデル

「旅するジーンズと19歳の旅立ち」公式サイト


「ヒメママ 2」 玖保キリコ 

2008年08月06日 | コミックス

「ヒメママ 2」 玖保キリコ マガジンハウス

相変わらずわがままいっぱいのリサさんです。
しかし、これだけ自己主張が強く生きていけるのはうらやましいし、どこか憎めないのもまたよいですね。

この本では、妹ルリの嫁ぎ先、フランスの富豪の邸宅にしばらく滞在します。
このルリさんも、なかなか人格ができていて、
多分、子供時代はいつも姉に虐げられていたと想像されるのですが、なかなかの姉思い。
彼女の性格を知りながらも、このまま、パリで一緒に過ごして欲しいなどと思うとは、全く人物ができている!
リサの長男のお嫁さんであるハナさんも、実に根気良くお義母さんと付き合っているし、
リサさんの周りには不思議と人格者が集まってくる。
・・・というよりは、できた人物しか残らない?

ルリの家には運転手さんやメイドさんなど、使用人が大勢いるのですが、
リサは名前が覚えきれないので、女はマリー、男はジャンと呼ぶことにすると宣言。
こんなところでも、わがままいっぱいなのですが、
彼女が帰国する時には、一人ひとり名前を言ってみせる。
そうすると、それだけでもう、みんな大感激。
・・・お得な性格です。
これって、生まれながらのお姫様って感じですね。まさに。

さて、気になるのは、リサさんの夫ってどんな人だったのだろうということで・・・。
本の中にはぜんぜん出てこないのですが、
さぞかし、包容力がある、心の広い人・・・? 
あ~、巻頭のリサのプロフィールにありました。
離婚暦1回。
・・・やっぱり、普通の人だったみたいですね・・・。

満足度★★★★


旅するジーンズと16歳の夏

2008年08月06日 | 映画(た行)

(DVD)
この作品を見たのはそう昔ではないのですが、大好きでした。
それが、まもなく「旅するジーンズと19歳の旅立ち」という続編が公開になるのです。それで、予習としまして、改めてまた見てみました。
前に見たときにも妙に泣けた記憶があったのですが、やはり・・・、
2度目でも同じ感動がよみがえりました。

生まれる前から親友だった4人の少女。
・・・というのは母親のマタニティスクールから一緒だったのです。
いつも一緒に過ごしていて分かり合える4人。
それが、16歳の夏、初めてそれぞれ別々の夏休みを過ごすことになりました。

★ティビー
どこへも出かけず、スーパーでバイト。
ちょっと、シニカルな彼女は、退屈な人生を過ごす人々のドキュメンタリー映画を作ろうとしています。ちょっと生意気なベイリーという女の子と知り合います。

★リーナ
祖父母の住むギリシャへ。よくポスターや写真集で見る憧れのギリシャの島。丘の上に並び立つ白い壁の家々、青い屋根。すぐ下に真っ青な海。・・・あこがれちゃいます。内向的な彼女は自分を変えたいと思っているのですが・・・。

★カルメン
離婚し、別居している父親の元へ。しかし、父親は新しい家族と同居しており、まもなく結婚式を挙げるという。自分がすっかり忘れられた存在になっていることに怒りを覚える彼女・・・。

★ブリジット
4人の中では一番行動的。メキシコのサッカーキャンプに参加。そこの大学生のコーチにアタックするけれど・・・。

この4人をつなぐのが、一枚のジーンズ。
4人は体型も違うのに、なぜか、誰が履いてもぴったりの不思議なジーンズなのです。
これを4人は一週間ずつ、順に送って交代ではくことにする。
魔法のジーンズだから、きっといいことがあるのでは・・・、そんなほのかな期待をこめながら。

でも、この物語は、ジーンズが4人にぴったりフィットする以外は、不思議なことは何一つ起りません。
4人の様子をそれぞれに追いながら、ストーリーは進み、きわめてリアルに夏休みは過ぎていきます。
それぞれに、いろいろな試練があって、それを乗り越えて、成長していく。
この4人の友情が、一人ひとりに勇気を与えるのです。

ティビーとともに夏を過ごすベイリーのエピソードが、最も心揺さぶられ、涙、涙・・・。
私は、自信過剰の目立ちたがりや、ブリジットがどうも好きになれなかったのですが、
実は彼女は、自殺して亡くなったお母さんのことがトラウマとなり、無理をして自分を奮い立たせていた・・・、
そんなことも次第にわかってきて、さわやかな印象に変わっていくのです。

夏休みに見るのにはとってもお勧めの一作。

さて、3年後の19歳の4人は、どうなっているのでしょう。楽しみです。

2005年/アメリカ/118分
監督:ケン・クワピス
出演:アンバー・タンブリン、アレクシス・グレーデル、アメリカ・フェレーラ、ブレイク・ライブリー


近距離恋愛

2008年08月04日 | 映画(か行)

まあ、他愛のないラブコメディーです。
学生時代から10年来「親友」のトムとハンナ。
週末には必ずともに過ごし、お互いの好みも家族のことも知り尽くしているのに、これまで恋愛には発展しなかった。
ところが、ハンナがスコットランドに長期出張。
トムはハンナのいない寂しさで、ようやく愛情を自覚し、彼女が戻ったら愛を打ち明けようと決心する。
しかし、彼女は、スコットランドで出会った男性と婚約し、彼を引き連れて帰ってきた。
茫然自失。
なんとか彼女の気持ちをこちらに取り戻そうとトムは悪戦苦闘。
しかし、何しろ敵はスポーツマンで、おかしな女癖もなく、
スコットランドの公爵の家柄という非の打ち所のなさ。
さあ、どうする・・・!?

トムはハンナの花嫁付添い人を務めるのです。
Made of Honor、これが原題。
通常は、新婦と最も親しい未婚の女性が務めます。
というか、男性のMOHなんて、前代未聞。
これを頼む方も頼む方ですよね・・・。
まあ、そんなこんなで楽しめて、全くお定まりのハッピーエンド。
めでたし、めでたし・・・、と。

でもねえ、やっぱり考えてしまうのです。
友人同士だから10年付き合えたけれど、結婚したらどうなのかなあと・・・。
そもそも、もうお互いを知り尽くしていたら新鮮味も何もなくて、すぐ飽きてしまいそう。
それに何しろ、超プレイボーイのトムなんですよ。
絶対、そのうち浮気が始まる。
だいいち、そんな女にだらしのない彼をハンナはずっと見て知っていたからこそ、
これまで、恋愛に踏み込まなかったのではないかなあ・・・。
しかもラストで結婚式に花嫁を奪うため乗り込んでくるなんて、あまりにも図式的ですよねえ。
しかし、その勢いにほだされてしまったのでしょうか・・・。
ああ、でも、スコットランドの伝統に、ちょっと辟易していた彼女は、
本当はこの結婚を取りやめたかっただけなのかもしれない。

変にいろいろ感ぐりたくなってしまう映画だなあ・・・。

スコットランドの美しい自然だけは見た甲斐がありました!

2008年/アメリカ=イギリス/101分
監督:ポール・ウェイランド
出演:パトリック・デンプシー、ミシェル・モナハン、ケビン・マクキッド、シドニー・ポラック
「近距離恋愛」公式サイト


「舞姫テレプシコーラ第2部1」 山岸凉子

2008年08月03日 | コミックス

「舞姫テレプシコーラ第2部1」 山岸凉子 メディアファクトリー

本当に第2部が出るのかどうか、実は半信半疑だったんですが、出ましたねえ、ちゃんと。
あの、1部のラストにはずいぶん、泣かされましたが。
あれから数年立ちまして、篠原六花(ゆき)は高校1年16歳。
亡き姉の夢をついで、バレエを続けフランスのローザンヌコンクールに挑戦しようとするところ。

山岸凉子氏のバレエ漫画といえば、やはり未だに「アラベスク」 のイメージは強いですが、こちらも、手塚治虫文化賞漫画大賞を受賞するなど、彼女の代表作の一つになりつつあります。
バレエ界を取り巻く今日的問題、
費用のこと、摂食障害のこと、スポーツ医療のこと、学業との両立のこと・・・、
等にもふれ、実にリアルな「バレエ」を描いています。

この主人公六花はちょっと気が弱くて、
でも、人のことにも気が回るとても気持ちの良い子なんですね。
コンクールでは緊張のあまりミスをしてしまうようなことも。
けれども、すこしずつ、たくましく成長していく、そんな姿を描いてもいるのです。
この巻に登場する彼女は少なくとも、バレエに関しては相当安定した実力を身に付けてきているようで、何より。
・・・でも、どうなのでしょう。
1部を見た限りは、彼女はむしろ本人が踊るよりも振付師の方向へ進むような感触があったのですが。
これからの話になるのでしょうか。
そして、初めの方に登場したきり、姿を現さない空美ちゃんは、一体どうなっちゃったのか???
まだまだ、一波乱も二波乱もありそうですね・・・。
ハンサムではないけれど、男っぽくしかし意外と神経は繊細な拓人君は好きです・・・。
しかし、これではノンナとミロノフ先生のようなロマンチックは望めそうにはないですね・・・。

満足度★★★★


大阪のクラゲ

2008年08月03日 | インターバル

大阪出張でばたばたしているうちに、もう8月に入っていました。
2泊3日。
な~んで、この時期に、わざわざ札幌から大阪なんかに行かなきゃないのさ・・・と、ぶつぶつ言いながら出かけました。
札幌はこの夏、ぜんぜん暑くなっていないのです。
最高気温もせいぜい26度とか27度とか・・・。
そこからいきなり35度ですからねえ・・・。
とはいえ、そもそも会議なので、当然室内ですし、ホテルも空調は快適。
意外と楽をさせてもらいました。
夜にお付き合いの宴会もあったりして、気ままに好きなものを食べに行くのもままならず。
お仕事ですから・・・。

ただ、2日の土曜日は帰ってくるだけだったので、フリー時間があって、
できるだけ涼しそうなところ、ということで『海遊館』に行って来ました。
大きな水槽で泳ぐ魚の群れ、マンボウ、アザラシ・・・、童心に帰って楽しんでしまいました。
いろいろなクラゲもいいですね。
ただただ海中に漂って、ふわふわ、ぱふぱふ・・・。
なんだか癒されます。
家にこんな水槽が欲しいなあ、と思います。
ボーっとずっと眺めていたい気分。
この写真の派手なクラゲはまた別の雰囲気なんですが、
何しろ、気に入ったほうのクラゲは暗くてうまく写せなかった・・・。

ここでやっと、”大阪”らしく、お好み焼きを食べました。
大観覧車などにも乗ってしまったりして、ささやかなれど、満足、満足。
実はこの、大阪港駅から海遊館までの道のりが、10分弱ですが、暑くて暑くて・・・。ここでやっと本物の大阪の暑さも味わったわけです。
・・・これが毎日なら、本当に大変ですね。
同じ会議に出ていたメンバーともばったり遭遇。
やはり、考えることはみな同じか・・・。

さて夕方、千歳空港に降り立ってみれば、小雨、17度。
やれやれ、日本は広いです・・・。というか、北海道は日本ではないのか・・・。