ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

間借り猫その後のその後

2016-09-04 09:05:40 | 暮らし

 そろそろ彼の猫が我が家の小屋に居候を初めて1年になる。母親、兄弟から置いてけぼりをくい、一人小屋に取り残された子猫、世間への不信と不安を満身に詰め込んで、ひたすら隠れ偲んだ生活を送った後、生来の人懐こさ、人恋しさにはたと目覚め、それからはべたべたの甘え猫となって今に至っている。

 人間に甘ったれな猫だから、猫社会の序列は低いに決まっている。1か月ほど前、近所のボス猫の襲撃を受け、あえなく撤退、その後、住処の小屋には近づけず、極力人様の近くで起居している。できれば、家の中に入れてほしいとの願望はあからさまなのだが、それは、間借りを許した際の契約条項に違反しているから、断じて敷居を跨がることはしない。彼の猫も、そのことは了解しているので、無理やり押し入ろうとしてたり、隔てる網戸を破ろうとの意思を示すことはない。ただ、心変わりもあねやも知れぬと、玄関前で日がな一日、待ち暮らす日々が続いている。

 

 今では母屋の床下が住処、常にこちらがが出てくるのを待ち受ける甘ったれ加減だ。畑仕事など出ようものなら、まつわりつき、走り回り、寝転がり、さかんに、己の俊敏さを誇示している。と、聞けば、健気でかわいいじゃない!などと、共感、同情を抱く向きもあろうが、これがとんでもないことで、彼奴のデモンストレーションのおかげで、セロリは4株が枯れ、白菜は1/3で発芽不良に陥った。まったく許せん!が、叱ったところで、聞く耳など持たぬわけだから、畑仕事は、彼奴の外出中とか、注意を他に、つまりエサに引き付けておいて、素早く行うしかない。

 まったく不自由で、不届きな話しなのだが、まっ、そこまで慕ってくれてるてのは、悪い気はしない。時折、気まぐれに抱いてやったりして、お互いの思いを交換している。彼奴にしてみれば、そこまでして、どうして家に入れてくれないんだ?って思いだろうが、それは譲れぬ。あくまで、両者の適切な距離を保ちつつ暮らして行くのだ。

 もうすぐ冬がやってくる。ボス猫の侵入がおっかなくても、小屋で寝泊まりするしかない。いつまでも人間にでれでれと媚びを売ってないで、強くなれ、自立しろ!それが間借り猫たるものの生き延びる術だ。

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