ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

学ばにゃいかん!自然を

2016-09-06 08:49:22 | 農業

 米作りってことについちゃ、以前から僕の担当ってことで、いつどんなことが起きて、なにをしなけりゃこうなって、こうすりゃああなるってことはほぼ理解している。だから、後は、僕がサボるかどうかにかかっている。今年は苗も順調だったし、米作りの優先順位も上がっこともあって、ここまでいたって順調、稲刈りへのカウントダウンが始まっている。

 野菜の方はどうか?こっちは神さんの担当分野で、口出し一切まかりならず、命じられた作業だけ手伝わされる小作労働以前の農奴の立場に押し込められてきた。昨年末、母親の介護需要が勃発、神さんが実家に移住してからは、畑もすべて僕の管理下に置かれることになった。よしっ、それなら、これまで以上の実績を上げて、畑だって、野菜だってできるんだぞ、ってところを見せつけてやろうじゃないの!

 戦後すぐの、農地解放で自作農になった農民たちの心境だよ。よしっ、自分の土地だ、頑張っぺ!ってね、田んぼに負けず劣らず畑にも労力を注ぎ込んできた。成果は上々、春先の菜っ葉に始まり、夏の収穫、スイカ、メロン、トウモロコシとこれまでにない収穫をあげることができた。ふふふ、さすがだね。1人だからね、完全無農薬・有機栽培だからね。

 大方上手く行ってる中で失敗もあった、当たり前だよ、初心者だもの。まっ、いろいろあるんだけど、一番悔しいのはキャベツとブロッコリー、カリフラワーのアブラナ科トリオだな。そう、蝶々との戦いに敗れた!春、苗作りも成功、移植後すぐに紗幕で覆って完全防御、出だし快調、生育順調!葉っぱを大きく広げていよいよ結球、結花の時期、もう大丈夫だろ、って紗幕外したのが運の尽き、あれよあれよで蝶々の乱舞、養分不足でぴたりと止まり、どうにか収穫にたどり着いたものの、キャベツは食われに食われてどうにかソフトボール。ブロッコリーはカメムシを振り落としつつなんとか食卓にたどり着いたものの、ブロッコリーは収穫直前に全滅。ああ、もう少し紗幕で覆っていたならば・・・・悔しい思いとともに、多くのことを学んだ。ひとたび自由を許せれば蝶々の攻勢は圧倒的だとか、結球前に追肥が必要とか。中でも紗幕外しについてはよくよく時期を見極めることが大切だってことなど。

 て、わかっていたのに、秋作のアブラナ科3兄弟、またまた大失敗。まずは、苗作り、一瞬の隙を突いて蝶々が侵入、若葉をいいように食い荒らされた。青虫の発見から毎日、水やりのたんびに虫潰し、なんとかかんとか移植にたどり着いた時には穴だらけ傷だらけの落ちぶれ苗だった。それでも、願いを込めて移植、紗幕も掛けて完全防御。よしっ、これでなんとか行けるんじやないか?畑に潜んでいた夜盗虫の夜襲で息絶えたものもあったが、生き永らえた苗は順調に活着、瀕死の瀬戸際から、どうにか持ち直した。あれほど我が世の夏?を謳歌していたモンシロチョウもさっぱり姿を見せない。そうか、あいつらの季節は終わったんだ、なら、紗幕なんてうっとおしいもんは、取っ払っちまえ。

 これが大きな間違いだった。あれれっ?飛んでるよ、蝶々!でも、はぐれ蝶1羽、あっ、正しくは1頭と数えるそうだけど、卵産んだって一か所くらいだろうと高をくくった。で、昨日、何気なく見て回って、念のため葉をひっくり返してみたら、

なんとなんとなんと、どの株にも確実に産み付けられているではないか!いかん、また春の惨状の再来だ!大根の種まきなどほったらかして、卵退治に没頭した。

 一か所に数100個産み付けられた卵を、一粒残らず指でこそぎ落とす。見れば、すでに小さな青虫にかえっているものもあって、薄っすらレース状になっている葉もある。危ない、危ない。こっちは1匹ずつ押しつぶす。結局、30株ほどすべてに産卵されていた。蝶々の子孫繁栄の執念、圧倒されたなぁ。と、同時に、知らねえんだよな、自然のことを、蝶々がどんなライフサイクルを持っているのか、およそ無知だから、こういうことになる。野菜たちの生理も同様、あまりに知らないこど多すぎる。勉強だな、勉強。こうやって失敗しながら、学んでいくわけだ、と野菜作り初心者は殊勝に反省するわけなのだ。

 

コメント
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