暖かいの、雨多いの、なんだかんだ言ったって季節は進む。秋は深まる。
不思議と彩り鮮やか。消えゆく命を最大限燃やし尽くそうって言うのか。着実に次の世代に引き継ぐための自然の巧みな技なのか。作物たちも精いっぱいめかし込む。思い思いの彩色を慈しみつつ、冬への備えにありがたくいただく。栄養価ばかりか、春から秋まで生き抜いた強い意志をもらい受ける。
昨年頑張り過ぎた柿は、今年はぐっと控えめ。
これじゃ干し柿にまで回りそうもない。さわし柿を楽しんで終わりだろう。取り残した梢の一つをもいでみたら、鳥が売約済だった。
すまん。根元に置いておくから。
神さんが丹精した食用菊は、霜にもあわず鮮やかに咲き誇っている。
こんなに出来て、上げるとこ探すのが容易じゃなさそう。訪ねて来る人を捕まえちゃ、袋いっぱいの菊を押し付けている。それでも、この量じゃ、ほとんどが霜枯れして土に返って行くことになるんだろうな。
甘酢漬けで食べ始めた赤カブも畑で生育途上。あと2週間、ずしりと育ったらすべて収穫だ。
寒さを控え、ますます深みを増す実りたち、その艶やかさにちょっぴり感傷的になった晩秋のひと時。