ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

無茶だろ!本番2日前の演出変更

2015-01-16 13:49:06 | 演劇
 装置を立てて、照明入れて、音出してゲネプロした。いや、それがゲネってもんだから。

 唖然!呆然!愕然!憮然!つまらねぇぇぇ!!

 なにが?って、とてつもなく単調!動きなさ過ぎ!座敷のシーンはほぼ座ったまま。そりゃ見合いとか話し合いのシーンだから、正座して向かい合って、てのがリアル。でも、見てる方としちゃぁ、ただただせりふ聞かされるだけだからね、あまりに変化に乏しくて、これじゃぜったい退屈するよ、観客。

 それと装置の問題点、和室なのにバックの装置の背丈が高い。普通障子って言ったら6尺、欄間とかあったとしても8~9尺がせいぜい、そこで上を区切られてるから、正座したままで劇が進行しても不自然感は少ない。ところが、今回はの装置は座敷のすぐ奥に高さ2間近い障子もどきが突っ立ってるわけだ。しかも、その奥は大黒明けてホリに色を入れている。ってことは、タッパ(高さ)は4間弱もあるってことだ。この幅3間、高さ4間の額縁で下の方にちんまり正座してっと、なんか押しつぶされたカエルの整列って感じたなんだ。



 せめて大黒閉めて、装置だけにしておけば、これほど上空のすけすけ感はなかったかな。でも、もう遅いよ、照明作ってしまってるし、変更は不可!じゃあどうする?演技でしょう。役者の演技でせいぜいシーンを大きく作ってもらうしかないでしょ。そう、できるだけ立ったり動いたりする演技に変更する、これしかないよな。和室の見合いで立ち騒ぐってどうしたっておかしい、不自然だ、あり得ない、でも、仕方ない。動きを激しくすることで、装置の高さから役者の方に観客の視線を引き寄せるしかない。だいたい男1人に女5人の見合いって設定そのものがお馬鹿でアホだから、騒々しく空騒ぎやったってあながち、それ無理!ってことにはならないんじゃないか。目標は笑い!なんだから、精一杯はっちゃけてコミカルな動きに仕上げよう。

 と、言うことで本番2日前に演出変更。ごめん、役者の皆さん、本当、申し訳ない。無理かなぁ?無謀かなぁ?でも、できる。できるさぁ、菜の花座だもの。ってなによその根拠のない自信。て言うより、無茶振りか?

 座敷以外の下手空間での演技も気に入らない。狭いスペースに3人、4人が入ってせりふのやりとり、どうしても直線並びになってしまう。前奥に立てばかぶってしまうし、なんとか変化を付けられないものか?これは寺の境内という設定なので、石作りベンチを置くことで解決することにした。これなら座った、後ろに立ったり、いろんな動きができるし、狭い空間の中で変化ある構図を作ることができる。
 
 てことで、こっちも演技変更。これは実際やってみたら、いい!すごくいい!まるでバックコーラスが一本のマイクの前に立ったみたいなどうしようもない単調さから一気にそれらしいシーンに生まれ変わった。もっと早く気付けば良かったのにね、ダメな演出でご迷惑のかけ通しだ。すまぬ!

 さっ、あと2日、この新しい動きを徹底的に稽古して自然な動きにしてもらわないと。まっ、ここから一息に完成の域に駆け上がるのが菜の花座だから、きっと上手にこなしてくれることだろう。

 菜の花座第32回公演『夢金らぷそでぃ』1月18日(日)14時開演だ。
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装置が立った!

2015-01-15 12:35:12 | 演劇
 装置が立った!

 当ったり前だろ、ってそりゃプロや演劇知らない人の言うことだ。アイディア出して、図面書いて、材料集めて、作り上げて、いざ、舞台に!

 パネル中心の装置なら、まあ、丁寧に作れば立って当たり前。でも、新しい素材、初めての仕組みとなると、立つかどうか?舞台映えがどうか?実際舞台に立ててみないことにはわからない。今回は、菜の花座だけじゃない、多分どこもやったことない真っさらなアイディアだし、吊りものだし、どんな具合になるか、とっても心配だった。

 で、ゲネプロ。舞台スタッフさんの都合で平日の仕込み、こりゃ辛い。みんな仕事やら、なんやらあるからね、人が集まらない。開始時間も過ぎたってのに、わずかに二人。仕方ない、始めっか。

 照明をつり込んで、色入れて、ようやくぼつらぼつらと集まった数人でパンチを敷いて平台を組んで、さて、いよいよ吊りものだ。

 一つのバトンに一つの吊りものなら、さほど気使うことはないんだが、今回は、一本に4つとか三つなんてあって、しかも、吊った装置の下部は舞台に接して固定することになっている。さらに、しかも、装置は微妙に斜め吊りが主体。ワイヤーの長さも微妙に違うので、吊った後でワイヤーを微調整。さらに、さらに、しかも、斜めに傾ける度合いは、全体を見て決めるってことで、ここでも、ああでもない、こうでもないと試行錯誤の連続。さて、最後は吊った装置の接地部分をどう固定するか、これも難題。ってことで、ゆったりゆっくりのんびり作業を進めた。もちろん、心の中じゃかなり焦ってたけど。

 そして、予定時刻を大幅にオーバーして、なんとかかんとか装置の吊り込みと固定がすべて完了した。



 中央が座敷でその奥に障子と庭の木々が塩ビ管と和紙で作られている。裏から見ると、



 こうなる。まずは立った!良かった!でも、問題はこれが芝居の中でどう生きてくるかってことで、照明さんの腕次第ってことになる。実際に仕込んだ明かりで演じた具合としては、まぁまぁってところかな。和紙の白さがかなり主張してしまって、上下スペースでの演技シーンでは中央の吊りものが目障りにも感じた。もっと舞台に奥行きがあれば、装置を奥に引っこめられるんだけど、こればっかりは無い物ねだりだ。

 あと、背丈が大きいので、座敷で座っての演技だと、ちょっと威圧感もある。立って走り回ったりできればこの装置はもっと生きるなぁ、なんて思いつつも、まあ、斬新な舞台、ほほーっ!と珍しがってもらえれば、それで合格てことかな。

 なんてたって、この真冬、装置作りは最小限にせざるを得なかったんだから、この辺で許してもらおう。

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稽古の昼飯は餅パーティ!

2015-01-13 15:48:54 | 演劇
 装置作りに予定した2日間、装置はできるわ、照明の色作りは終わるわ、舞台中央平台のパンチ敷きまで、やれることはみーんなやって、1日半。思いの他のスピード仕上げ、半日まるまる儲かった。よっしゃ!稽古だ!

 ほんじゃ昼飯は?

 なんと!なんと!なんとぉぉぉぉ!餅パーティだぜ!

 朝搗き餅が大きなジャーにまるまるいっぱい!鍋になみなみとろ~り餡んこ!糸引き納豆ボールにたっぷり!寸胴でたぎる雑煮汁!たまらねぇぇぇ!アンコ餅に納豆餅に雑煮だよ。しかも、雑煮汁にはナメコがどっちゃり!!



 いっただっきま~~~す!どれこれかまわず食い放題、いやぁぁぁ、豪勢だねぇ!



 アンコ餅から食うべきか、雑煮からか、はたまた納豆か、あーだこーだと議論を戦わせながら餅パーティ、いやぁ、食った食った!午後からの稽古が嫌んだくなるほど満腹した。

 この餅振る舞いの仕掛けは?てえと、ナメコ農家にして餅屋さんのFさん、シニア団員の一人だ。前日は山形市の初市に出店してたって話しで、相当景気よく売れたのか?よしっ、明日は餅ごちそうすっぺ!ってことで、この日の餅パーティの大盤振る舞いとなった。商売もののナメコと餅だもの、まずいわけがない。もう、みんな至福のひとときに酔いしれた。

 なっ、こういう人がるいから、シニアは大切なんだよ。幅が広いもの。高校演劇卒業生じゃ、持ち寄りなんてなーんもなし、それぞれコンビニのコーヒーたがって稽古だもの、味気ないよ。餅ばっかじゃない、漬け物とか煮物とか手作りケーキとか、みんなで持ち寄り、もう完全にお茶飲みモードになることもちょくちょくある。これがシニアの楽しみ方なんだな、演劇と言えども。だいたい、稽古の昼食に餅パーティやろう、なんて発想、シニアだねぇぇぇ!忙中閑有りってとこか。ゆとり感覚が並の劇団員とはまるで違う。

 以前の僕だったら、そんなのダメ!って拒絶してたかもしれない。めちゃめちゃキリキリしてたから。でも、さすがにシニア年代の仲間入りすると、そんな余裕も、有り有りって楽しめるようになった。そう、行き詰まった時にゃ、ねじ締め上げても金槌でぶったたいてもダメなものはダメ、せめて気持ちはゆったりと、楽しく幸せに稽古しなくっちゃ。

 とは言っても、せりふが入ってない役者にとっては、その後の稽古は地獄だったんだけどね。いえ、僕は叱りませんよ。嫌な顔一つしませんよ。ねっ。

 
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公演一週間前に装置作りぃぃぃ???

2015-01-11 20:19:38 | 演劇
 この大雪だもの、なにやるたってかにやるたって、難問は山積みなんだ。菜の花座『夢金らぷそでぃ』公演一週間前だって言うのに、装置作りだよ。間に合うのか?材料はどこで手配してどうやって運ぶ?製作の場所は?人手の方は大丈夫?それよりなにより、思いついたアイディア、上手く行くんかい?
ぎりぎりせっぱ詰まった段階での一発勝負、どれ一つだって舞台に致命傷となりかねない。役者の準備が進まない上にこの気苦労だ、もう!やれやれだよ。

 泣き言並べ立ててたって仕事はさっぱり進まない。まずは動く、ともかくやってみる、なにがなんでも走り出す、これしかないんだ。動けよさらば開かれん!だ。今日の最初の扉もこうして開けた。当初、材料の調達は米沢のホームセンタームサシを予定していた。で、前々日、トラック貸し出しの確認に行ってみたら、なんと!当店は貸し出しをしておりません、だって!だ、だれだ?ムサシで借りればいいんですよって言ったのは?さて弱った。僕ん家のトラックは現在冬眠中、起こして協力してもらうには、タイヤ換えたり、バッテリー充電せねばなんねから、無理!農家の団員に貸し出しを願ったら、貸す貸す、でも、家に取りに来て、だって。うーん、トラック取りに行って米沢ムサシに乗り付けて、荷物積んでプラザへ、荷物下ろしたらまたトラックの返却にって、この雪の中かよぉ?まっ、ないかもしんないけど、川西のコメリも覗いて見るか、って立ち寄ってみたれば、なんと!目的の材料もすべてそろった上に貸し出し用トラックまでスタンバイしてるじゃないか!大慌てでトラックの予約をしてそこから調達するってことにした。

 雪の中の運搬なんてやだなって思っていたら、やっぱりお天気強運男の僕!晴れはしなかったが、ちらつく雪もなし気温も穏やか店員さんも協力的で、するすると、塩ビパイプ9本、半角杉材9本、赤松細材9本、障子紙4本を運び込むことができた。

 さあ、次の難問は、たわめた塩ビパイプの両端を角材に固定する作業だ。僕の思惑ではガムテープでがんじ搦めにすればなんとかなんでねえかと楽観的。でも作業に集まった面々の顔には、無理だべぇぇ!ってはっきり書いてある。となると途端に僕の理由なき自信も揺らぐ。まっ、やってみるしかねえな、って試しに一つ固定してみたら、なんだよ、なんだよ、なんだよ、上手くいくじゃないか。なっ、だから大丈夫って言っただろ?ってわかってしまえばもうどこまでも強気。ほれな、ガムテープでもこんなに頑丈!なんて言っちゃって、自分でも心の中じゃ驚くほどの強度だった。

 次なる難問はこの半月形フレームに和紙を貼る作業。ガムテープか?糊でもいいいかも?いや両面テープだべって擦った揉んだの末に、両面テープと白色粘着テープの併用が最良とわかった。形の中に桟を入れる作業も試行錯誤の結果、我が菜の花座が誇る画伯兼装置美術主任のKさんが、ささっとアイディア出して解決、なんと二日掛かると踏んでいた装置作りが1日で終わってしまった!す、凄い!

 塩ビ管と角材と和紙でできたオブジェ、見てもらえないのが、すっごく!残念。カメラ持って行くの忘れたし、Ipad充電切れだった。まっ、そんだけせっぱ詰まってたってことだよ。バトン吊り用の金具も取り付けたし、これで儲けものの明日は稽古ができる。よかった、よかった。後は照明さんが、このオブジェを妖しく美しく意味ありげに彩ってくれるばかりだ。おっと、照明の色作りだって終わっちゃったしね。

 ってことで、菜の花座第32回公演『夢金らぷそでぃ』は、1月18日(日)14時開演だからねぇぇぇ。
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ゆるっと!行きますか?

2015-01-10 09:57:00 | ランニング
 スポーツジムに通っている。って言うのが未だに後ろめたい。もう2年近くになるっていうのに。多いときは週に4日も出かけているっていうのに。心のどっかに引っかかってるものがあるんだなぁ。

 まず思い当たるのが、恥ずかしいって感覚かな。いい歳こいてってところもあるが、もっと根っこの部分、大した用もないのに走ったり、筋トレしたりってなんだか、動物としての人間の究極的な退廃じゃないか?ウェイトコントロールとか健康維持ってちゃんと目的あんじゃない?って言い訳、それ自体がなんだか、無駄に肥満化した肉体に翻弄されてるって気がしてどこか心苦しい。

 マシーンを駆使してトレーニングするってことも、頭の外側から見るとどこか滑稽な感じ、しないか?ランニングマシーンの上を必死で走ってるとこって、あのハツカネズミの永久回転運動を思い起こすじゃないか。走りたきゃ、せめて外で走ればいいじゃないか、それなら自然とは言わないまでも、まっ、気持ちとしては許せる。たとえ走るのが道路だとしても、風や陽ざし周囲の田畑や山々、そんな中なら、これは動物としての野生の延長上だって見なせないこともない。

 それと、通っているジムの名称が”ゆるっと”っていうのも、とってもとっても気恥ずかしい。なんだよ、ゆるっとって。温泉か?保養施設か?老人介護施設か?ジムって知らないきゃぜったいそう思うよ。たしかに風呂もあってサウナもあってマッサージ機もあったりするし、利用者の9割方は年寄りだ。軽く運動して、ストレッチして、ヨガとかやって、風呂入ってリフレッシュ、”ゆるっと”過ごしておごやえ、って心づもりで名付けたんだろうし、きっと多くの利用者には違和感なないだろう。

 でも、僕の気構えとしちゃ、ゆるっとくつろぐつもりなんてさらさらないんだ。目的は、鍛えること!走力でも腹筋でも腕力でも、少しでもいいから今より上を目指したい。ハーフマラソンを走り、フルマラソンに挑戦し、さらに記録の更新をひたむきに狙う、そのためのトレーニングなんだ。ゆったりまったりに興味はない。自分の肉体が年齢を超えて逞しさを手中にすることに無上の喜びを感じている。だから、ゆるっとに行ってくるってどうしても言いにくい。言えない。

 じゃあ堂々とスポーツジム行ってる、って言えば?これが言いづらいってことは先に書いた。さらに理由を付け加えるなら、体を鍛えるってこと自体がなんか気恥ずかしさを伴う行いなんだよなぁ。突き出た腹を凹ませるとか、メタボ体型から抜け出すってレベルなら、涙ぐましいし、恥ずかしさからの脱出って意味合いが大きいだろうけど、そこを超えて体脂肪一桁台を目指す、とかなってくると、こりゃどうしたってナルシスだもの。太く堅くなった太ももなでさすってみたり、贅肉取れて割れてきた腹筋に満足してみたり、いや、そんなしょっちゅうにやついてるわけじゃないけど、やっぱり自己陶酔に近い感覚だって思う。まして67歳って年齢だ。枯れてないじゃない。悟れてないじゃない。もうほんとギトギトだもの。

 ほんじゃ止める?走るの。んじゃ諦める?鍛えるの。止めない!ぜったい止めない!前に向かって進む力は張りつめた筋肉からにじみ出す、これもう僕の信仰だから。


 
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