自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

ギータの中のヨガ⑥~Sanyasa Yogaha

2017年10月23日 | 健康を実現するための言霊(マントラや真言)

 

Embracing Divinity through Renunciation : 

世俗を捨てて神性を抱くヨガ

*****************************2017.10.23

 

無料写真自然風景 に対する画像結果

 

2017・8・14に同じタイトルで記事を投稿していた。


が、今回は少し違う角度から再度このヨガについて

みてみたい。

先回までの三回シリーズのタントリックエネルギーに

ついての記事を 書くにあたって、Aさんの訪問に

触発されたことを前書きに述べた。


Aさんはインド名だ。

イニシャルがAから始まる、このインド人女性の名前は、

彼女が所属していた教団のグル(師)から与えられた。

‘世俗を捨てた求道者’の証として、直弟子が与えらるもの

だった。

それを別名、サンヤシ名といった。 


俗世間にいても、下界的な欲望から離れて真理を探ろう

とする人をサンヤシとサンスクリット語で読んでいる。 


今日のテーマである、‘sanyasa yogaha’のサンヤシと

いう言葉は、その意味でもある。

***********

これはギータの第五章を中心に書かれている内容だが、

先回はその全般部分を訳してお伝えしたので、

今日はその後半部分に的を絞りたい。


アルジュナとクリシュナ神との対話で綴られている

ギータ、第5章11節の次のクリシュナ神の言葉から

始めさせていただきたい。


“In this world, God has not created the doers 

or the deeds or the connection between the two.”


意訳)この世の中に、神は行為者と行為の関係、

つまり、両者の間の因果関係というものをお創りには

なっていない~という。


私たちは、ごく普通に、‘悪いことをすれば、必ず、

その因果応報がある’という。

仏教などでは、因果応報の考えは 教えの重要な

柱の一つになっている。


しかしクリシュナは、それは、神とは関係ない 

自然界が造ったものだからとアルジュナに 

次のように説く。


“It is only nature that makes these happen. 

The Ruler of this world receives neither the merits

 nor the demerits of anyone.  

Ignorance veils the innate Wisdom, confuses and 

deludes all beings. 


But, for those whose ignorance has been 

eliminated by their knowledge of The Self, 

their knowledge reveals the shining Self 

it self.”( 5-13 to 5-16)


訳)それ(因果関係)は自然にそうなる話だ。

この世界を治める神はそれによって、メリットも

デメリットも受け取らない。 


無知が智慧を覆い隠し、すべての存在を困惑させ

迷わせる。

が、自分自身(アートマ、または、大我)を知ることで、

その迷妄は打ち砕かれ、輝いた自己を復活させること

だろう。

 

因果応報、自業自得 という事実はあるが、それは、

神の御心の世界にあるものではないというのが、

このクリシュナの上の言葉の行間の意味だろう。


つまり、そうした、因果、原因と結果の二元的世界

の中で翻弄され、苦しみや悲しみの中で生きる人たち

ですら、本当の自己を知った時、その自然界の因果の

法則すら超越できるというのが、その意味だ。


だからこそ、自分自身の中心部、本来の我、迷妄のない

大我に向かってぶれることなく、焦点を定めよと

クリシュナは引き続き言う。


それが、唯一の輪廻転生の回数を少なくして、悟りに

至る道だというのだ。


かつ、そうしたとき、自分の周りのすべての、生きとし

生けるものに宿る本質は、神(Brahmanas)であること

が理解できる。


多様性をもって、Brahmanasは世界に様々な形状で

表れている。

例えば、犬や猫、牛にいたるまで本質の命の中にも、

Brahmanasが存在しているのだ。


多様性の中の唯一無二の存在、それが、Brahmanas 

であるとアルジュナにクリシュナは説く。

その観方を徹底して、強い信念として生きざまに

反映されるとき、その人はついに、Brahmanasと

一体となるだろう。


人生の目的?なぜ、人は生まれてきたのか? 


すべての人に言える共通事項、それは人が内在する神、

つまり、Brahmanasと一体感を味わうことだと

クリシュナは言う。

 

“Attaching to the Indweller and thereby detaching 

from the contacts of the external objects, he enjoys

 the never-decreasing bliss of the Indweller.”

訳) 内なる神にしっかりと離れずに居よ、

そして、それ以外の対象に心をつなげるな、

ならば、内なる神の祝福に常に満たされている

ことができようぞ。

 

それ以外の対象物(external objects)とは何か

を具体的にクリシュナはさらに続けて説明している。


それは、身体的五感感覚によって、得られる

快感ある喜び(pleasures and enjoyments that 

contacts with external sense-objects give)

のことだ。


具体的に云えば、当たり前の私たちが使っている、

嬉しく楽しく、愉快で幸せになる行動でもある。


例えば、美味しいものを食べた(味覚)ときの

幸せ感とか、感動的な映画を観たとき(視覚)の

後味の良さとか、お香やアロマなど(嗅覚)が

造る爽快感とか、好きな人のそばでくつろぐとき

の(触覚)安心感など、それらは、クリシュナ神

のいう、外からの感覚的刺激で得られる快感と

いうことのなるのだろうか? 

答えは‘Yes’だ。 


’そうした対象に心を留めるな’って?・・

それはちょっと、厳しいのではないですか?

クリシュナ神よ・・・とアルジュナが言ったか

どうかわからないが、・・なぜクリシュナ神が

そう教えるのかいえば、端的に次の言葉に

表されている。


“They all area the birth-place of misery and sadness, 

they all have a beginning and an end.” 

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つまり、”こうした快感的喜びは裏を返せば、

不幸や悲しみを生み出す世界に存在していて、

その快感には必ず、限りというものがあり、

終わりがくるからだ”


というのだ。 

ここでは、‘a beginning and an end” 

= はじめと終わり~

があるという言い方をしている。 

ということは、そうした快楽はその束の間の間は

心を満足させてくれているが、終わった時、

また再び得たいという欲望のとっかかりを造るだろう。 


それこそが、時として、人に、みじめさや悲しみを

与えるきっかけになるとクリシュナは言っているようだ。


ましてや人の欲望は尽きないという性質をもっている

ものなのだ。

もっともっと、美味しいものを発見したり、体験したい

という願いは、強くなるだろし、五感で得た満足感が

終わらないよう、人は、余暇に時間と労力や

お金を使って、求め続けることも時にはあるものだ。


それが‘悪い’という言葉はクリシュナ神は使っていない。


ただ、‘本来の自分を見つける喜び、から比べると、

感覚的快楽的刺激をベースにした幸福感は、一時の

気休め的なそれであるにすぎないということを

強調しているのである。


さらに、そうした身体の五感的満足を求める人ほど、

心理的に怒りや不充足感でアンバランスになりやすい

ということをクリシュナ神は指摘している。


Before discarding his body, he, who controls 

firmly the mental impulse that generates desire and 

anger, gets established with divinity. He indeed is

 the peaceful one. He is the yogi indeed.” 

5-22~24)

訳)そうした五感の欲求を求める心、怒りや欲望を

あおる衝動をコントロールすれば、そこに神の資質

が得られていく。 

  

その人は、心の平安を得て、真のヨギになるのだ。“

ヨギとは、下界の欲望を捨てた人とは、こういうものだと、

この章でクリシュナは述べている。

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