科学の裏にある”偉大な存在”の気づき・・・
2025/01/11
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遺伝子が人体を維持している司令塔とは?
その答えは、村上氏の著書“生命の暗号”の最後の
章に記されていた。
”遺伝子と生命の関係” を村上氏は第5章37頁に
こう書いている:
“遺伝子は、生命の設計図ですが、設計図は
あくまで設計図で ‘そのもの’ ではありません。
したがって、遺伝子も生命そのものではありえない
ということになってきます。”
博士のご意見はその通りであるが、
スピリチュアル的な要素を少し、加味すると、
少々、異なってくるかもしれない。
”遺伝子は、生命の設計図であり、生命そのもの
ではない”という博士のご意見に対して、
神経システムを例にとって、みてみたい。
神経を神の経路(みち)と漢字で表している。
神経は文字通り、神の意識の路であるだろう。
生まれながらに、縦横に体中に、通って
いて、無意識の中で私たちの体の機能を支えて
くれている。
神経の働きは、言葉を変えれば、私たちの意識
でコントロ―ルがきかないところでの、
”私たちの身体を、生かそうとする力”に他
ならないと思う。
だから、”神の意識”は、森羅万象、生きとし生ける
ものに存在していて、それが とどのつまり、
生命力 という言葉に置き換えられる気がする。
したがって、正常な働きをしている
良い遺伝子は、人の体を生かそうとして
いるわけだから、それこそが、”生命力”の発露
の証のように思う。
生命という言葉は抽象的で、それは
喩えれば、空気 という言葉に似ている。
空気は私たちの周りを取り囲んでいるが、
空気の一片を 日常生活の中で、すぐ、
取り出すことは難しい。
それと同様に、体から‘生命’の一片を取り
出して、
これが”生命”ですと、可視化させることは
難しい。
体の外に出したら、すでにそれは生命では
なくなっているかもしれない。
村上氏はそのあたりを、こう書いている。
(以下著書から引用)
“では、生命はどこにあるのか?
今のところそれはよくわかりません。
ヒトの遺伝子情報が全部解読できれば、
今以上のことはわかるでしょうが、
それでも、生命の本質を
明かすのは、たぶん無理ではないかと
思います。”(以上)
村上氏は、世界的に高名な、遺伝子研究
を極めた方である。
どんな研究にせよ、極めた方に共通する
ある認識を、村上氏も持っていらっしゃる。
つまり、遺伝子研究の中で、物理学的に
解明できない生命の力、あるいは、
”不可思議な力”を 認めているのだ。
それを、博士は、
“精妙で大きなパワーが物理方程式の裏に
潜んでいる”
と表現している。
アインシュタインもその一人だった。
神は、教会や組織に存在するのではなく、
偉大な科学の世界に存在することを、
見いだした。
”Science without religion is lame,
religion without science is blind”
~”宗教なき科学は不具であり、
科学なき宗教は盲目である”
の言葉がそれを物語っている。
現在の21世紀の科学も、古典的科学と
みなされる将来が必ず、来るだろう。
それでも、どんな時代になっても決して
古びることがない真実が、このアインシュタイン
の言葉の行間にあるような気がする。
それは、”科学の裏には、人間の理解の限界を
超えた存在があること”
それを、神 と呼ぶのか、別の言葉で読むのか
は あまり、大きな問題ではない。
少なくても、偉大なる科学者たちは、その存在を、
その研究プロセスで目の当たりに実体感した
という事実で充分な気がする。
村上氏はそれを、“something Great” と呼んだ。
次回は、村上氏のいう、遺伝子の背後にある
”偉大なるある力”について考えてみたい。
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(*1)~サンマーク文庫“生命(いのち)の暗号”、
①巻と②巻
サンマーク出版 2009年、
(*2)村上和雄
1936年生まれ 筑波大学名誉教授。
78年筑波大学応用生物学化学系教授になり、
遺伝子の研究に取り組む。
83年高血圧の黒幕である酵素“レニン”の遺伝子解読
に成功。
先端学際領域研究長を94年より務めた。
96年日本学士院賞受賞。